【仕事紹介】「ライブ制作」って何してんの?④〜さぁ、ライブに向けて「プロモーション」〜
前回までで、ライブをともに作り上げていくいろいろな職種は
ある程度ザザッと紹介することができました。
演出家の話。しようと思うんだけどもうちょっと先になりますかね。。。
すみません。
<さて、開催に向けて>
①会場スケジュール組み
②予算の策定
③必要セクションのアサイン
までが出来上がったところでいよいよ「ライブ制作」は
一般的に「ツアーマネージャー」と言われるような仕事に舵を切ります。
それは例えば、、、アーティストさんやマネージメントと相談して
「どれくらいリハーサルが必要だろう?」
と相談した上でリハーサルスケジュールを組み、スタジオの手配に入ったり・・・
アーティストさんとマネージャーはもちろん、それ以外の各舞台制作セクションも含めて、みんなの分の移動行程の作成→チケットの手配
→宿泊する場所の手配に取り掛かったり
アーティストさんからの希望を吸い上げ大道具さん(美術)と実際のライブ会場の
条件に当てはまるように舞台セットのデザインなどを決めていったり
などなどですね。
<ツアーまでのプロモーション>
それと同時に、告知とプロモーションです。
マネジメントスタッフや、メジャー契約があるアーティストさんの場合、レーベルの担当者などと連絡を取り合いながら、告知のベストなタイミングと、券売スケジュールを相談します。
例えば、、、
「○月●日にアルバムをリリース予定で、今回はそれを引っ提げたライブツアーです」と、いう場合。
すでにリリースの告知はされているのか?まだの場合ライブスケジュールも一緒に出たほうがインパクトが大きいよね?
「作品を購入してくれた方達にせっかくならば特別な先行受付の機会を作りたい!」
でも、逆にそれならばそれまでにファンクラブのチケット先行は終えてなきゃいけないね。etc...
アーティストさんのニュースが出るタイミングに応じて、その時にちゃんと
然るべきチケット販売の体制が取れているように組み上げていく。
という、地味なんだけどココがチグハグだったらファンの方にとっては釈然としないブーイングものだったりするので大事です。
だって、ファンクラブに毎月お金払ってたりするのに、それより先に情報を得ることができる手段がいきなり出てきたりしたら嫌でしょ?
逆に、せっかくリリースがある=露出が増えたタイミングで新しくファンになってくれそうな瞬間に「ライブ行きたい!」って思ったのに
チケット一般発売はまだだいぶ先。しばらく買えません。だったら
熱が冷めちゃったり
「どうせ一般発売しかないなら取れないか」って先に
諦められちゃったりすると
せっかく好きになってくれたアーティストさんを生で感じてもらえる機会を逃すことになってしまいますから。
で、ここまでは「全公演共通の先行販売」のお話し。
上の図の「ローカルプロモーターの主な業務」の中で
もしかしたら1番の腕の見せ所
「各地特有のプロモーション」。
上で書いたような制作やファンクラブ主導の全体の先行販売が終わったあと、
プロモーションの主導権は各地のプロモーターさんに移ります。
例えば、一般的に「プレイガイド」といえば
チケットぴあさん、ローソンチケットさん、イープラスさん
などが皆さんにとってすぐパッと浮かぶかもしれませんね。
ただ、各地方にしかないプレイガイドだったり、
各地プロモーターさんの自主プレイガイドだったり、
全国どこでも買えるプレイガイドだけではないのです。
もしかしたらこれを読んでくれている方の中には、各地プロモーターさんの
会員になっている方もいるかも。
毎月ジャンル問わず色んなコンサートの情報が載った会報誌やメルマガが送られてくるアレです。
こういうツールを駆使して、広く告知していきます。
↑のようなプレイガイド以外では、例えば、、リリースに伴ってアーティストさんが各地のFM局に出演したり取材を受けにその地方を訪れたりするタイミングがあります。
そのタイミングを利用して、さらにもう1本、告知コメントをゲットしたり、
テレビの情報番組の出演を獲得したり。
各地のプロモーターさんも、我々と一緒に、チケット販売を伸ばすべく
様々な努力をしてくれているのです。
大手レーベルに所属していたりすると、各社地方にブランチがあったりして、
そういうことはほぼほぼレーベル主導で動いたりする場合もありますが
そういう場合でも各地のプロモーターさんとのやりとりは重要です。
どう重要かというと、、、
プロモーション戦略としてバッティングしたりしないように効率的に
組んでいく上で重要なのは当たり前です。が、
ちょっとした大御所アーティストさんだった場合
「この前名古屋来た時はあそこでご飯食べたから今日はあっちの方が
いいですよ・・・!」とか。
「大阪行った場合はいつもあの人が良くしてくれてるんで今回も相談してみては・・・?」とか。
「アーティストケア」と、いう面でも結構重要です。笑
あと、皆さんがコンサート行ったりした時に入り口では
チケットをもぎる→カメラとか持ってないかチェックされる→フライヤーもらう
的な流れが多いかと思いますがこのフライヤーも各地プロモーターさんのおかげ。
制作サイドの力だけでは同じようなジャンルだったとしても別のアーティストさんのコンサートで自分たちの宣伝を一緒にしてもらうのは難しかったりしますが
広くコンサートを運営されているプロモーターさんならでは。
たまーに自分たちのコンサートの時は他のアーティストさんのフライヤーをまかないで!って人もいますが。笑
そこは快く。シーン全体をよくすると思って持ちつ持たれつなのです。
もし、皆さんがコンサートに行かれた場合、「ゴミだ!」と思ってすぐ捨てちゃわずに。少しでも良いのでお目通しいただければみんなの努力が報われます。
ここまでで何となく。
我々、制作やマネジメントがアクションするプロモーションと、
各地のプロモーターさんがするプロモーション。
ひとくちに「プロモーション」と言っても根本的に違うことがお分かりいただけたかと思います。
制作サイドが意識する「プロモーション」は、例えるなら
「10の力を持っているならば漏らすことなく10の力を引き出す」
為のプロモーションです。
それは、すでに、もうそのアーティストさんを知っていて。
・ファンクラブに入っている
・作品を購入する
・すでに過去のライブに行ったことがある
など、下地がある状態のところをこぼすことなく告知するためのもの。
一方、ローカルプロモーターさんの「プロモーション」は
「10の力しかないところを何とかもうひと伸ばし・・・!12にしよう・・・!」
とする為のプロモーションです。
・名前は知っているけどライブは行ったことないなぁ
・最近人気で気にはなってるけど買ってまでは。。。
・そもそも知らない
などなど、まだ、「ライブに足を運んでもらう」
というところまでは遠いかもしれない方々に振り向いていただくため
広く告知していこう!
と、いうものなのです。
少し長くなっちゃいましたね。
次回はライブ当日のお話。
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