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最後の1強エヌビディア株が調整されるとどうなるのか

新NISAが始まりオルカンブームは定着した感があります。
また、金融リテラシーについて、確実に底上げは進んでおり、これまで全く国際経済や新興国経済とは縁のなかった方も、新NISAという投資を経由して、縁ができてきている方のすそ野は広がっています。

さて、そうは言っても、オルカンの6割は米国株、さらに、米国株はマグニフィセント7がけん引役と言われてきましたが、テスラは調整に入りました。

実はその他の5社(Google、Apple、Meta、Amazon、Microsoft)も、株価は頭打ちになってきており、一人横綱になってるが、エヌビディアといえます。

時価総額は実に3兆ドル、ざっくり480兆円もあり、トヨタ自動車の7〜8倍ほどあります。チャットGPTの市場参入はまだ2年あまり、AIデータセンターの必須な半導体メーカーのエヌビディアの株価は、うなぎのぼりで来ましたが、さすがに、相当程度の調整が入るのではないかとう見方は根強くあります。

実際、米国では投資関連の番組、討論会、ほぼエヌビディアをどう評価するか一色という感もあります。

実はデジャブ感はあり、数年前は、このように耳目を集めたのはテスラでした。当時、世界は一挙にEVにシフトすると思われましたが、現在は、中国のBYDなどが、バッテリー調達力を武器に価格破壊EVを投入、テスラ1強は揺らいでいます。

この状況について、本当に、AIデータセンターの実需が高まるなら、電力需要が莫大になるのに、電力株は全く買われておらず、調整は近いという指摘されているのが、最近、高い分析力でメディア出演の多いエミン・ユルマズ氏です。


私も、短期的には、買い手がつくなくなって、相当程度の調整は入るだろうと考えています。
さらに中長期目線でいえば、マグニフィセント7の天下がずっと続くわけではないだろうとみています。

皆さんのお手元には、iPhone13~15あたりがあることが多いのではないでしょうか。そう、もう15まで来ているので、これは物凄いことなのですが、では、これは30、50、100までいくのでしょうか?

いくのかもしれませんが、iPhone50を現時点で予想するのは難しいでしょう。それでも、それに代わる企業は、やはり、米国企業になるのではないかと考える方は多いのではないでしょうか。日本企業、欧州企業、韓国企業、中国企業にもチャンスはあるはずですが、どうしても、野球界でいえば大谷翔平選手のように、世界のスーパーエリート人材を集める仕組みがあるのは米国ですので、米国発になるのではという志向は働きます。

そのため、長期の積み立て投資のドルコスト平均法であれば、やはり、オルカンはありではないかと思います。

ユルマズ氏は、エヌビディアが調整されると、米国株全体が調整され、その際は、短期的に、ドル安円高にシフトし、日本の投資家は、株安+円高のダブルパンチを食らうと指摘されており、それは、現実的にそうなるでしょう。それでも、積み立てであれば、底値で買えることになるでしょうし、中長期では、円安傾向に回帰する可能性は高いように思えます。

他方で、中長期で注視すべきは、米ドルの信認のようには思えます。米国は、財政赤字に貿易赤字。双子の赤字の国ですが、財政規律は弛緩しているようにみえます。もしトラとなれば、またデジャブの減税政策が打ち出され、株価は上がっても、財政負担は増すことになりそうです。ポストトランプで、その様相が調整される保証はありません。

その借金≒国債を喜んで買っているのは同盟国・地域です。最右翼は日本といえるでしょう。米国の安保の傘の下にあることが大前提です。ですが、同盟国・地域が着実に増えているようには見えません。日本、韓国、オーストラリア、台湾あたりに目を転じても、日本以外は、政権交代によって、米中感で揺れる傾向が強まってるように思えます。

BRICSのほうは、いつの間にか仲間を増やしており、その思惑の根底にあるのは、ロシア、中国主導のドル離れであることは明白でしょう。

米国企業の強みは揺らがないように思えますが、米ドルの信認は揺らがないのか、そこは冷静で慎重な見極めが必要になりそうです。





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