子どもの入院に付き添った ~その3~

子どもは24時間点滴をつけ、日に3回さらにその点滴から薬を注入し、朝晩の食後に薬を飲み、さらに塗り薬も使っての治療となった。おにぎりを食べ、さらにカットフルーツも食べた子どもは、存外ご機嫌だったが「なんで病院に泊まるのー?」と何度も聞いてきた。

まさか入院とは思わず、救急での診療後に近くのショッピングモールでガチャガチャをする約束をパパとしていた子どもは、ガチャガチャのことはすぐに言わなくなった。

たった3歳の子が状況を理解し受け入れようとする姿が無性にいじらしくてたまらなかった。

子どもは診察の途中でうたた寝するほど疲れていたので、今日は早めに寝ることにした。そして“子どもの付き添い入院といえばコレ!”と噂に名高いアレを実践することになったのだ。

子どものベッドで添い寝する

ベッドを見ての第一印象は、『自信ないなぁ』だった。この柵に囲まれたベッドで子どもはもちろん、点滴のチューブと心拍測定器具を害せずに寝られるだろうか。寝ている間動かなければいいのだが、私は常に腰痛用のベルトを使用しているほどの腰痛持ちだ。寝返りできないことは腰の死に直結する。そして腰が死ねば子どもの介助はできなくなる。

だがやるしかない。子どもは寝返りの度に点滴のチューブがからまるので度々くるくると回して解いてやる。そして子どもがいないスペースで腰に負担がかからないよう横になっているうちになんとか眠れたが、

なぜか起床時間が6時だった。

もっとゆっくり寝かせてくれ。入院した小児科病棟は6時起床、7時検温、8時朝食だった。7時まで寝てていいじゃん。検温も7時に来たことないし、なんなら9時過ぎとかにきてたし。当然、入院期間中子どもが6時に起きたことは一度もなかったし、私も別に起こさなかった。

そして朝食。一目で子どもは食べないだろうなと確信した。栄養バランスはよさそうだが、それだけの献立だった。ごはん、味噌汁、煮魚、青菜の煮びたし、牛乳・・・。案の定、入院期間中子どもはごはんしか食べなかったので(それもコンビニで買った海苔があってのこと)度々、私の食べ物と交換してやった。下膳台を見ると食べ残している子が多かったので、もう少し子どもの味覚寄りにしてもいいのでは・・・と感じた。(子どもは保育園の給食はほとんど完食できているので、その辺のノウハウを求む)

そうして、なんとか日々が過ぎるのを待った。

子どもはとにかくヒマそうだった。常にオモチャを欲したので夫からの差し入れの大半はおもちゃや絵本になった。すぐに、新しいおもちゃを買ってもらうのが子どもの唯一の楽しみになっていったので、夫に頼みガチャガチャや100円均一のおもちゃを買ってきてもらい、毎日1個~2個ずつ出してやることで乗り切った。病院はカフェやレストランよりも100円均一を併設した方がいいと思う。

そんなこんなで治療が進み子どもは目に見えてよくなっていったが、以前、立って歩くことができず退院の目途はつかなかった。そして病院から出られない私には一つ懸念することがあった。

月末の選挙だ。

つづく


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