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【シナリオ】入院中の犬ちゃんがどう過ごしているのか想像する女の子の話。

中学3年生の亜冬なずな、高校1年生の一高祭は、同じWESTミュージカルスタジオに通う仲間である。今日は近くにあるEASTミュージカルスタジオとの合同練習。6月某日土曜の夜、虫の鳴き声が聞こえてくる頃合い。なずなと祭、そしてEASTミュージカルスタジオに通う、中学3年生の柴崎香織瑠の3人は、レッスンが始まる前に、自主練習を行っていた。

ちょうど3人が休憩に入った頃、水をひと口飲み終えた なずなが口を開いた。

なずな「…目が覚めて、いつもと違うところにいて、なんか体の調子もいつもと違くて、ご主人様も誰もいなくて...ってなったら、どう思うんだろう。」
祭「にゃ?」
香織瑠「ビクッ。あの、、もうやめないその話...??(涙目)」
なずな「ごめんごめん、でもちょっと気になっちゃって。」
香織瑠「考えたくない...」
祭「何の話?」
なずな「犬の話!」
祭「犬?」
なずな「香織瑠の犬ちゃん、今日手術をしたんだって。」
祭「にゃんと!!!」
香織瑠「うぅ、、ううう...聞いてくれますか祭さぁぁぁん(号泣)」
祭「ふにゃあああ?!?!」
なずな「あれれ、さっきまでもう話したくなさそうだったのに。」
香織瑠「なずなが思い出させるからァ!」
なずな「ごめんごめん。」
祭「手術か、、それは緊張するね。。」
香織瑠「はい、、。あ、でもさっき一応、無事成功したって連絡は来て。」
祭「ああ!よかった!!」
香織瑠「そうなんですうううう!!!(号泣)」
祭「どうしよう、何言っても泣くにゃ。」
なずな「どーどーだよ、香織瑠!」
香織瑠「馬扱いするなぁ。」
祭「なんか、こんな香織瑠ちゃん珍しいに。でも、成功したなら大丈夫にゃのでは?」
香織瑠「いや、大丈夫ではあるんですけど、今日一晩入院なんです。」
祭「にゃんと。」
香織瑠「はい。うちの子、家族誰かしらいないと寝られなくて。一人で一晩寝たことなんてない子なんです。留守番も苦手で...。夜中1人で寂しくないかなとか、不安じゃないかなとか、考えただけでもう...(ウルウル)」
祭「おお、どーどー。」
なずな「仲間とかいないのかな?」
香織瑠「仲間?」
なずな「入院仲間!犬でも猫でも!そしたらお話とかしてるかもしれないなって!」
香織瑠「あー!」
祭「それは夢があるにゃ!!」
なずな「『おたく、泊まるのは初めてかい?』『初めてなんです。。なんか体もいつもより激重だし、香織瑠ちゃんもいないし、不安で不安で仕方ないんです。。。なんでいないんですか...?僕のこと嫌いになっちゃったんですか...?』」
香織瑠「ち、ちがうよぉ!!!」
祭「『そうだねぇ、こんな知らないとこに閉じ込めて、置き去りにして。もしかしたら嫌いになっちゃったのかもしれないねぇ。』」
香織瑠「最悪!!!何そのネガキャンする仲間マジ最悪!!!我慢できない。やっぱり私、今から引取りに行ってくる。」
なずな「ちょっと待って!!!」
祭「冗談だからァ!」
香織瑠「でもいるかもしれないじゃん!!!行くったら行く!!!」
祭「も、盲目だにゃ...」
なずな「し、親切な子もいるかもしれないよ!!!」
祭「そうだにゃ!」
香織瑠「嘘つけ!!」
なずな「いやいや、うーん、『病気を治すために手術してもらったんだよ、元気にするために香織瑠ちゃんは病院に預けたんだよ』って言ってくれるチワワさんとか...!」
祭「不安を和らげるために、一緒に遊んでくれるミニチュアシュナウザーさんもいるかもしれないにゃ!!」
なずな「寝るまでお話に付き合ってくれるゴールデンレトリバーさんもいるかも!」
祭「うんうんうん!!!」
香織瑠「...それなら、まつださんも寂しくないかなぁ。。」
なずな「うんうん!!!」
祭「...まつださん?」
なずな「香織瑠の犬の名前。」
祭「あっ、へー。」
香織瑠「たしかに、仲間がいるなら、悪くないかも...。」
なずな「でしょ!」
香織瑠「...でも、いなかったらどうしよう。一人ぼっちで一晩過ごすのかな...。」

祭「...まつださんは、病気でしんどかったんだよね?」
香織瑠「はい、私たちの前では隠してたんですけど、相当しんどかったみたいです。すんごい悪化してたみたいで。」
祭「なら、病気が良くなって、久しぶりにちゃんと眠れる夜の時間が出来て、安心してるかもしれないに。」
香織瑠「...そっか。そうかも。ふふっ。」
祭「やっと笑ったにゃ。」
香織瑠「すみません、ありがとうございます。」
なずな「明日には退院できるんだよね?」
香織瑠「一応今のところは。」
なずな「まつださんの体調が落ち着いたら、また会いに行っていいー?」
香織瑠「もちろん!沢山遊んでやって」
なずな「やったー!祭ちゃんも行こうよ!」
祭「んぅーーーーーーー。」
なずな「何その顔。」
祭「ま、祭は遠慮しとこうかにゃー。ほら、祭猫だし。にゃー。」
香織瑠「動物同士、仲良く出来そうですけどね。」
祭「ん?いじってる?」
なずな「一緒にいこーよ祭ちゃん!」
祭「...吠えたり、噛まないなら。」
香織瑠「ふふっ、苦手なんですか??」
祭「だって!!!あいつら意外と強い!!!」
香織瑠「大丈夫です、まつださん世界一温厚なんで。私となずなもずっと一緒にいるんで。」
祭「...なら、行こうかにゃ。」
なずな「やったー!!!」
香織瑠「まつださん、喜びます!ふふふっ。」

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