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「アンパンマンのマーチ」の歌詞

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出典先:日経トレンディ

左:やなせたかし先生
右:丁野奈都子さん


アンパンマンマーチの歌詞について



♪そうだ うれしいんだ/生きる よろこび/たとえ胸の傷がいたんでも
♪なんのために生まれて/なにをして生きるのか/こたえられないなんて/そんなのは いやだ!

丁野さん
どんなお気持ちで作詞されたのでしょうか。

やなせたかし先生
詞を作るときは、ほとんど、なんの気持ちもありません。
なにかが来るんですよ。天使かおばけみたいなものがね…。
それが、なにか言ってくれるので、それを書いていくんです。
他の作詞者も、ほとんどそうだと思いますね。それが来ないと書けません。

丁野さん
天使かおばけ…歌詞の神様が降りて来るということでしょうか。作詞された当時は、どんな思いがあったんですか。

やなせたかし先生
その当時は、大学生というと「何をして生きていけば良いかわからない、人生の目標がわからない」と言っていた時代です。生まれてきた以上、何をするか考えなければダメだ、という気持ちがあったんですね。僕自身についてもそうでした。自分はいったい何のために生まれたのか、自分の仕事は何なのか。子どものころから絵を描くのが好きだったので、絵を描く仕事、絵を描く人になりたいとは思っていましたが、絵といってもいろいろあります。その中で何をやりたいのか、長い間わかりませんでした。

 デザインの学校に入ってデザインを始めましたが、一方でマンガも描き、だんだんマンガのほうが多くなって、マンガ家になりました。マンガを描くうちに絵本も描くようになり、幼児絵本の仕事になりました。こうしてみると、自分の天職というのはこれだったのかなと思います。


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