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第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会

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SCCが開校する「コピーの学校」。その教頭として「第10回SCCしずおかコピー大賞」のファイナリスト作品で反省会をしています。 全60作品を教頭はどう考えるのか!? 独断と偏見、…
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2019年12月の記事一覧

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 プロローグ〜「メンバーズ大賞、逃しました。」

11月30日に「第10回SCCしずおかコピー大賞」の表彰式があり、その懇親会でメンバーズ大賞の発表がありました。 メンバーズ大賞は、静岡コピーライターズクラブの会員のみで行っている「しずおかコピー大賞」の乗っかりコンペ。要は審査するだけでなくコピーを書いて楽しみたい! というコピーを愛する会員たちの思いから始まりました。半分遊びであっても、書くことに情熱を注いでいるメンバーですから、ライバルに負けたり評価をもらえなかったりすると死ぬほど(泣くほど)悔しい‼︎ 私も含めほとん

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.1

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」 ・東京を「しずお化」へ 「静岡化」というキーワードにある「おかか」という美味しそうな読み方がわずらわしくて、「しずお化」と短縮したことで掛詞がより掛かった。 単純なダジャレのようでいて、言っていることは大胆不敵。どちらかというと、静岡は東京化している。文化も経済も、人口も足元に及ばない。徳川家康が駿府城と城下町を整備することで、江戸(のちに家康自身が手がける)や海外で言えばスペイン バルセロナの都市計画にまで影響を与えたと

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.2

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」 ・山道の険しさは知っている。   でも、頂からの景色も知っている。 コピーらしく見える構文を使っている。 A(山道の険しさ)はB(知っている)。 C(でも、頂からの景色)もB(知っている)。 これをレトリックという人もいるが、現在では巧さというほどでもない。 ビジネスを富士登山に例えての比喩である。静岡県=富士山という発想は、あまりに平凡ではあるが、その平凡さは県民感情や発想の恒久さでもある。これを味方に付けることがで

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.3

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」 ・社長、ぼくらは、闘いたい。 課題1の審査員となり、他の審査員たちと一次審査を行っていたときのこと。一人の審査員が、誰も票を入れていなかったこのコピーに光をあてた。 社員の情緒に働きかける作品が応募コピーのほとんどだったのに対して、この作品は社長の情緒に働きかける構成になっていた。この点が他にはないアイデアだ、ということでその審査員は推したのだった。 この課題の審査中、私は「社長への応援」という視点を持っていなかった。

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.4

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」 ・ふるさとのある企業は、強い。 「ふるさと」は、「故郷」や「古里」などの漢字でも表される。「誰にでもありそうで、実はない人がいる」というインサイトを日本人は持っている。 では、ふるさとがない人は誰? まず思いつくのは、東京の人だ。この東京の人、東京生まれ東京育ちの方だけでなく、東京以外で生まれて乳幼児のうちに東京暮らしとなった人も含まれると思う。つまり、東京以外での生活実績と記憶を持っていない人を指している。 東京生まれ東

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.5

課題1 「静岡企業の東京進出を後押しするコピー」 ・「挑戦を笑うヤツ」と「笑って挑戦するヤツ」  どちらがカッコイイだろう?ニヒルだ。男のダンディズムだ。そうなのだ、これは女性に向けて語られていない。 課題を読み、このコピーを読んだときに思うのは、昭和の頃、そして結果的に平成も、大きな顔をして企業戦士とか、ビジネスマンとか、スペシャリストとか、キャリアとか、自尊心を保ち鼓舞できる呼び方に喜び陶酔し、邁進してきた仕事が好きな人たちを彷彿させるホメコトバだ。 この意味において