息子と動画② -利点について考える-
息子は動画が好きだ。
好きな動画は、
アンパンマンのおもちゃを紹介するものや、
踏切のアニメをトーマス達が横切ったり、
車のオモチャが赤い色水に落ちて、着色されて出てくると「Red」と教えてくれるCGだったりと、多岐にわたる。
もともと子どもが生まれる前は、タブレットで何かを学習させようなんていうつもりはまったく無かった。
動画を見出したきっかけはなんとなく覚えている。
一昨年の夏、手足口病で保育園を休み、1週間家にこもることになった頃からだ。
たまたまその少し前に、園の夏祭りで踊ったアンパンマン音頭をタブレットで見せたところから、息子の動画生活が幕を開けた。
ここであらためて、動画についてのいくつかの利点をあげたい。
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① 話の短さと豊富なコンテンツ
動画は、その尺の短さが幼児に最適だと思った。
Eテレでもそうだけど、番組が幼児向けであるほど、1つ1つの話が短く、いろんなコーナーを織り交ぜて番組が作られている。
次々と好きなものに入れ替わりに見れる動画は、幼児の短い集中力と、移り変わる好奇心に、ぴったりと対応したメディアだと思わずにいられない。
例えば、ディズニー映画やジブリを見せてあげたいと思っても、もって30分。
集中して終わりまで見ることは到底出来ない。
細切れに親が再生したり、停止したり、同じシーンだけを繰り返し見ることを要求されたりする。
動画であれば、親がリモコンを使うことなく、違うものを見るのも、同じものを繰り返し見るのも、本人がいとも簡単に操作して見ることが出来る。
また、ビデオや絵本を1つ1つ購入しなくても、尽きることなく膨大な量のコンテンツが用意されている。
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② 言語の壁を越える
動画は日本語だけではなく英語も教えてくれる。
まだ1歳をすぎた発語が多くない時期から、いろんな色を英語で言うようになった。
「purple」の発音なんて、大人顔負けの「パーポウ!」を披露してくれた。
「あか」とか「あお」とか「みどり」も英語の方が早く喋っていた。日本語よりもイントネーションの高い英語の方が、子どもには聞き取りやすく、言いやすかったのかもしれない。
最近は歌もよく口ずさんでいて、お気に入りはこのあたり。
・finger family
・five little monkeys
・Baby shark
息子は、好きな動画だったらそれが英語だろうと、ドイツ語だろうと、中国語でも韓国語でもロシア語でもスペイン語でも見ている。
ドイツ語で子ども達が消防士に扮して歌う動画なんかは、最高に好きなようだ。
コンテンツさえ面白ければ言語は関係ないというのはすごいことだと感じる。
同じ興味の持ち方で私もTEDとか見れば勉強になるだろうけど、そんなに教養が備わっているわけでもなく、他言語というだけでハードルが高く感じる。
動画の威力も、子ども自身の興味関心の強さも、どちらにも驚嘆せざるを得ない。
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③ 現実を拡張・強化する
例えば、動画でトミカを紹介するものがあったら、息子も同じパトカーや救急車をおもちゃ箱から取り出してきて、画面の前で「オナジー!」などと言う。
坂道を作って車を走らせたり、動画で見た遊び方を自分でもやってみようとする。
鈴川絢子さんとちっくんが紹介するトーマスランドは、「〇〇も行ったネェー」と自分も行ったことがある、とお話ししてくれる。
道行く時、ショベルカーを見かければ、ショベルカーの歌を歌ってくれる。
息子にとって動画は、未知の予習でもあり、過去の振り返りでもあり、現実の経験を強化・拡張するものであるように感じる。
ゲームにのめり込んだり、その世界だけに生きているという感じはしない。
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ここまで長々と書いていて、正直にいうと、動画は「経験を豊かにしてくれるいいものバイアス」が自分に働いているんだろうなと思ってしまう。
でも現在、我が家ではタブレット封印中。
今日で10日目だ。
いまのところ、無くてもそんなに困らないでいる。
再び息子の手に渡った時、今度こそ依存症のようになってしまうのではないかと、とらえがたい不安に苛まれてる。