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『萩岩睦美の世界展』に行ってきた。

かれこれ萩岩さんのファンになってどれぐらいだろう。

ファーストコンタクトは連載中の「銀曜日のおとぎばなし」なんだけど、1巻だけ持ってて続きを読まずに10年以上放置→引越しのどさくさで紛失。

文庫本で出た際に全巻通しで読んで、どハマり。空白の10数年を後悔。

昔、従姉妹の家で読んだ『りぼん』に載っていた金魚姫の話がすごく好きで好きで、ずっと頭の中に残ってたけど、萩岩さんの作品とは知らず「魔法の砂糖菓子」の一編で「不思議の国の金魚姫」で運命の再会をした時の嬉しさは、もう、言葉では表せません!

2011年に八幡のギャラリーでミニ個展をされた際は、モノクロの生原稿とカラーの複製原画が間近に見れて感動して、もう二度とそういう機会もないか、あっても東京界隈だろうと、再現原画展行きたかったよと、まぁ当時ギャラリーで生原稿見れてラッキーなんだよ自分、でも記憶が日々薄れてきてるとか思っていたら、まさかまさかのカラー原画を含めた原画展の開催!しかも北九州市!隣県なら行くしかあるまいて。

北九州市漫画ミュージアム。小倉に行く機会があれば行ってみたいとは思ってはいたものの、博多に行く事はあっても小倉は通過するばかりで行く機会が全然なかったり。それこそミニ個展以来の北九州市着地。

(↓このタペストリー?欲しい)

混んでいるのはイヤなので、平日に休みを取って訪問。本当は11時の開場に間に合わせたかったのだけど、ちょい遅刻。春休みなので平日でも混んでるかなと思ってましたが、メインターゲットであろうオトナは春休みなぞないせいか、ゆったりとした状況でした。

入って一点目、いきなりガイヤー。(心の中で、バビル2世の原作のポセイドンってこんなんだったっけ?と、しばらく認識能力が鈍る)

で、めくるめく原画の数々に圧倒されます。正直興奮しすぎて記憶が脳内に定着出来てないです。老眼が進んでるせいもあってか、メガネでも裸眼でも近くなのにディテールがくっきり見えない(泣)ハズキルーペが欲しい…

実は愛蔵本を何冊か持ってきたので、カラー原画と比較(混雑時はやめましょう)。色味が原画と印刷が非常に近く、色校正大変だったんじゃないかと思いました。

で、展示がないと思っていた『金魚姫』のカラー原稿が置いてあって心の中で号泣。これが見れただけでも来た甲斐があった。

しかし絵の部分はキレイでも、吹き出しの写植の剥がれた部分は劣化した糊がこびりついて変色してる原稿とかもあって、保存の難しさや、光による変色を萩岩さんが心配されるのも無理ないなと感じました。しみじみ。

あと再現原画の製作工程のビデオ流れてましたが、画材が全然違うのにぱっと見分からないぐらいの色味の再現手法がオドロキで、しかもモニター横に原画と再現原画が並んで置いてあったので、行程と完成品が同時に比較出来てしまうなんともゼイタクな不思議空間でした。

会場を先へ進んで行くと、年代もより今に近づき思い入れという点では薄くなりはするものの、鳥や動物、虫の絵は今にも動き出しそうなくらい活き活きに描かれていてホレボレと魅入ってしまいました。

萩岩さんはどうしても、りぼん時代がクローズアップされがちだけど、近年の脂の乗った萩岩さんのお仕事の数々は決して素通り出来ないクオリティで、漫画以外は手元に置いてないのは申し訳ない気分でいっぱいいっぱい、、、。

出口付近に置かれたアンケートは書けたけれど、メッセージブックは書けなかった、、、。中身を拝見すると、色々な世代や色々な地方の方々のメッセージが書かれていて、んで熱い思いを読んでると、自分は月並みな感謝の言葉しか出てこなくてちょっと腰が引けてしまったのと、殆どというか目にしたメッセージが全て女性だったので、オッサンのコメントはなんだか場違いというか汚してしまう気分になってしまって、控えてしまいました。

そして最後の最後(と言っても入り口にある)、物販コーナーで迷った末サイン入りマグカップをチョイス。

よく見ると瞳に他の仲間が映り込んでる。


インクは耐水性らしいけど、本来の用途で使う勇気はまだ出ない。

アンケートにも書いてしまったんだけど、あれだけの内容をその場の思い出だけで段々とぼんやりしてしまうのは仕方がないんだけど、なんか切ない。少々お値段張ってもよかったので『図録』が欲しかった・・・。

せめて画集があればなー。ていうかなんでないの?集英社か平凡社で出してくれればいいのに。ねー。

萩岩さんには、これからもマイペースで大丈夫なので、シアワセな気分になる作品を発表し続けて欲しいです。

(追記)
会期終了間際に会場見取図が公開される。記憶の補填が出来て助かる〜。






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