リーダー刷新、陰の主役は誰だったのか
皆様お元気でしょうか。後期授業が始まりますので、頭の整理につづっていきたいと思います。当該分野は全く素人ですので、あくまで個人的な1見解としてご容赦ください。
石破新総裁は、本当に最後の挑戦と思っていらっしゃったのではないでしょうか。5回目の挑戦となると、これまでの注入エネルギーは尋常ではありませんし、年齢は67歳。ここで、例えば、当初優勢だった小泉さんのような若手に敗れたら、3年後はもうないと思っておられたのだと思います。そういう意味では、9回裏に、逆転ホームランを打った形といえそうです。
金融所得課税については今後さまざまな思惑が当面蠢きそうな気配ですし、高市さん優勢で織り込まれた円安・株高はある程度修正されそうですが、得意分野の安保と農政、地方創生では、国民の期待を担っていただけそうです。
さて、前置きが長くなりましたが、今回の影の主役は、故安部元首相だったのではないかというのが、個人的な見立てです。実際は、岸田首相、菅前首相、麻生元首相らの、旧派閥の論理が働いたことは間違いありませんが、根っこには安部対石破の対立軸があったように、私には見えました。
安部さんの長年の宿敵といえば、誰か・・・、それはやはり石破さんなのではないでしょうか。石破さんはいわば党内野党の重鎮のような存在であり、しかも、大派閥からは距離を置いておられました。安部さんが抱き込もうとしても、結局は距離を置き、その結果、石破さんは、冷や飯を食いつつも、ある程度自由に言いたいことが言える立場にあったとも言えます。
安部さんの経済政策踏襲色の強い高市さんと、アンチ安部の石破さんの決戦投票は、安部対石破に、私には見えました。これに対して、直接選挙ではないものの、民意を組んだ力学が僅差ながらチェンジを選んだように見えました。
一定程度戻ったとはいえ円安が常態化し、あらゆる経済指標で、先進国の一角の座が危うくなって、あらゆる国・地域とうまくやらねばならない現状では安部さんの政策は、時代に合わせて変えないとまずいという力学が、安部さんの後継色の候補ではなく、安部さんの好敵手を呼び込んだ・・・ように見えました。
さらに、石破新総裁の伏線になったのは、立憲民主の野田代表の誕生だったように思えます。野田さんこそ、国会では安部さんの好敵手でしたし、野田さんの復活劇といえば、安部元首相への弔辞があまりにも素晴らしかったことでしょう。あれによって、もう過去の人だと思われていた野田さんの復活を望む声が高まって、今回に至ったように思えます。
つまり、意図せざる形ながら安部さんが野田さんを復活させ、この論客で知られる野田さんの登場は、厳しい国会論戦を想起させ、今回に関しては、まだ先が長い小泉さんの勢いを削いだように見えました。
結局、時代がリーダーを作るのだな・・・そのように思えました。
さて、米国のほうは、ハリス氏が優勢にはみえますが、最後までわかりません。ですが、トランプ氏でも、石破新首相なら、やりあってくれる期待はできます。
また、日韓関係の改善や新NISA導入などの素晴らしい功績もありながら、デフレからインフレへの転換過程で、国民に受け入れにくい政策への説明が難航した岸田首相に比べると、石破新首相は、ある程度、清濁併せ吞んだ説明を繰り返して、説得するような気風はありますので、時代が選んだリーダーであることをお示しいただけることに期待したいと思います。