小倉広氏の新作「すごい傾聴」(ダイヤモインド社)
小倉広氏の新作「すごい傾聴」(ダイヤモインド社)を拝読した
「滑る傾聴」役の滑川課長と「すごい傾聴」役の須豪山課長の対比が大変わかりやすかった、そして内容が濃かった
私たちは、傾聴場面ではついつい教えてもらったテクニックを使いがちである
でも、私のお師匠さんも小倉氏と同じことを言っていた
日本人はカールロジャーズの「オウム返し」「うなずき」の表面だけを捉えているが、本来、彼の傾聴は、もっと能動的であった
この著書ではそれを「追体験する」「相手になりきる」と表現されている
「感情だけを追え」
日本の社会ではかつて、ビジネスの世界では「感情を出すな、論理的に考えろ」と教えられてきた歴史がある
ところが、最近脳科学の世界でも、感情の抑圧や封印は、本来の人が持つ生命エネルギーを抑え込み、力を発揮することができないと解明され始めた
カウンセリングと言うと日本では治療というイメージは過去にあった
もしかすると今でも根強く残っているかもしれない
「治療モデルで聴く」↔️「成長モデルで聴く」
という対比でこの著書ではわかりやすく解説されている
カールロジャーズは、「実現傾向」を育むためには、「邪魔をしないこと」「適切な環境を用意すること」が大切だと考えた
「成長モデルで聴く」傾聴は、自己開示や気づきが起きて、人格的成長につながることが多い
私もそんな成功体験を幾度もした
「傾聴」の著書にに関しては何冊も読んだが
「すごい傾聴」は著者の小倉広氏の自身の体験から手に入れた「気づき」と、カウンセラー・研修講師として
数多くの臨床に立ち会った経験から滲み出た言葉が私には浸透してきた
職業カウンセラーだけではなく、全てのビジネスパーソンにお勧めの一冊である