見出し画像

【≠ME『君はこの夏、恋をする』早耶×波菜】ずっと君だけが青#2【MV創作】

この物語は、指原莉乃プロデュースアイドル「≠ME」通称:ノイミーの1stシングル『君はこの夏、恋をする』のMVを見て感化された百合オタクの妄想シナリオです。
MVの世界観から想像した物語の為、本人の実際の真意等は全く関係御座いません。

創作舞台となったMVはこちら↓


(#1はここから⤵︎ ︎)


【登場人物】
早耶…ノイミ女子高校の2年生。美人過ぎるが故、クラスでは波菜以外、親しい人はいない。控えめで穏やかな性格。文芸部。(画像左)
波菜…ノイミ女子高校の2年生。明るく活発、誰とでも仲良くなれるクラスのムードメーカー。陸上部。(画像右)

「ずっと君だけが青」#2 君を見てたから

〇5月中旬   放課後 学生ラウンジ

古文単語を勉強している早耶。
そこに部活を終えた波菜がやってくる。

波菜「さーや!」
早耶「波菜、お疲れ。」
波菜「どう、ムズい?」
早耶「うーん、中々。」
波菜「えー、早耶がそれなら私もうあきらめようかな…。」
早耶「大丈夫だよ、テスト明日の五限だし。まだ間に合う!」
波菜「じゃあ見して?」
早耶「持ってないの?」
波菜「うん!教室に置いてきた!」
早耶「もう波菜は~。」

早耶、波菜に読んでいた古文単語帳を見せる。

波菜「やった!ねぇ、簡単なのどこ?」
早耶「うーん、これとか?」

向かいの席で、早耶のことを見つめる夏音。

夏音「…。」

近付く波菜の顔に、つい緊張してしまう早耶。
部活終わりのほのかに香る波菜の汗の臭い。
早耶はその匂いを感じ、つい波菜を見つめてしまう。

さやはな1

波菜「あ、ねぇ、」
早耶「え?」
波菜「今から家来ない?」
早耶「え?波菜ん家??今から!?」
波菜「うん。なんかここ人多いしさ。ダメ?」
早耶「いや、ダメってわけじゃないけど…。」

波菜の目、波菜の首筋、波菜のうなじ、波菜の組んだ足。
早耶は目のやり場を失う。

波菜「いい?」
早耶「…うん。」
波菜「やったぁ!じゃあ行こ!」
早耶「え、もう?」
波菜「もう!今、すぐ!」

先に席を立つ波菜。

早耶「ちょっと待って!」

早耶、席を立ち、波菜を追いかける。

夏音、走り去る早耶を眼で追う。


〇5月下旬 放課後の教室

画像3


部活に行く準備をしている波菜。
早耶は振り向き、後ろの席の波菜に声をかける。

早耶「ねぁ波菜、やっぱり私…。」
波菜「なに?」
早耶「その…。さっきの、体育祭の種目の、」
波菜「あー、頑張ろうね、リレー!」
早耶「あ、いやその、そのことなんだけど、」

奈月心「はーなせーんぱーい!」

教室の外から、波菜を呼ぶ奈月心の声が聞こえる。

波菜「あー、ごめんすぐ行く!で?何?」
早耶「あ…ううん、何でもない。部活頑張ってね。」
波菜「うん。じゃまた明日!」
早耶「うん。…。」

そのやり取りをずっと見ていた夏音、こぶしを握り締め、早耶に話しかける。

夏音「谷崎さん。」
早耶「あ、河口さん、あ、ごめんね、今日当番一緒だったよね。直ぐ準備するから。」
夏音「…。」

〇昇降口
掃き掃除をしている早耶、夏音。

画像2

​夏音「…谷崎さんさ、」
早耶「ん?」
夏音「ほんとに出るの?リレー。」
早耶「あ…うん。」
夏音「…尾木さんに合わせるの、辛くないの?」
早耶「…波菜にあわせてるわけじゃないよ。私が弱いだけ。波菜の勢いに、いつも乗せられちゃうから。」
夏音「辛く、ないの?」
早耶「なんで?」
夏音「…だって、谷崎さんと尾木さんって、タイプ違うから。」
早耶「…。」

早耶の動きが止まる。

夏音「尾木さんってその、クラスのムードメーカーだし、足も速いし、人気者だし、友達もたくさんいて、なんていうか、」
早耶「やっぱ私、波菜と全然違うよね。」
夏音「あ、ごめん!そんなつもりじゃ。」
早耶「ううん、分かってたから、気にしないで。そんなの、出会った時点でわかってたから。」

間。

夏音「…羨ましいって思った。タイプ違うのに、仲良くて。私も仲良くなりたいって思ってた。」

校庭で準備運動をしていた波菜、早耶を見つける。
遠くから呼ぼうとするが、早耶の表情が暗いことに気付く。

波菜「…?」

早耶「波菜、誰とでも仲良くなれちゃうから、きっと河口さんもきっかけがあれば、すぐ仲良くなれると思うよ。ほら、私席近いから、」
夏音「違う、谷崎さんと。」
早耶「…え?」
夏音「谷崎さんと、仲良くなりたかった。」

真剣な眼差しで、早耶を見つめる夏音。
早耶はその眼差しに、一歩引く。

早耶「え、えっと、」
夏音「谷崎さん、私、前からずっと——

波菜「あれ、早耶!今日当番だっけ!」

丁度よく波菜が、早耶と夏音の間に入り、早耶に話しかける。

早耶「あ、うん。…あ、練習は?」
波菜「今アップしてるとこ。先生まだ来てなくて。」

顔を伏せ、掃除を再開する夏音。

波菜「河口さん!」
夏音「…あ、お疲れ、尾木さん。」
波菜「…ってごめん、はやく掃除終わらせたいよね。じゃね!」
早耶「あ、うん、頑張ってね!」

校庭の方へ駆けていく波菜。

間。

早耶「あ、あの、河口さ、」
夏音「終わりにしよ。ほうき預かる。」

夏音、早耶の方に手を差し出す。

早耶「…ありがと。」

早耶、その手にほうきを預ける。
夏音、日本のほうきを手に、掃除用具ロッカーに向かう。
その様子を見つめる早耶。


…to be continued

いいなと思ったら応援しよう!