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解剖生理に立ち返る (3)排出系

 直腸からの排出に加え、尿の排泄器官である膀胱もまたその直腸から発生したものとされる。また生殖器も発生学的に尿精管から発生している。つまり生殖器もまた排出系として考えることができるのである。そしてこれらは全て総排泄口を起源としているのであるから、すべて排出系としてまとめて扱うことが出来る。

 また関連する治療方法論として考えると、取り入れること(栄養吸収)をメインにする西洋医学系に対して、汗・吐・下といった出すこと(排出)を中心にした方法論は東洋医学系である、と三木成夫は指摘している(東西の医療論というより近代における差異のようにも思うが)。

 腎臓の進化学的な役割としては、上陸に伴う陸上の乾燥に対して、ナトリウム保持により水分保持を可能にした。つまり、糸球体にて一度ろ過した水分を、尿細管で再吸収することにより水分の喪失を防いだ。これはヘンレの係蹄において、尿細管外部のナトリウム濃度を高めることで高浸透圧の状態とし、水を再吸収していることによる。そのため脱水に陥ることなく、陸生が可能になった(乾燥した砂漠においても生存可能となった)。加えて、腎臓は肺とともに、酸塩基平衡を司り、内部環境の酸性度を調整していることも重要である。

 排出系として生殖器を考えたとき、進化過程での体外受精から対内受精への移行は大きな変化であった。また中枢神経は進化に伴って「頭進」するのに対して、精巣は下降する(逆行している)ことも特徴的である。また出産にあたっては、進化の過程で直立したことにより、体軸に対して縦に重力を受けるため、人間は流産が多くなった。しかし、その代わりに自由になった両腕によって、抱いて哺乳することが可能になった。このために母子のつながりは、乳房を介して生まれ落ちてからも長く持続することになった、と三木は指摘している。

<泌尿器>
・腎臓の構造
腎臓の皮質と髄質(糸球体・尿細管等のネフロンとの関連)

・糸球体・尿細管・集合管
糸球体濾過値、尿細管における再吸収(近位・遠位尿細管、集合管)、尿生成の仕組み

・腎機能に関連するホルモン
RAA系(血圧上昇・体液量増加)、ADH(尿量減少)、ANP(ナトリウム排出促進・尿量増加)

・膀胱、前立腺
排尿と尿道の構造(男女の差異)


<生殖器>
・卵胞周期
卵胞の発育と卵巣周期

・月経周期
月経周期におけるホルモン変動(下垂体からのLH・FSH、卵胞からのエストロゲン、黄体からのプロゲステロン)

・妊娠・分娩・産褥

・男性・女性の生殖器

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