旧正月×新幹線乗り放題=インバウンドマーケティング勝者?
今日は旧暦だと12月30日。この日曜日が、旧暦の正月です。日本は連日寒いですが、それもそのはず、旧暦の正月前後が一番寒いとされています。
アジアでは、明治時代に新正月に改正した日本以外の国では、一番おめでたいのは旧正月であることは周知の通りで、中国、香港、台湾、シンガポールなどの中華圏、韓国、ベトナムのみならず、イスラム教徒が多いインドネシアやマレーシアもお休みです。そして、この時期は、アジアにおける民族大移動の季節です。
海外旅行もまたしかり。私は、アジア駐在時代、臨時便で旧正月の時期に帰国したことが度々ありますが、日本は大人気で、いつも機内は超満員、深夜便が朝到着すると、そのまま、都内の繁華街にみなさん繰り出されていました。
今は、まだ中国のゼロコロナ解除の混乱の余韻が残ってはいますが、中国移動制限は解除。日本もまた、感染症の分類を引き下げ、この旧正月は間に合わないも、今春以降、本格的なコロナ明けの気配です。無論、まだまだ油断はできませんが、世界水準にようやく近づいて、夏が近づいて暑くなる前にはマスク外せるかも・・・という期待もでてきました。
つまり、旧正月こそが、アジアインバウンドの最盛シーズンであり、コロナで忘れていた頃のことを、そろそろ再認識してもよいタイミングになったと言えます。
実は、外国人には、新幹線も含めたJR乗り放題のパスがあるのをご存知でしょうか?そんなとても便利なチケット、実はあるんです。
無論、日本人は購入不可、外国人も「のぞみ」は不可で原則「ひかり」という、微妙な制限はありますが・・・1週間新幹線普通席乗り放題で、大人33,610円、日本の交通費はそれなりに高いので、使い方次第でかなりお得な気がします。私は、買えるなら是非とも欲しいですね。
実際、今、新幹線に乗ると、欧米の方が目立つものの、中華圏以外のアジアの方はかなり多く散見されます。無論、「のぞみ」が使えれば、このパスは、爆発的に売れることは間違いありません。
日本において、東京の知名度は、NYやLDN、パリに比肩する別格の存在で、無観客の五輪を開催して、通常なら、諸諸説が負の遺産といなって、財政破綻ししてもおかしくないのに、少なくとも表面的には、まるで何事もなかったかのようにみえ(ごたごたが続いていることは間違いありませんが・・・)、むしろ、東京の存在感は高まっている感さえあります。
他方で、他の都市・地域に目を転じると、世界遺産都市の京都、大自然で人気の北海道、沖縄は別格として、地方単体でのインバウンドには限りがあります。そのため、東京経由での新幹線のフル活用が得策・現実的でしょう。
諸問題を抱えて、進捗が遅れ気味ですが、もしも東京・名古屋・大阪間を1時間で結ぶリニアが見事に走れば、ビジネスはリニア、観光はのぞみを開放できるでしょう。リニアをフル活用できるようになれば、インバウンドの恩恵は、全国に広く行き渡る効果が期待できそうです。
コロナ明けの混乱のニュースが多い昨今ですが、ビジネスパーソンは、先を見据え、有望な訪日外国人市場を、戦略的に取り込んでいく知恵を絞り、日本の誇る高速鉄道網を最大限活用し、さらに、超高速化して、移動時間でみた国土を、小さくして利便性を高めていくことが、未来への投資になるように思えます。