ネコクインテット【毎週ショートショートnote】

泥棒からお宝をせしめた４匹の動物達。音楽隊に入るべく、再びブレーメンを目指します。
そこへ一行に声をかける新たな動物が。
「素敵な兄さん達、私も入れて下さいな」
猫なで声で喉を鳴らす若いメスネコ。きらきら光る目は彼らのお宝を見ています。
「仲間は多い方が楽しいよ」
「カルテットならぬクインテットか」
「君はどんな楽器を弾くんだい？」
ロバ、イヌ、おんどりは上機嫌で答えました。このメスネコ、実は泥棒の飼い猫で、主人のお宝を奪い返そうと狙ってきたのですが、そんな魂胆とはつゆ知らず。男たるもの、やはり可愛い女子に弱いと見えます。
「ネコならあたしがいるけどねぇ……」
元からいたネコは軽く爪を出しつつ、結局は男どもの言う通り、メスネコを仲間にしてやりました。

道中色々ありながら、ブレーメンへ着いた４匹の動物達。
「カルテットになってしまったね」
「一応クインテットだよ……ねぇ？」
ネコのつま弾いた５匹目・・・が『ビィーン』と答えました。

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副題：ブレーメンの音楽隊前夜～本当はもっと怖いグリム童話