暇、マンネリ、刺激のなさ
暇、マンネリ、刺激のなさ。こうしたものは、人を緩やかにダメにする公害のようなものである。公害が発生していて蝕まれているのなら早くその場を離れるのが吉である。
暇、マンネリ、刺激のなさ。こうしたものを、良い表現に置き換えると、やることが明確で、仕事の質も量も多くないとなる。ホワイトな職場だ。
ホワイトとブラックを比較すると、ホワイトは絶対善でブラックは悪という印象がある。ただ、以下のコラムのようなことが起きているので、本能的にぬるい職場には危機感をもつ人が多いのだろう。
暇、マンネリ、刺激のなさ。これらがエンゲージメント低下の原因となっているからなんとかしたいという相談が増え始めた。モチベーションが下がっているのだという。特に、ルートセールス、製造現場、インフラなどでそうした減少が見られる。
モチベーションを上げたいから、一瞬で元気になる研修をしたい。研修は、気付け薬や悪い注射ではない。そんなことをしても、何度も投薬しなければならなくなる。すぐに効果の出るものの効果はたいていすぐになくなるものだ。
そもそもホワイトは善でブラックが悪という曖昧な号令で世の中が未定義な白に向かったのがおかしなことを招いたのだ。ハラスメントは悪だが、ブラックとハラスメントは完全なイコールではない。ホワイトも時にはハラスメント性を孕むのだ。
詳しい話は次回に書きたいが、次回は「ジョブクラフティング」について書こうと思う。
ただ、今回はもう少し手前の白と黒を深堀りしておく。
まず、最近組織開発の分野でハレとケが取り上げられ、ハレを日常にという話がたまに出てくる。ハレとケには諸説あるが、ハレは非日常。つまり、葬式もハレという考え方もある。
葬式にはブラックスーツの喪服でいくという習慣があるが、死人は黒い服を着ない。死人は白装束を着る。
切腹をする武士の死に装束も白である。つまり、死んであちら側に行くことが白で表される。婚礼で着る白無垢も、実家の一員としては死に、嫁ぎ先で生を受けるという意味だ。
白は無であり、そこに色が積み上がり黒になる。黒は酸いや甘いが積み上がって交わり黒くなるものだ。
ただ、現実には、ケしかない職場が多いのだろう。ケの中で生きてきた人にハレは想像しにくい。
暇、マンネリ、刺激のなさ。そんなものとは無縁に生きてきた。だから、ホワイトで辛いならハラスメント成分を抜いた、黒の濃縮還元液を与えればよい。そこで「ジョブクラフティング」なのだ。
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