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いざ、ペトラへ

世界一周137日目。今日のミッションは、ヨルダンで最も楽しみにしていたペトラへ移動すること。

首都アンマンからペトラへの移動方法は主に3つ。1つ目が観光客向け、事前予約制のJETTバス、2つ目がローカルバス、3つ目がタクシーだ。

今回は節約旅なので3つ目のタクシーは一番に却下。JETTバスかローカルバスの2択となる。

JETTバスは朝6時半発の1本のみで、料金は10JD(約2100円)。事前予約が必要なのと朝早いのが難点だが、定時運行なのが安心。観光客の多くはこちらを選ぶようだ。

一方のローカルバスは1日数本の運行で、昼過ぎまでは乗れるらしい。事前予約の必要はなく、バスターミナルに行くだけでいい。料金も7JD(約1470円)と安い(場合によっては変動する可能性あり)。ところが出発時刻が決まっておらず、満席になってからバスが出るスタイル。ネット情報には30分〜1時間30分ほど待つと書かれていた。

僕は、迷わずローカルバスを選んだ。

旅の費用には大きく分けて、食費、交通費、宿泊費、観光費の4つがある。この中で、僕の節約優先順位は交通費、宿泊費、食費、観光費の順。交通費は最も節約したい分野なのだ。

同じ場所に同じ時間をかけて移動するなら安い方がいい。それが僕の考えだ。

JETTバスに乗らないのなら、早起きする必要はない。目が覚めてからベッドでしばらくゴロゴロ。8時に起き上がり、チェックアウトの準備。8時40分ごろに部屋を出ようとした時だ。

“ Where are you going?”

向かい側のベッドの上から声がした。

“ I'm going to Petra! ”
“ Oh! Can I join you? ”

ローカルバスに乗るためにはまずタクシーでバスターミナルに行かなければならない。タクシーなら一人よりも二人で割り勘した方が当然安上がりだ。

こうして、僕たちは一緒にペトラに向かうことにした。

彼はインド人で、名をアミットと言う。アミットはまだ寝起きだったため、彼が準備をするのを待つことにした。なるべく早くバスターミナルに向かいたい気持ちはあったが、時間より安さをとって、彼を待つことにした。

アミットの準備が終わり、宿を出たのが9時10分。Uberでタクシーを呼んだが、なかなか来ないのでキャンセルし、流しのタクシーを拾うことに。アミットが交渉してくれ、4JDでバスターミナルまで行けることになった。ひとり2JD(約420円)だ。

バスターミナルに着いたのは9時40分。ペトラ行きのバスに向かうと、そこには誰一人いなかった。前のバスが出発したばかりなのだろうか。僕とアミットが最初の客だった。

僕たちはひたすら待った。たくさん話した。空を見つめた。ピザを食べた。

一人、また一人とスローペースで乗客が集まり、満席になったのは11時40分。実に2時間待ちだった。

ようやくバスが出発したかと思えば、5分後にはガソリンスタンドへ。途中1回の休憩を挟み、ペトラに到着したのは15時14分だった。

そこから僕はアミットを置き去りにし、ダッシュで予約していた宿に向かった。というのも、15時半からオンラインミーティングの仕事があったからだった。

本来、ミーティングは14時からだった。僕の計算では13時ごろペトラに到着予定だったので、問題ないと思っていた。

僕は完全に、旅をなめていた。予定通りにいかないのが旅。より旅らしい方を求めて、JETTバスではなくローカルバスを選んだ自分がいた(値段のこともあるが)にもかかわらず、だ。

ペトラへ向かう道中、ミーティングの時間に間に合わないことを察した僕は、時間の変更を願い出た。最初は14時半、やっぱり15時、ごめんこれも間に合わない15時半、と相手に迷惑をかけてしまった。本当に申し訳ない。

宿に着くなり、共有スペースでパソコンを開き、15時半からと16時から2つのミーティングをこなして、ようやくひと段落。チェックインを済ませて部屋に入った。

その後、早めの夜ご飯を食べに街へ繰り出し、明日の朝食と昼食も確保。ペトラ遺跡内は高価のものが多いので、事前に食料を用意しておくのがいいらしい。

さあ、帰ろう。店を出た瞬間、僕の目は釘付けになった。

なんという美しさ。初日からペトラが大好きになった。

明日はどんな一日が待っているのだろう。何があってもマイペンライ!


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岡村幸治(コージー)
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