心がじんわり温まる1冊
1本のろうそくと持ち主である女の子の成長を描いた1冊の絵本です。
優しい光を灯しながら、女の子の成長を見守る1本のろうそく。このろうそくは女の子の両親が「この子に幸せになってほしい」という想いを込めて作ったものです。
ろうそくの火は女の子の誕生日などのしあわせな時を優しく照らす光でした。しかし、時が経つにつれて女の子が辛いときや悲しいときに寄り添う光に変わっていきました。ちらちら揺れるろうそくの灯りは、まるで女の子の話にうなづいたり首を振っているよう。
しかし、女の子が大きくなるとともにろうそくに灯が灯ることはなくなり、代わりに天井から電気の灯りが灯るようになりました。
火が灯ることがなくなり、棚の奥に仕舞い込まれていたろうそくを待つラストシーンから目が離せません。
私は女の子を優しく照らし続けたろうそくに訪れるラストシーンを読んだ瞬間、思わず「よかったね」とつぶやいてしまいました。
内容を振り返って真っ先に私の頭に思い浮かんだのは「無償の愛情」です。
優しい叙情的な表現で心を打つ1冊。こどもだけでなく大人の方にもおすすめです。これからお父さん・お母さんになろうとしている方への贈り物としても良いかもしれませんね。お子様への読み聞かせに読めば、心がじんわりと温まることでしょう。
以下、書誌情報です。
書名:「あかり」
出版社:光村教育図書
作者 文:林 木林 絵:岡田 千晶
価格:税込み1430円(2025年1月時点)
ISBNコード:978-4-89572-881-2
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