よく聞け、お前

原稿を書いている。が、苦戦している。

苦戦の理由は分かっている。取材が下手だからだ。

手元には、取材音源を文字に起こした文章がある。テープ起こしされた文章をもとに、構成を考え執筆に入るわけだが、このとき、自分の取材力の低さにうなだれる。

ライターは代弁者であり、翻訳者である。自ら作品を生み出すことはできない。聞いたことしか、書けない。つまり、よく聞けなければ、よく書けないのだ。

執筆者の僕は、取材者の僕に文句を言っている。なぜ、この話題をもっと深ぼらなかった？なぜ、この時の心境を聞かなかった？

これがあれば、深みのある原稿が書けるのに。これがあれば、もっと読者に学びをもたらす原稿が書けるのに。

取材者の俺、もっと頑張れよ。と言いたくなるけれど。というか、すでに言っているけれど。まずは、今は、執筆者の俺が頑張らないとだな。