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【書評?】日本語の発音はどう変わってきたか
昨年、出張にいくときに今はなき東京駅の本屋で「日本語の発音はどう変わってきたか」を買った。
学部で音韻論の授業は取っていたが、当時は音については興味がさほどなかった。以降、英会話を始めてしばらく経ち、話せる気満々になっていたが、ドイツにいるときに外国にいる外国人に言葉が通じない経験をし、フォニックスを学んだ。そうした経験を経由して改めて音に興味を持った。
最近は、音が分からないと日本の文化はわからないくらいに思っている。
先日読んだ「日本語をさかのぼる」でも、第五章で一章を割いて音に触れていたし、「日下を、なぜクサカと読むのか」は丸ごと地名を音から読み解いた本だとも言える。
たぶん、多くの人は興味を持たない分野だろうけれども、例えば、、、「雪やコンコン」のコンコンについて「日本語をさかのぼる」では音から分析している。
こんこんは、かつてはこむこむであり、来む来む、つまり来い来いという雪よ振れの歌だった。
また、比較的メジャーな話としてはワ行の「ゐ」「ゑ」は「い」「え」と異なる発音だ。
「を」を一つ一つ取っても、オミナ(姥)とヲミナ(美女)は今だと同じ音だが意味は違う。だから、音を区別できないとlice(しらみ)とrice(こめ)みたいな話になってしまう。
他にも有名な話は、かつて母音は8つあった話だろうか。いえおの三音には、甲と乙があり、い乙、え乙、お乙と呼ぶ。区別のために普通のいえおはい甲のように書く。乙をアルファベット表記する際はウムラウトをつけてïëöで表記したりする。
あとは「は」は「ふぁ」だったとかあたりが有名だろうか。「はは」は「ふぁふぁ」だったり「ぱぱ」だったりした時期がある。pとfとhが交替するのだ。
他にも、tとsが交代するとか、aとöが交代するとか、色々な知っておくと面白い規則がある。こうしたルールは沖縄弁に一部保存されている。
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本書は、日本語の本の一部で音を扱っているというよりも、一冊丸ごとを音で費やしている。
昔の日本語といっても、奈良時代と室町時代、江戸時代では違うわけで、本書は歴史的な変遷もつぶさにおってくれるのだ。
学部時代に、古典の言葉や文法はある日突然消えたわけではなく、少しずつ変化しながら現代語に変わっていったと教わった。
学部でもっとも印象的だった授業は、古典で教わった係り結びの法則がなぜ現代に使われていないのかという謎解きだった。
僕は文法を学んだので文法を土台とした書き方になるが、音も結局同じことなのだ。変遷している。
音の変遷に興味があったら読んでみると楽しいかもしれない。
2024/11/26に下書きしたものです