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JUST DO IT

前回、スターバックスの記事を上げてみて、自分の好きな商品やサービスのマーケティング戦略をアウトプットするのも面白いなと思ったので、今回もその勢いでいきたいなと思います。そして、本日は表題とサムネイルの通りみんな大好きNIKEで行こうかと思います。

が、しかし、NIKEはご周知のとおりマーケティングの塊みたいな企業ですので、本日の内容としてはマーケティングというよりはNIKEの歴史に紐づけたブランディング戦略についてまとめたいなと思います。
ちなみに私はadidas派です。(理由はただデザインだけの話でして、スウッシュよりも3本線が好きなだけです。)
そして、ちなみにタイムリーですが、こんな記事が、、、アディダス不調なんですね。。

プロダクトのバックボーンやマーケティングに関しては断然NIKEが好きですし、学生の時はバスケ部でした。(バッシュはアシックスでしたが)
今日の話を聞けばNIKEのシューズを買いたくなる、、、そんな記事を目指します!!!ではいきましょうー--!!!


ナイキは靴の会社というかフィル・ナイトの会社

さて、言わずもがなナイキは靴を売っている会社です。しかし、靴を売っているのに、自社で工場を持たず製造はすべて外注していて、マーケティングをゴリゴリやっている会社です。Appleやレッドブルなんかの会社もそうですが、製造は外部に任せて、その分自社製品企画やプロモーションであったりの「見せ方」について大量の時間と予算をかけているので、マーケティングや、ブランディングがめちゃくちゃうまいという特徴があります。

たしかにナイキの広告を見ない日はないですよね。。。PRイベントやテレビ・紙媒体の広告、アスリートとのスポンサー契約など、その費用は年間3000億円を超えるそうです。広告予算もえげつないですが、ナイキの広告戦略も芯を食ったものが多く、あのマーケティング軍師のスティーブジョブズも「私が思う最もすごいマーケティング戦略を行っている企業はナイキです。」と言っているほどです。(YouTubeで「スティーブジョブズ ナイキ」とかで検索してみてください。↑のスピーチ内容出てきますゆえ。)


今日もどこかタイムライン上にナイキの広告があふれています

そんなナイキですが、バックボーンを調べてみると、会社やの会社の土台となるマーケティング戦略ってやはり創業者の血が入るものなのんだなって思えます。

創業者のフィル・ナイト自身、陸上競技を大学時代までずっとしており、靴に関してはかなり趣があったようです。
そんな彼が学生時代(オレゴン大学を卒業し、スタンフォード経営大学院を卒業。超優秀です。)に「日本のカメラがドイツのカメラにしたことを日本の運動靴はドイツの運動靴に対しても成し遂げれるか」っという修士論文を出しております。大学を卒業したあとプラプラしていた彼は、1960年代にこの論文をもとに当時、スポーツシューズはドイツ企業のアディダス、プーマが席巻しているが、日本の靴だったらこのカメラの例のような戦略で同じようにイケんじゃないか??っというアイデア一本で単身、オニツカタイガーへ販売権の交渉をしに日本へ。
その後、当時の代表だった鬼塚喜八郎から50$で販売権を獲得し、大学の陸上コーチをしていたビル・バウアーマンと前身のブルーリボン社を作作ります。(そうなのです、もともとナイキはオニツカタイガーの販売代理店からビジネスをスタートさせているのです。)
そしてそこから色々あり、オニツカとの契約を破棄し、自分たちのオリジナルブランドNIKEをローンチさせていきます。

そして、めちゃくちゃ端折りましたが、今でいうところのスタートアップ感が半端ないストーリですね。この話だけでも、NIKEのブランドイメージである反骨精神やチャレンジが滲み出ているように感じます。


ここからがいよいよNIKEの反撃が始まります。

1978年ナイキは世界で初めてエアソール(インソールとアウトソールの間に空気の入ったクッションを設ける構造)というクッション性の優れた靴(テイルウインド)をローンチさせます。この技術はある元宇宙工学士からの持ち込みから始まります。
この持ち込みをしたマリオン・フランクリン・ルーディという人は航空宇宙エンジニアでしたが、「自分の知見って他業種のもっとクリエイティブなことに活かせれるんじゃねぇ?仕事辞めよ。」っというとんでもないバイブスの持ち主でした。そして、「っというかスポーツ用シューズのソールの中に小さな空気を入れて、衝撃を和らげさせれたら、売れんじゃねぇ?」っというとんでもなくクレイジーなアイデアの持ち主でした。
彼はこの企画を23社のシューズ会社に売り込みましたが、全てに断られます。その後、1977年にこのアイディアをフィル・ナイトに発表して、この超絶やばそうな元宇宙工学士からの持ち込みに将来性を感じて英断をします。先ほどのフィル・ナイトの創業の話と少し重なるようにも思えるなんともエモい話ですよね。

