見出し画像

「あなたは、誰かの大切な人」

 書名:「あなたは、誰かの大切な人」
 出版社:講談社
 著者:原田マハ
 定価:税込み704円

 5つの短編集により構成されているこの1冊。1話ごとに独身のフリーランスとして生きる女性達を描くことで、自分はきっと誰かに想われている、心で繋がっているという事を感じさせてくれます。

 「毎日働く中で、ふとした瞬間に孤独を感じる時がある」そんな経験をしたことがある方にオススメの1冊。

 読後、率直に浮かんだのは「人に想われることで自分の心が救われる事があるのかもしれない」という感想でした。
 そして自分では気がつかないだけで、実は思っている以上に自分は他者から見られている事・想われている事が多いのかも知れません。

 この本の中で心に残った一言はこちらです。

”たとえ、一般的には何の価値もなく、無用扱いされているものであっても、自分に取っておもしろいものであれば、それはおもしろいものである”

本作中の「無用の人 Birthday Surprise」P88より引用

 この言葉、本作中では芸術の本質を物語る一言として登場したが、私はこの言葉は他のあらゆるものに当てはまると考えています。すぐ思いつくところで言えば物・人・体験でしょうか?

 物事や人の価値・魅力は自分の自己判断のみで決まる物ではない。それは自分の外に出してみることで始めて分かる。

 自分自身や自分の持つ能力がちっぽけなものに感じる時に思い出したい考えです。

 なお、最後の瀧井朝世さんによる本作の解説も読んで頂ければきっと素敵な気持ちになれるでしょう。

<自分は、自分の大切な人>ということだ。彼女たちはみな自分のこれまでの人生を受け入れこれからに目を向けている。その姿勢があるから人のことを大切に出来るし、自分も大切にされていると信じる事が出来る。

本作解説P213より

 フリーライターとして活躍されている瀧井朝世さんだから書けた一文が光っているように思えます。

 師走ということで忙しくなってきた今日この頃、お休みの日にこの1冊でお疲れ気味の心をリフレッシュさせてみてはいかがですか?読み終わる頃にはきっと気持ちがスッキリしていますよ!

有限会社 小泉書店
〒963-4312
福島県田村市船引町船引字南町通り129番地
TEL:0247-82-0022
FAX:0247-82-4708
公式HP
㈲小泉書店 福島県田村市船引町

いいなと思ったら応援しよう!