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アメリカでの大学生活を経験

毎年約65%の高校卒業生が全米の大学に進学していると言われていますが、各大学の特色や魅力も大学が存在する数だけ異なります。例えば、有名なI VYリーグから、スポーツのNCAAやプロへの昇級が有名な大学、アフリカ系アメリカ人の文化を強調した大学、海洋学などの専門性に特化した大学など、その特色は様々です。日本の大学に行った事がないので比較はできませんが、今回のブログではアメリカの4年生大学の経験についてお話しします。
 
大学に入学すると、オリエンテーションが始業式前の1週間ほど行われます。ここではまず友人作りに焦点が置かれ、数多くのタスクをグループに分かれて行います。例えば、騎馬戦もあれば、何かを作る共同作業や大学校舎を使った宝探しなど、色々ありました。殆どの生徒が9月期から入学するので、オリエンテーションは夏に行われ、野外BBQやコンサートなども毎晩の様に計画されました。
 
授業は普通100から400番台のコースに分かれており、数字が上がるにつれて事前教養が必須になります。最初の100番台の入門コースは大きな講堂が使われる事が多く、300人以上の生徒が一斉に集まり受講します。その場合、教授が前に立ち講義を進めますが、質問などは後日の復習セミナー内で質疑応答する形になります。

学年が進むにつれて、各クラスの大きさも減少し、3年生で専攻を決めた後には、クラスサイズも15〜20人ほどに縮小していきます。この頃には講義形式の授業もありますが、同時に講義プラスケーススタディーやディスカッション方式の授業が多く取り入れられます。これらディスカッションを通して、各授業の知識を更に応用し、深く詰めていくことになります。教師群からのサポートも手厚く、教授のオフィスアワーやTA(教授アシスタントで通常は大学院生)による復習授業や特別授業も行われ、大学全体の学識レベル向上に努めています。また、3年生までには専攻分野を決めますが、その時点で(僕の大学では)教育指導役になる顧問教授を生徒が選択します。顧問教授が各生徒の成績や卒業必須クラスの修得や卒業後の進路相談に乗ってくれる事になります。
 
全レベルに於いて、クラスの出席は必須で3回目の欠席からは半グレード降格(AからA-へなどで約3%の成績ダウンです)になってしまいます。よって出席率は常に高く保たられ、100番台の入門レベルに於いても宿題の提出が各授業の出席確認とされています。また4年生になると、Independent Studyという単独リサーチというコマを取る事も許されます。

僕も4年生でIndependent Studyを選択しましたが、議題選択も自分の専攻分野から選び、自分の顧問教授が担当教授になってくれます。リサーチは一学期かけて行い、自分の選考で学んだ定義を用いて論文を書きます。僕の場合には、経済学専攻だったので、「ベルリンの統合がもたらすドイツ不動産への影響と将来」というトピックでレポートを書きました。リサーチの評価は提出後の教授との弁論で決まりますが、用いる資料や知識も4年間の総まとめとして書くので、ある意味卒業論文と同じ意味を持つかもしれません。また、米国系大学は卒論や卒業試験が大変と言う事で有名ですが、これも大学によって異なります。僕は合計で3つの大学に通いましたが、どこにおいても卒業論文も卒業テストもありませんでした。
 
各大学で一番大きなポイントが卒業後の就職先と就職率です。大学側としても新規生徒募集活動のみならず、将来的な募金なども大きく影響してくるので力を入れているところですが、学生としても大学がどれだけ企業誘致に力を入れていて、訪問企業の業種や社数は入学選択の上で重要なポイントなります。多くの生徒は大学の専門性や地域性を最大限引き出した就職先につく場合が多く、例えば、シアトルのワシントン大学では、大学院ではあったものの、新規就職先を探した卒業生の多くはシアトル地区の企業に就職していました。
 
KM Pacific Investments Inc.代表
枡田 耕治


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