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【成人女性】私はずっとプリキュアになれると信じてます。【シナリオ】

ーあらすじー
プリキュアやおジャ魔女どれみなど、魔法少女アイテムを集めるのが好きな筆者の話。
いつまでも夢見ていたいじゃない。

【登場人物】
いと…22歳成人女性。子供ミュージカルスクール講師。いつだって夢見る少女。演技講師。
真姫…20歳成人女性。子供ミュージカルスクール講師。割と現実的。ダンス講師。

〇喫茶店
平日昼下がり。
カウンター席で紅茶をのんびりすすっている二人。
かれこれ40分くらい喫茶店に居座っている。

いと「見て。」

いと、真姫に左手の中指についている指輪を見せる。
真姫驚き、いとの手を掴む。

真姫「え!!…って、なんだ中指じゃないっすかー。」
いと「結婚かと思った?」
真姫「まぁないとは思ったけど。」
いと「うるさ(笑)。可愛くない?一目惚れで買ったの。」
真姫「可愛いです。キラッキラですね、なんか、花とかついてるし、プリキュアに変身できそう。」
いと「そう、そうなの。私アクセとか化粧品買う時、「これはプリキュアに変身できるかな」って考えてから買うの。」
真姫「ん?」
いと「これキラキラしててかわいいから、つけてたら変身できそうじゃない?メタモルフォーゼ言ったら変わりそうじゃない?」
真姫「そうだった、この人少女趣味だった。」
いと「ま、いいですー、真姫ちゃんにはわかってもらえないと思ったんでー。」
真姫「いや、そんなことないですよ。確かに、変身アイテムっぽいですしその指輪。」
いと「お、わかるか!」
真姫「はい、まぁ私はそういう着眼点でアクセとかを見たことがないってだけで。」
いと「え、じゃあ何で見るの?」
真姫「え、単純にかわいいーとか、似合うかなーとか。」
いと「へー。…。」
真姫「何でちょっと引くの?ふつうそうでしょ?」
いと「ごめんごめん(笑)ふつうそうです。でも、世の中に普通はありませんよー真姫さん。」
真姫「はいはいすいません。」

いと、自分の指輪を嬉しそうに眺める。

真姫「そういえば、おもちゃも集めてるんでしたっけ?プリキュアの。」
いと「ああ、うん。プリキュアだけじゃないけど。キラキラ可愛くて、超好みだったら、色んな女児玩具は買っちゃうな。」
真姫「へー、楽しいんですか?」
いと「楽しいよー、楽しいってか、胸が躍るよー。だって可愛いんだもん。」
真姫「実際に変身アイテムとかが家にあって、どうするんですか?え、変身したりするんですか?」
いと「変身!?まさか、現実で変身できるわけないでしょ真姫ちゃんったらもう。」ウケる
真姫「何だこの人むかつくな。電源入れて、変身ごっこするかってことです!」
いと「わかってるよ(笑)」
真姫「なら言わせないで下さい。」
いと「ごめんごめん。んー、たまーにするかなぁ。ほら、仕事で失敗しちゃったときとか、元気ないときはたまに電源入れて遊んだりするかも。でもほとんど眺めて楽しむだけかな。」
真姫「眺めるだけが、楽しいんですか?」
いと「楽しいよー!ほら、真姫ちゃんで言う、好きなダンサーさんのダンス見てるときと一緒だよ!」
真姫「…あー。」
いと「楽しいでしょ?」
真姫「楽しいし、癒されますね。元気出るし。」
いと「そ。私とプリキュアアイテムはそんな感じの関係です。」
真姫「なんか、わかってきました。」
いと「うん。普通のことだよ、ただ好きな物に癒されてるだけ。変身アイテム見てるとさー、ほんとに可愛いくて、ドキドキワクワクするんだよね。手元にあると、私も変身できるんじゃないかなって思っちゃうし。」
真姫「…いとさんは、ほんとにプリキュアになりたいんですね。」

真姫、いとに微笑む。

こいと「うん、なりたい。めっちゃなりたい。」真顔
真姫「めっちゃ迫真だった。」
いと「なりたすぎて、就活してるとき、『プリキュア なるには』って検索しちゃったもん。」
真姫「まさかのプリキュア仕事にしようとしてた。」
いと「そしたらさ、やっぱ、同じこと考えてる人が知恵袋にいて、着ぐるみヒーローショーの中の人おススメされてたよ。」
真姫「ガチ回答で草。」
いと「あとねー、『正義感が強い、人が嫌がることはしない、仲間を大切にする、目標に頑張る、キラキラしてる、ポジティブ、運動神経がいい』をまずは満たそうって。プリキュアはこういう人がなれるっておしえてくれてた。」
真姫「最後の項目だけ現実的ですね。てか、回答者めっちゃ頭よさそう」
いと「だから、まずはこれ目指そうと思って、人生頑張ってるんだ、私。」
真姫「へー…。」
いと「そしたらいつか妖精が迎えに来てさ、この指輪とかがピカーって光って、めっちゃ可愛いキュアいとちゃんに変身できるんじゃないかって。」
真姫「キュアいとちゃん(笑)」
いと「可愛い名前募集中。」
真姫「…なんかいとさん、楽しそうでいいな。」
いと「私、真姫ちゃんがダンスの話してるとき、楽しそうで好きだよ。」
真姫「…一緒か。」
いと「一緒だよ。」
真姫「プリキュアになれたら、教えてくださいね。」
いと「もちろん!」

二人、紅茶をすする。

いと「…いや待てよ、プリキュアは他の人には秘密なんだ。ごめん、言えない!」
真姫「えっ。」
いと「私が何か見えないものとお話してたり、近所に急に怪物が現れて、その時丁度私が仕事場からいなくなっててプリキュアが怪物と戦ってたら、それ私だから全力で応援して!」
真姫「ほんと、変な人(笑)」

おしまい


ーあとがきー
誰だってプリキュアになれるからな!!!!!!

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