隊長職変死の椅子【毎週ショートショートnote】
「なんじゃこりゃ~!!」
その椅子を前に、隊員に扮したプレゼンターが懐かしの刑事ドラマ俳優ばりの絶叫を上げた。
折れる足、抜ける座面、ズッコケる迷彩人形にタライが落ちる。
タライに書かれた『日本ダーウィン賞』のテロップ。最も愚かで不名誉で、後世に伝えるべき教訓的犠牲に与えられる逆栄冠だ。
ダーウィン賞(Darwin Awards)
自らの愚かな行為によって「死亡する」もしくは「生殖能力を喪失する」ことで劣った遺伝子を抹消し、「人類の進化に貢献した」人物に対する皮肉として贈られる賞。進化論者であるチャールズ・ダーウィンにちなんで名づけられた。
※引用:フリー百科事典Wikipedia
本国アメリカに倣い創設された今賞の、第一回受賞者が決定した。
しかも死亡と喪失を二重達成のキワモノだ。負の遺産として反面教師として、国民の未来を陰で支える特別防衛隊長。玉座に掲げられた英霊の死に様に、会場は笑い涙と心からの敬礼を捧げた。
副題:Japan Darwin Awards
注)ダーウィン賞は実在。実在人物の生死をネタにする様な、なかなかブラックかつディープな賞です。
ご興味のある方は、ダーウィン賞で検索してみて下さい。