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5、抑えつけていた存在が現れた瞬間

いちばん戻りたくない学生生活と訊かれたとしたら、全部嫌だと前置きした上で(笑)、中学校と答えるだろう。ただでさえ勉強嫌いな俺なのにそこに加えて高校受験もあったから。

しかも受験に加えて、当時はここに「戦争」という言葉が付けられていた。

受験戦争。

受験(=勉強)は戦いを通した殺し合いってことで、もちろん自動的にその戦(いくさ)に参戦することになった。

それで塾に通ったり、家庭教師をつけてもらったりしたこともあったけれど、勉強嫌いは相変わらずだった。

いま考えれば、俺は学ぶことの楽しさとか、理解することの面白さを全く感じていなかったんだな。どう頑張っても、これじゃダメだ(笑)

数学の公式がなぜそのように決まっているのかどうにも納得できなくて、それでよく教科書とか参考書に毒づいてたな。

いや、そうなってんだよの一言で済む話なのにね(笑)

学校から帰って、仮眠して、夜の10時くらいに起きて、夕食を食べて、それから朝まで受験勉強する。こんな生活が受験当日までしばらく続いてたと思う。

だから、深夜ラジオとかハマったよね(笑)

結局、勉強っていってもそれはすごく表層的なものでしかなくて、ハァ~、今日もちゃんと受験勉強らしい取り組みは一応しましたみたいなね。

それでいて自分はちゃんと毎日勉強してますみたいな真面目さで自分を装飾してるんだ。周りの目が気になってたんだろうね。

でもこれって対外的なものでしかなくて、そんなのクソの役にも立たない。

で、肝心の受験結果?

近所だからという理由で受けた県立の高校に落ちた。

落ちるべくして落ちたようなものなのに、その事実がわかったら、俺は自分の部屋で暴れ出した。壁にあらゆる物を投げつけ、窓のブラインドを引き剥がした。

あれはきっと、俺の中にいるもう一人の自分が我慢できずに現れ出した瞬間だったと思ってる。

抑えつけていた、自分でも知らなかった、自分の存在、、、

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