ちなみに、この時のナイキのマーケティングは、敢えて250足という限定数を先行発売することにしました。しかも当時1978年に行う予定だったホノルルマラソンに向けてハワイのランニングストア6店舗のみに販売。結果、50ドルというこれまでにない高値にもかかわらず、シューズは24時間もたたないうちに売り切れたそうです。
希少性のあるものが欲しいと思う「スノッブ効果」、高級なものが欲しいと思う「ヴェブレン効果」という心理をうまく使ったマーケティングです。

1978年リリース初代「テイルウインド」 ※正式には1979年

エアージョーダンでNIKEフィーバー

テイルウィンドでバズったNIKEですが、1980年代以降にさらに大きなスニーカー革命を生み出します。

バスケットボールがアメリカの大学リーグで盛り上がりを見せる1980年代、フィル・ナイトはここに目を付けます。1982年、ランニングシューズだったエアソールの技術を今度はバスケットシューズ(いわゆるバッシュ)に搭載した「エア・フォースワン」を誕生させ、バスケットボール界に大きな変革をもたらせます。そしてNIKEのシューズ需要は一層加速していきます。

「バッシュ当たったわぁ~。もっとバスケット業界でガンガン攻めたいわぁ~」っと思い出すフィル・ナイト。
が、アディダスやプーマがスポーツシューズ市場を席巻している中、ナイキは少ない予算で広告塔となってくれる選手が必要でした。そこそこ売れだしたNIKEでしたが、広告にかけられる金額は、アディダスやプーマにはまったく敵わない現状でした。そして出された結論が優れた選手ではなく、今後の伸びしろのある選手を見つけ広告塔になってもらう戦略を取ることでした。そうそれが、マイケルジョーダンでした。

1984年デビュー当時でまだ名もそこまで知られていなかったジョーダンと年間50万ドル(約5,000万円。当時のNIKEの広告費をすべてジョーダンにつぎ込んだ額)の5年契約という巨額のスポンサー契約を結びました。まだまだ小規模な当時のNIKEの経営母体の中、しかも投資は先行き不明。社内からは心配・批判などの声もある中、マイケル・ジョーダンに社運をかける決断だったかと思います。


まさに無重量。当時、地球上で「エアー」を履くふさわしい無二の生物だったと思います。


しかも、ジョーダン、アディダス派だったんです。。そこでフィル・ナイトはジョーダンのために専用の特別のシューズを作るという約束をします。
通常は選手が実際に使っているシューズのレプリカや似たモデルを選手のブランド商品として販売するのですが、彼との契約では、デビュー後すぐに独自のブランドを作ります!と。そうそれが「エア・ジョーダン」なのです。

そして、できたのが、伝説の「エアージョーダン1」です!!!
もちろん例のソールにエアクッション技術の「エアー」を採用し、それに赤いブルズのユニフォームと合わせたブルズカラーと言われる赤や白、黒を用いたカラーリングで非常にクールなプロダクトが出来上がります。商品だけでなく上記の開発秘話も格好いいですしね。

ちなみに、復刻版がこちら。偶然にも本日発売。めちゃくちゃ欲しくなってますw

今から話すエピソードがプロダクトアイデア的にもマーケティングアイデア的にも最高にマッチさせることになるのです。
ゴリゴリにシカゴ・ブルズのホームカラーの赤と黒のカラーををまとった『エアージョーダン1(初期カラー“シカゴ”)』を完成させたのは良いのですが、なんと、当時NBAでは白いバスケットシューズ以外を着用することは許されていなかったのです。そうなると、誰が見ても、このシューズは規約に完全に違反してますよね?
ジョーダンには1試合着用するごとに毎試合5000ドル(当時約40万円)の罰金が課せられることになります。ナイキはこの罰金を全て肩代わりして、ジョーダンにAJ1を履かせて試合に出場させます。
そして、この状況を逆手にとって「NBAがこのシューズの着用を認めなくても、諸君の着用を止めることはできない」というキャンペーンを打ち出します。1980年代の当時のアメリカはイラン・イラク戦争が開戦したり、ビートルズのジョン・レノンが射殺されたり、社会的にも激動の時代で、かつ公民権運動や女性運動などが活発化した時期(人種差別の撤廃と男女不平等など)でダイバシティを確立していこうとしたちょうどその狭間だった時代です。その背景もあり、このNBAの規約を逆手取ったプロモーションは大きな反響を獲得し、もちろんNBAの規約変更にも影響を及ぼすこととなりました。

