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タイムスリップコップ【毎週ショートショートnote】

ある日、宇宙のコップが割れた。
「いいですねぇ!」と某ショートショート作家が仰ったかは定かでないが、コップ型に固定された宇宙インフレーションのタイムラインが熱暴走で崩壊、アカシックレコードの主軸をなす概念時計の針は突然『ト』に変形してしまった。

文字盤を外れたト形の針が時間軸の字間を滑り落ちた結果、全宇宙の時間がとんとん拍子にストリップを始めた。
現在過去未来のありとあらゆる時計が針も数字も脱ぎ捨て、くるくる回るだけのレコード盤になった。混ぜこぜの朝昼夜は地球の灰粉ショーを催し、カレンダーというカレンダーがめくれにめくれて季節は全力疾走、年月日も光陰も弾道ミサイル並みにすっ飛んで行った。


寿命が尽きた星々が連鎖爆発して第二次ビッグバンを発動、レコード盤改めそら飛ぶ円盤と化した元アカシックレコードが今度は『リ』を弾き飛ばし、全宇宙の時間はストップした。
新たなコップが形成されるかは、依然不透明な状態が続いている。



副題:シン・タイムボカン💣
着想:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
   宇宙のインフレーションより。