ブログ企画【繋】第85回「中古品」
まず初めに、前回の第84回は大学院の実習の方に全精力を尽くしてしまい、なんのアナウンスもなく未更新となってしまったこと、お詫び申し上げます。メンバーの皆様、読者の皆様、大変申し訳ありませんでした。大学院生活が始まった4月以降、この企画への参加がなかなかギリギリな状態ということもあり、学校生活と創作活動のバランスについて少し見つめ直す時間が必要なのかなとも思うこの頃です。
さて、毎月1日に全国各地のメンバーがひとつのテーマで文章を書くブログ企画【繋】。
今回は内田さんよりこちらのテーマをいただきました。
来月のお題ですが、「中古品」でお願い致します。
リサイクルショップ、オークション、フリマアプリ、中古車や中古のギターetc
我々の身の回りには中古品、リサイクルのものが結構多いと思います。
もちろん新品もいいですが、欲しかったものを中古で手に入れた時の感動はまた別の気持ちがあると思います。
皆さんの愛すべき中古品、それに対する愛情などを書いて頂けたらと思います。
もちろん写真を載せてもらうのも大歓迎ですので、宜しくお願い致します。
テーマ発案者:内田祥文さんより
私は特別これといった「愛すべき中古品」という品物はないのですが、中古品という括りの中だったら、圧倒的に中古の状態の本に触れる機会が多いです。
今年の4月に大学院のある講義で指定された学術書を買わなくてはならなかったのですが、すでに絶版状態にあったため出版社や本屋さんなどでは買うことのできないものでした。先輩から譲り受けたりした同期もいた中、そのツテがなかった私はダメ元でメルカリでサーチ。なんと、1冊だけ出品されており、無事手に入れることができました。
その際の商品の説明文には「書き込みがあるので安価で取引させていただきます」と添えられており、実際に開いてみるとたしかに所々に書き込みがありました。同様のことは、大学図書館で別の学術書を借りたときにも体験したことがあるのですが、私はそういったフリマアプリやブックオフなどで手に入れた本や、図書館や人から借りた本などに時折見られる書き込みや線が引いてあったりすることに関して、あまり嫌悪感を感じないタイプです。
もちろん、ミステリー小説で「こいつが犯人」とかって書き込みがしてあったら台無しだから、本のジャンルによっては新品(もしくは書き込みなしの中古状態)で読んでこそのものもあるとは思いますが、私は学術書なんかに関しては自分より前に読んだ人が引いた線に対して、
「わかる、そこ引くよね」
「え、ここに線引く?」
となどと思ったり、ページの余白への書き込みによって内容の理解が促されたことや、別の視点を得られたこと、また逆に首をかしげる書き込みには自分なりの意見を持つきっかけになったことなんかもありました。
そう思うと、1冊の本への書き込みによって「著者」と「現時点での読者である私」そして「私が読む以前の読者Xさん」というように、本の中で複数人での会話が繰り広げられているように思うのです。
学術書に関しては、新品の状態であったら著者と私だけの会話であったものが、書き込みがなされた中古状態であることによって、大げさに言えば知の共有や本を介したディスカッションがなされているともいえます。
さらには、人の手書き文字を愛する私にとっては、さらにおいしい。しかもさ、本への書き込みに対する個人的見解として、思ったことや理解のまとめなんかを自分だけが読み取れるくらいのラフさでメモするイメージがあるので、より素に近い筆致が見られる可能性も大きいというのもとても良い。
なんだかまとめ方がわからなくなっちゃった。あ、この記事のヘッダー画像は、神保町の街並みのお写真を拝借したのですが、私自身も古本屋が集う神保町の雰囲気がとても好きです。
他のメンバーの皆さまの「中古品」に対する愛もぜひご覧ください。
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ブログ企画【繋】メンバー
鈴木NG秀典(すずきんぐ)「鈴木NG秀典ーだー。〜君は馬場より美しい〜」
内田祥文のKeep Hope Alive♪ ←テーマ発案者