この状況で赤い靴を履くために違反し続けたジョーダンも罰金を払い続けたナイキもどっちも狂っていることは前提として、このような社会や政治の背景で反骨精神丸出しの若者にNIKEの「チャレンジング」「型破り」なマーケット戦略が見事にぶっ刺さったのでした。
その後に出る「エアマックス」はソールの中にあったエアクッションをあえて見せるというまたチャレンジングなデザインで人気はさらにブーストしていきます。日本ではエアマックス95は「エアマックス狩り」という現象もありましたよね。

ちなみにNIKEの企業スローガンの「JUST DO IT」ですが、この言葉は実は 翻訳不可なのだそう。たしかに「JUST DO IT」=NIKE=その人の抱くNIKEへの感情。っという構図になっていて、あえて意味を公表せずにニュアンスを含ませる感じがまたNIKEっぽいです。

っということで、このあたりのNIKE伝説は「SHOE DOG」っという本がありますので、ご興味あればでございます!

メルカリとかで500円で売ってます。


最後に座学を

っと、ここまであまりマーケティングっぽい話もなかったので、最後に座学っぽいこともと思いますので、ブランドのベネフィットについて、これをNIKEのブランドに当てはめてみて終わります。
前提として、ブランドのベネフィットには「機能的ベネフィット」「情緒的ベネフィット」「自己表現ベネフィット」「社会的ベネフィット」の4つがあります。

■機能的ベネフィット

機能的ベネフィットとは商品やサービスの基本的なプロダクト上の利便性のことです。NIKEのシューズでいうと、「エアー」によるクッション性に優れている、走ったときの衝撃が小さい、地面に接するときのグリップがよい、などになります。

■情緒的ベネフィット

情緒的ベネフィットとは、簡単に言うと「この商品サービスを使うとき私は〇〇を感じる」と思える感情です。高級感、新鮮さ、安心感、おもしろさ、充実感・かっこよさ、などでしょうか。
ナイキの場合では「チャレンジング」「クールだ」「先進的」「反骨的」というイメージ。

■自己表現ベネフィット

自己実現ベネフィットとは、「このブランドを買うとき、または使うとき、私は○○である」っという感じで、商品サービスを利用することで理想の姿を実現できる利益のことです。
ナイキの場合でいうと、ナイキのバッシュを身に着けることでマイケル・ジョーダンのようなスポーツマンになったかのような気分になれるっといった感じです。

■社会的ベネフィット

「このブランドを買うとき、または使うとき、私は○○タイプの人たちの仲間である」と思わせるのが社会的便益です。
ナイキに当てはめると、ナイキを着ることで「スポーツをこよなく愛する集団」「ストリート文化の愛好家」あるとか、「ヒップホップ文化の愛好家」という意識を持てるといったところです。

まとめるとNIKEは、これらの4つのベネフィットをうまく組み合わせることで、ユーザーに「NIKEのシューズって、衝撃に強いエアがついていて、さらにグリップに優れた機能は先進的だ。そしてそんなシューズを履いている自分は、意識が高いアスリートで超クールなストリート代表のヒップホッパーだ。」っと思わせているということです。私もNIKEを履くとこういう思想になっているかもしれないです。否定はしません。
世の中のNIKEユーザーの皆さん、どうですか?

NIKEを履いた時の真鍋


メタバース参入を進める「Nike」

最後に番外編といいますか、おまけですが、「Nike」は、積極的にメタバース参入を進めていますよって話です。

メタバース上の仮想店舗で販売し、NFT(非代替性トークン)で仮想のスニーカー作ってます。仮想空間なので、もちろん履くことができないスニーカーにネット上で高額な値段で取引されておるのです。。。(改めて熱狂的なファンってすごいですよね。)
マーケティング要素としては、メタバース上なら実物サンプルを作る必要すらないので、仮想空間上でユーザーの意見や反応を見て、商品開発をすることが可能です。つまりテストマーケティングをメタバース上で行えるということです。

またNikeは「ナイキランド」っというメタバース空間を作り、顧客との「密接なつながり」づくりへのトライアルをすでに始めています。この仮想空間を利用して顧客のロイヤリティ、ファン度を高めることを目的にしているのかと思います。

このほかにNFTのシューズメーカーを買収したり、web3プラットフォームを作ったりと時代が変われどもやっていることは、先見性の中に革新的かつチャレンジ精神に満ちている企業だなと思います。これからもNIKEの躍進は見逃せない!!!(誰やねん)
以上です!最後まで見ていただきありがとうございました!


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