胃がない人生
2021年11月5日。
その頃、胃の調子が良くなかったので、消化器内科を受診。
過去に十二指腸潰瘍もやってるし、ピロリ菌の検査もしたいと思い、軽い気持ちで診てもらった。
どうせ胃カメラ飲んで、胃薬もらっておわりかな。なんて思っていた。
しかし、胃カメラ後、麻酔から覚め説明を受けたら、世界が変わった。
先生からの説明だと、
「かなりの確率でスキルス胃がんの可能性が高い」と。
細胞診の結果が出るには1週間かかるけど、かなりの確率だと思うとので、「一週間後の細胞診の結果を聞いて、その足で医大へ行けるように紹介状も用意しておきます」と言われた。
最初、状況がまったく飲み込めなかった。
とにかく、旦那に話をした。
そのまま、午後には実家へ向かい、父と母に病院での話をした。
帰ってからは、義実家へ電話をして、結果次第では、義母がこちらへ来てもらえることになった。
とにかく、急転直下。
気分は、奈落の底。
結果を聞くまでの1週間は、できるだけ穏やかに過ごそうと決め、家族で温泉旅行をした。
次はいつ家族旅行できるかわからない。
先は見えないし、食事は喉を通らない。
というか、胃を通らなかったというか…とにかく穏やかに過ごそうと決めた。
1週間後、診断の結果、やはり進行型のスキスル胃がんとのこと。
その足で、最寄りの医大の消化器外科へと向かった。
「若いし、進行しているので、とにかく急ぎましょう」と外科の先生は言ってくれた。
3日後には、5日間の検査入院。
今日できる検査はして行くことになり、レントゲンと心電図を受けるも、心電図をとったらブレブレで狭心症疑いなんて言われ、さらにドキドキ。。。
後に、精神的なものによる不整脈だとわかりました。。。
我ながら、ノミの心臓かよ…
色々な事が、急転直下で、脳内処理なんてできなくて、何より病気が怖くて、手術も怖くて。
「転移があったら手術できないかもしれない」など、説明を受け、とにかく何もかもが怖くて怖くて仕方なかった。
いろんな事が頭を巡る。
子供のこと、家族のこと、自分の寿命。
後どれくらい生きらられるのかな?
人生80年か100年なんて言われてて、
私は40歳で、まだ折り返しだと思っていたけど、既に折り返してしまっているかもしれない。
残りの人生、悔いが残らないように送らないと。
私があとどれくらい生きられるかなんて、神様にしかわからない。
でも、何か子供に残せること、家族と一緒にやっておきたい事を悔いのないように生きて行こう。
病気でもしないと、こんなふうに思うこともなく、日々忙殺され、すぎて行く時間に埋もれていたかもしれない。
そう思うと、丁寧に毎日を過ごせるように、日々努力できるんだ、と思うことにした。
検査の結果、転移もないようなので、手術することなり、日取りも決まった。
第一関門通過したのも束の間。
手術開始して、まず腹膜の細胞診などがあり、腹膜まで転移していたら手術は中止、そのまま閉じる、と説明をうける。
手術が無事終わっているかは、麻酔から目が覚めるまでわからない。
なんて怖い病気なんだろうと思った。
手術当日 緊張は最高潮…
コロナ禍であったけど、幸い、面会が許されてた時期で、朝、旦那が来てくれた。
呼ばれるまで、手を握ってもらった。
こうしてもらえるだけでも、ありがたかった。
そして、いよいよ手術。
目を覚ますと、「手術は成功したよ」と旦那が教えてくれた。
「良かった… でも身体中が痛い…。。。」
それしか言えなかった。
後日、旦那から「すごい迷惑そうな顔してたよ」って言われたけど、仕方ないじゃん、とにかく痛かったんだから。笑
こうして私の胃がない人生のはじまったのである。