【ダメカノ】Ep4:妬いてる
「ダメ会長とツンデレ彼女」百合創作シナリオ
Ep4:妬いてる
★簡単な人物紹介★(詳しくは人物紹介noteチェック)
島根咲久…2年生 副会長 島ちゃん 黒髪セミロングストレートメガネ 唯葉の彼女
美剣唯葉…3年生 生徒会長 ゆるふわウェーブ栗色のロングヘア 咲久の彼女
立花春樹…3年生 生徒会会計 唯葉の幼馴染
藤田絋…2年生 生徒会書記 お調子者
〇生徒会室
カーテンを閉め、帰り支度をしている咲久
そこに、唯葉がやってくる。
唯葉「いた!」
咲久「先輩、まだ帰ってなかっんたんですか。」
唯葉「島ちゃんこそ」
咲久「やっときましたよ、溜まってるって嘆いてた資料まとめ」
唯葉「何それ!!さすが私の副会長!誇り!」
咲久「明日先輩がやる分は残しときましたけど。」
唯葉「うぐぬ、抜けが無い副会長…。」
咲久「私帰りますけど、先輩どうしたんですか?」
唯葉「え?帰るの?」
咲久「はい、帰りますけど。」
唯葉「えー…。」
唯葉、机に腰を下ろす。
咲久「何。」
唯葉「別に。」
咲久「机は書くものです。座るならこっち。」
咲久、唯葉が座っている机の椅子を引く。
唯葉、咲久を甘えた目で見つめる。
咲久、ため息。
咲久「全く。」
咲久、その椅子に腰をかける。
咲久「何したいの?」
唯葉「咲久こそ何したいの?今日私と会えなくて、寂しかったんじゃない?」
咲久「それは先輩でしょ。」
唯葉「そりゃー私は寂しかったよ。咲久は?」
咲久「…寂しかったですけど。」
唯葉「いい子。」
唯葉、咲久の頭を撫でる。
唯葉「咲久、ただでさえ小さいのにこの座り方だともう赤ちゃんだね。」
咲久「それは言い過ぎでしょ。」
唯葉「可愛い可愛い。」
咲久「見てましたよ、今日のリレー。」
唯葉「え、まじ?どうだった?かっこよかったっしょ?」
咲久「別に。なんか調子乗ってたし。」
唯葉「そりゃー調子乗るよね。1位だし。アンカーだし。」
咲久「生徒会長なんですから、なんかもっとこう、威厳というか…」
唯葉「こういう生徒会長だからみんなに好かれてるんだよ?私。知らない?ま、仕事できないことは知らないけどさ、皆。」
咲久「そうじゃなくて、なんかこう、…ムニャムニャムニャ…」
唯葉「あ?何?」
咲久「だ、だから、勝利のハイタッチとか、ハグとか、なんか、軽々しくやりすぎだっていうか、…男子もいたし。」
唯葉「そりゃやるでしょ、勝ったんだから。」
咲久「で、でも先輩、みんなが憧れの生徒会長ですよ!?そんな方がそんな簡単に…」
唯葉、咲久の顔をのぞき込む。
唯葉「…妬いてる?」
咲久「違います。わ、私はただ副会長として!」
唯葉「妬いてるんだ。」
咲久「違うって!」
唯葉「咲久ちゃん妬いちゃったんだァー」
咲久「だから!」
唯葉、咲久の方に体を寄せ、座ったまま抱きしめる。
唯葉「大丈夫だよー。ここからどっか行くわけないでしょ。こんなに落ち着くところ手放す訳ない。」
咲久「…。」
唯葉「今顔赤くなってるね。」
咲久「なってない。」
唯葉「なってるね。」
咲久「なってない!」
唯葉「もーいつものポーカーフェイスはどこいったんだか。」
唯葉の携帯が鳴る。
唯葉「あ、私だ。」
咲久「電話?」
唯葉「あ、やっば春樹だ、昇降口で待ってるって言ったんだった。」
咲久「え、」
唯葉、机から立ち上がり、教卓に置いたカバンの方へ向かおうとする。
咲久、咄嗟にスカートを掴む。
唯葉「ん?」
咲久「先輩、私に会いに来たのにそれなんか、ズルくない?」
唯葉「…妬いてるね。」
咲久「…これは、はい。」
電話が鳴り続ける。
唯葉、暫くしてもう一度机に座り直す。
唯葉「もうちょっとね。」
咲久「いいの?」
唯葉「いいよ、明日謝る。春樹だし許してくれるよ。」
咲久「ごめんなさい、春樹先輩…。」
唯葉「…で、どうしたい?」
咲久「先輩はどうしたい?」
唯葉「私は…チューなどしたい。」
咲久「じゃあ、私もそれを。」