20240715鈴本昼席

感想など
・吉緑さんは粗忽の釘。馬石師匠の粗忽の釘にとてもよく似ている、もしや稽古をつけて貰ったのだろうか。それか馬石師匠が粗忽の釘を教えて貰った師匠に吉緑さんも教えて貰ったとか。背格好とか声質や話し方も似てるので、いかに似てるかを楽しむみたいな感じになってた
・さん花師匠は初天神。これがまたちょっと風変わりな初天神で良かった。金坊も父親もちょっと変わっていて、普通は金坊はだだをこねて騒ぐし父親は金坊を叱ったり店先でごねたりして二人とも賑やかだけど、今回は金坊はわりと父親の甲斐性の無さを受け入れていて、自分でお金を出したり(しかも飴も団子も自分から欲しがってない)やたらと達観していて大人っぽい。父親もそんな金坊を尊敬している節さえあるし、変な意地とか張らずに素直に受け入れているのがいい。静かで二人の会話や関係性に絶妙な味わいを感じられる初天神。カッパのくだりであんな流れになるの、意外すぎて本当にびっくりしたし最高だったので、この時点でああ今日来て良かったな…と思った。
・さん花師匠はこみち師匠の代演。トリが燕路師匠で、私はこみち師匠と燕路師匠の師弟がとっても好きなので師弟で観たかったけど、さん花師匠の高座も良かったので結果オーライでした
・ロケット団、なんかすごい笑ってしまうんですよね…定番のネタでも少しずつ違ってたりするし、あの超適当な返しも聴くたび面白い
・さん喬師匠は千両みかん。季節の噺だ。最近私が聴いたさん喬師匠はほぼそば清で、マクラでも食べ物の話をふったのでまたそば清かなと思ったところに千両みかんでテンションが上がりました(そば清も好きだけど)。さん喬師匠の小声の台詞が大好きだし、みかん問屋さんの腹の据わってる商人の感じはぞくぞくした。最後の番頭さんの葛藤の部分が割にシリアスに胸に迫る感じがあるのも良かった。
・白酒師匠は浮世床の本。白酒師匠の浮世床、面白い…。読み手が一生懸命読むのはもちろん周りも一生懸命?食らいついて聴いてるのも面白い。松公呼ぶとこもなんであんなに面白いのかな。白酒師匠の声、良いよな~あんな端正な良い声で真面目な顔して狂気じみたこと言うのほんとに面白い。
・正朝師匠は蔵前駕籠。正朝師匠、観るたびじんわり好きになってくる感じ。噺もさすがお上手で、でも気張らず観られて聴き疲れしない。
・はん治師匠は妻の旅行。はん治師匠のぼやきは至高の癒やし…
・トリの燕路師匠は片棒!もう師匠にぴったりというかあんな明るい感じで片棒やったら楽しいに決まってる。ちょっと髪が伸びててこれまた素敵。金が引っ込んで銀が出てきたとき、自然とあ、さっきとは違う人が出てきた、喧嘩っぱやくて江戸っ子っぽいのかな、みたいなのがすぐに伝わるのって改めてすごいと思う。燕路師匠のトリってあんまり機会が無かったけど、もっと沢山観たくなったな。