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半導体投資ブームなのに、半導体不況?、どうしてこんなことに?

世界を揺るがす産業になっている半導体。
そのイメージだと、まだまだ何もかもが足りずに末端価格は青天井で上昇、引く手あまたのスター産業・・・そういうイメージが強いと思います。

特に、半導体への依存度が高いのが、台湾と韓国です。
ところが、韓国の半導体の雄であるサムソン電子、半導体部門が大幅な赤字計上となり、スマートフォンの黒字でなんとか埋めて、ぎりぎり黒字は確保したものの、世界を驚かせました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bcf61e6a248a8a00336acadc49b1996596e1b19f

半導体には、大きく、ロジック、メモリ、パワーの3種類があります。実際は複雑ですが、大枠では、ロジックは演算処理、メモリは記憶媒体、パワーは自動車・家電の出力調整と考えておけばよいのですが、サムスンはメモリ分野の雄です。

世界のPC・スマホにおいて、フラッシュメモリにサムソン製が入っていることは、かなり一般的な事象であると言っていいでしょう。サムスン電子の半導体部門の苦戦の背景には、記憶系の半導体価格が下落していることがあり、背景には、世界的なコロナ禍で、メモリ需要が急拡大したものの、それは需要の先食いだった面があり、反動が出ていることがあります。中国では、地方政府の援助を受けて続々とメモリの工場が立ち上がる見込みであることも、気になる動きです。

それでは、ロジックはどうなのか?
こちらは、世界中の半導体メーカーが、内製する場合もあるのですが、ファンドリーと言われる受託生産メーカーに作ってもらうのが一般的になっています。その代表格が、台湾のTSMC。半導体は、幅が小さいほど、高価で高性能。この最先端分野を走っているのが台湾で、最先端では2㎚の微細化を進めており、TSMCは三顧の礼で迎えられ、日米で工場を新設中ですが日本の熊本工場は22~28㎚と汎用品の予定、米国のアリゾナ工場は、かなり最先端を要請されているようですが、台湾域内の最先端技術導入かどうかは不明で、台湾域内の工場とは差別化が図られるとの見方は濃厚です。

そのファンドリーにとって、大口顧客の一つになってきたのがホアウェイなどの中国企業ですが、米国の圧力で、受注停止を求められてています。さらに、もう一つの大口顧客の米国のテック企業が、足元の業績が悪化している影響は受けてるようです。

それでも、メモリに比べてみると、ロジック全体ではまだまだ需給は強いと言え、米中デカップリングの中で、いわば、必要にせまられた増産体制が求められる状況は続くことになりそうです。

パワー半導体は、実は、マレーシアなどに工場があります。コロナ禍で、自動車用の半導体が止まり、生産できなかったことは記憶に新しいですが、これは、コロナ禍での工場封鎖が影響したことになります。現状、その状態は解消していますが、まだ自動車の受注残が多過ぎるので、なかなか納期が縮まりませんね。つまり、受注残は解消されていないとみられます。

ただし、半導体は、一言でいえば巨大な投資産業でです。好不況のサイクルがあります。現時点では、メモリの負の影響が大ですが、ロジック、パワーも分野ごとに細かくみていけば、少なからずサイクルはあります。

日本企業は、半導体のメインプレイヤーとは表面上は言えなくなっていますが、設備、素材では、大きな存在感があります。そのため、ロジック、メモリ、パワーのどこ向けの売上かで、影響は大きく異なると言えるでしょう。

私は、大枠では、ロジックは台湾、メモリは韓国、パワーはマレーシアに注目しておくのが分かり易いと考えています。

半導体産業に不可欠なのは、電力、水などのかなり高いレベルでのインフラです。もちろん、人材も必須です。

そのなかで、マレーシアは、米中摩擦が追い風になっている国として注目が続きそうです。それを意識した展示会が開催されるなど、注目度が高まりそうです。







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