月の記憶
私は月が好きです。
高校生くらいのころ、夕方にとても仲の良い友人と並んで歩いていました。
空に聖体みたいな月がぽつんと浮かんでいて、きれいだなと思ったのだと思います。
「つき…」とつぶやいたら
「好き?」と聞き返されました。
これはほんとうにあったことなのか、もうかなり怪しい記憶だけど、友達が制服を着ていたことと公園の脇道を歩いていたことを妙にはっきりと覚えているのでたぶんほんとうにあったことなのだと思います。明るい時間の月っていいですよね。
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実家に住んでいたとき、月にむかって財布を振った記憶があります。これは比較的新しい記憶です。夕食のあと、誰かが満月にむかって財布を振ると金運が良くなるとかなんとか言い出して、そんな訳ないとかバカバカしいとかごちゃごちゃ言いながらも、ベランダでみんな財布を掲げておりました。ほんとに金運が良くなったかはさておき、楽しかった記憶があります。金運が良くなるかは知らないけど、一緒に財布を振ったひとと仲良くなれる気がします。
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月といえばGOING STEADYの「グレープフルーツムーン」が好きです。サビのところで右手の握りこぶしを空に向かって突き上げたくなります。
スガシカオの「黄金の月」も好きです。夜に聴くと、この曲の存在そのものを月みたいだと感じたりします。
いつのまにか、帰り道に月を探す習慣が身についていました。毎日筋トレをするとか、ついてほしい習慣はぜんぜん身につかないのにねえ。