紅麹に他の成分が作用し、又は混入(コンタミネーション)した可能性に関連する事実:小林製薬発表

事実検証委員会の調査報告を踏まえた取締役会の総括について 小林製薬 令和6年7月23日

4.2.4.3 他の成分が作用し、又は混入(コンタミネーション)した可能性に関連する事実 p52

大阪工場では、生産グループ、品質管理グループ、管理グループといった3つのグルー プがあった。そして、生産グループの3つあるラインのうちの1つが紅麹原料の製造ラインであり、現場で製造を担当する社員は5~6名程度であった。しかし、紅麹原料の品質管理 を含め、その業務は、品質管理グループに所属する担当者にほぼ一任されている状態であって、他の従業員が当該担当者の業務のうちの一部をサポートしていたにとどまっていた。 このような状況は、紅麹原料の製造設備を含む製造ラインが移管された紀の川工場においても同様であった。当該品質管理担当者から上長への報告については、何か異常があった 場合に限り、直接の上司である品質管理グループ長に対して行われ、大きな問題があった 場合に限り、さらにその上司である梅丹本舗社長兼工場長に対して行われるといった形となっていた。
また、前記2.5.1のとおり、紅麹原料の生産能力は強化されてきたにもかかわらず、紅麹原料の製造設備を含む製造ラインの品質管理を含めた業務については、現場の担当者にほぼ一任される状況となっており、人手不足が常態化していた。 そして、大阪工場に関しては、本件問題の原因であるか否かは不明であるものの、当委員会によるインタビューにおいて、①問題となる本件製品に用いられた原料ロットの製造時(2022年11月上旬)に、その乾燥工程において、乾燥機が壊れて当該原料ロットの紅麹菌が一定時間乾燥されないまま放置されていたこと、②紅麹を培養するタンクの蓋の内側に青カビが付着していたことがあり、その旨を品質管理担当者に伝えたところ、当該担当者からは、青カビはある程度は混じることがある旨を告げられたことがあること、③大阪工場から紀の川工場へ紅麹製造ラインを移設する際、製造における乾燥工程の設備の一部である排気ダクトの深奥部が目詰まりしていることが発見され、それまで適切に排気ができていなかった可能性があることを述べる者がいた。
しかし、小林製薬は、本件問題を認識して以降、3月22日(金)の本件ニュースリリースまでの間、直接製造担当者に製造過程の問題を尋ねる等して製造の実態を把握するといった積極的な試みを行わなかった。

事実検証委員会の調査報告を踏まえた取締役会の総括について (kobayashi.co.jp)



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