見出し画像

インドに関しては、ポジティブな報道が非常に多くなっている昨今です。
それでも、総選挙で、与党が議席を減らしたことで、ヒヤッとされた方も少なくないでしょう。実際、人気のインデックス型のインド株投信をみると、選挙直後に、一気に下がりました。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/06/2f12cbedd985865b.html


選挙直後に急落した株式市場が、回復に転じたのは、与党が議席を減らしたことが、モディ1強への改革圧力になるという見方があるからと考えられます。当面の間は、インド人気は、実態経済でも、金融市場でも続いていきそうな気配はあります。

ですが、そう簡単に問屋が卸すとは思えません。モディ1強は容易には揺るがないようにも思えます。それを知るうえで話題になっている著書の1つが、アジア経済研究所の湊一樹さんが執筆された「「モディ」化するインド」でしょう。


読み進めている最中ですが、モディ政権の10年を赤裸々にした良書です。
権威主義といえば、ロシア、中国と相場が決まってる感はありますが、実は、世界最大の民主主義国家を訴求するインドが、権威主義が浸透していることに対して警鐘を鳴らしています。

世界最大の人口を抱え、多様性の固まりともいえる国家であり、等身大のインドを理解することは、現実的ではないのは確かでしょうが、過度に楽観も悲観もせず、ニュートラルにみていく地道は努力は必要です。

今では、ネガティブな報道が多くなっている中国ですが、ポジティブ一色だった時代もありました。2001年末のWTO加盟直後や、2008年のリーマンショック直後に、米国経済が失速、中国が大胆な内需拡大策を打ち出した際などはそうでした。現在は、対中ディリスキングが、グローバル企業の重要課題の一つになっており、隔世の感はあります。

この経験を踏まえると、インドの奥深さを知ることが肝要ということになるのではないでしょうか。平成期は、終わってみれば中国台頭への対応に追われた時代だったように思えます。令和期は、それがインドに変わることになりそうです。

幸いインドは英語情報も豊富であり、新NISAでもインド株投信は人気になっています。インド通が増える条件は整ってきましたので、少なからず、その渦中に身を置きておきたいと考えております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?