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2040年ゼロエミッションがもたらす悲喜こもごも
日本では、まだ中国製EVが走っているのは目にしていない・・・と思った矢先、BYD車を公道で初めて目にしてしまいました。東京モビリティショーでも耳目を集めて、その際んは私も乗り込んでみたのですが、長澤まさみさんのCM効果なのかどうかは?ですが、来るべくものが来たのだな・・・そう思ってしまいました。
この状況が一足飛びに進んでいるのが、タイやインドネシア。中国製EVのシェアは、タイでは1割に迫る勢いです。
ただし、中国国内では、BYDの販売の半分程度はPHVであり、中国以外ではEV、中国国内ではEVとPHVの併用という、かなりしたたかな戦略です。
話を日本に戻すと、日産サクラは、こちらは松たか子さん効果なので、ちょいちょいみますが、やはりまだチョイノリのイメージです。渋滞、夏のクーラーや冬のヒーターでの電力消費、充電場所の確保、日本の場合、当然先進国ではありますが、EVに限っては、そうも言えない面は否めませんが、ガソリン高が、EVの追い風になっていうるのは確かですし、日本においては、外国車でもEV補助金はフルで出ます。
その点、米国は、外国車への補助金はNOが明確になりつつあり、もしトラとなると、それが決定的になるのは間違いないでしょう。ご高名な木内先生が、ご指摘されている通りです。
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2024/fis/kiuchi/0514
日本の場合は、外国車へのEV補助金は続きそうで、新車の6割が既にハイブリッドになっている日本は、EV補助金がなければ、ハイブリッド王国が続きますが、2040年のゼロエミッションが国策で掲げられており、EV補助金は辞められないのでしょう。
日本において、再生可能エネルギーの拡大は諸制約が多く、原発再稼働も、当然、首長レベルでは反発は根強い。
他方で、成長期待のAIは、これに必要な半導体が電力をドカ食いしてしまうという新たな課題が出てきています。
果たしてどうするのか、短期的には、最適解への苦悩が続く百家争鳴状態になりそうですが、いずれにしても、この縛りがある限り、やはり、着地としては結局EVというのは、現時点では、不可避となっています。
米国とは連動しない動きになり、他方で、バッテリーは、中国がサプライチェーンを川上から川下まで、完璧と言えるほどに押さえてしまっています。
http://www.world-economic-review.jp/impact/article3275.html
長期では、2040年ゼロエミッションが根底で流れ、→なので、核融合の話も本格化
中期では、AIで電力供給力の有無が、勝敗を分ける兆し、→AIブームの陰の部分、電力がないと、AIの発展はない
短期では、地政学リスクからエネルギー価格は、乱高下しつつも高止まり気味、→結局、現時点では、持っている国が強いまま
為替に目を奪われる展開が続く1年であり、そちらの悲喜こもごもの方がより目の前にありますが、ゼロエミッション、AI、電力、EV、このあたりの課題は、ドーンと横たわったままである・・・ことも、踏まえておく必要がありそうです。