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日本初の水晶振動子で世界の電波を変えるプロジェクト(A-MAXプロジェクト)


水晶振動子とは?

 水晶振動子(Quartz Crystal Oscillator)は、電子機器の中で非常に重要な役割を果たすコンポーネントです。
 しかし、私たちは、水晶振動子を意識することはなく生活しています。いわば、空気のような存在です。水晶振動子が存在しなければ、現代の生活が成り立たないと言っていいほど重要な部品でもあります。
 水晶振動子は水晶の特性を利用して、極めて正確な周波数を発生させる装置で、例えば、以下の用途で使われています。

  • Wi-Fiルーターやスマートフォン:安定した無線通信を実現

  • 移動体通信基地局(4G/5G/6G):高精度な周波数同期

  • IoTデバイス、自動運転システム:信頼性の高い通信を提供

  • 時計:時間を正確に刻むために使用

 例えば、スマートフォンには必ず水晶振動子が搭載されており、各家庭にある電気製品の中にも30~50個ほどの水晶振動子が使用されています​。


 水晶振動子の性能は「Q値(品質係数)」によって評価されます。Q値が高いほど、信号の純度が増し、位相ノイズ(信号のブレ)が低減されます。これにより、無線通信の「繋がりづらい」問題が解決され、安定した通信が可能になります​。

今までの技術的対応では限界が来ている

 しかし、今までは、水晶振動子のQ値を向上させるのではなく、回路の設計によってビットエラーを低減する方法が主に取られていました。
 その理由は、以下のような技術的およびコスト的な要因があるためです。

水晶振動子のQ値向上が難しかった

  • 水晶振動子のQ値を向上させるには、材料の純度、加工精度、電極設計などの要素を厳密に管理する必要があった。

  • 高Q値の水晶振動子を開発・製造するには、精密な技術が求められ、製造コストが高くなるため、従来はあまり開発が進められてこなかった。そして、業界では常に安い水晶振動子が求められていた。

回路技術の進化で一定の改善が可能だった

  • 近年の無線通信技術では、エラー訂正(FEC: Forward Error Correction)やデジタル信号処理(DSP)を活用することで、通信の信頼性を向上させてきた。

  • 例えば、ビット誤り率(BER)を低減するために、畳み込み符号やターボ符号などのエラー訂正技術が活用されてきた。

  • Q値が高くなくても、回路設計やデータ処理によって通信品質を向上させることが可能だったため、水晶振動子そのものの改良は優先されなかった。

シンセサイザー技術による補正

  • 通信機器では、周波数シンセサイザー(PLL: Phase Locked Loop)を使い、一定の範囲で周波数のブレを補正する技術が広く利用されている。

  • Q値が低い水晶振動子でも、PLL技術を活用することで、位相ノイズの影響を抑制し、安定した通信を実現できた。

高周波通信の普及によりQ値の重要性が増した

  • 5G/6Gなどの高周波通信では、信号の位相ノイズが大きく影響を与えるようになり、従来の回路設計だけでは通信品質を維持するのが難しくなった。

  • 特に、QAM直交変調(4096QAMなど)を用いる高度な通信技術では、信号の純度が求められるため、Q値の向上が不可欠になっている​。

小括

 従来は回路設計やエラー訂正技術を駆使することで、通信品質を向上させるアプローチが主流だった。しかし、高周波通信技術の発展により、水晶振動子そのもののQ値を向上させることで位相ノイズを低減し、より安定した通信を実現する方法が重要視されるようになった。このため、日本発の「エネルギー閉じ込め技術」による高Q値水晶振動子の開発が、次世代通信の鍵となっている。

水晶振動子の革新と未来
(A-MAXプロジェクト)

 現在、動画ストリーミングや高画質コンテンツの普及、IoTデバイスの増加、5G以降の高速・多接続技術などの分野でリアルタイムかつ大容量のデータ通信が必要とされています。

 大容量のデータ通信を可能にするため、4Gから5G,6Gと世代が変わる際において使用周波数を高周波にする技術が採用されています。

 しかし、従来のスマートフォン等の移動通信体や基地局で使用されている水晶振動子はQ値が低く分布し位相のジッター(位相ノイズ)が大きくなっています。前述したように、回路の設計によってビットエラーを低減する方法で、特に、5G,6Gの高周波帯域で位相のジッター(位相ノイズ)を低減することに限界がきています。

 そのため、高周波にすればするほど、位相ノイズの影響を受けて通信エラーや通信品質の低下を引き起こす可能性が高くなっています。

 これまでの水晶振動子は、技術革新が進んできたものの、特に高周波通信(5G/6GやWi-Fi 6/7/8)の発展において、以下の課題を抱えていました。

  1. 位相ノイズが大きい → 通信エラーが発生しやすくなる

  2. 通信距離が短い → 受信電力の低下により、接続が不安定

 この2つの課題により、一例として、スマートフォンでは「繋がりずらい」という課題が現在提起されています。

 この課題を解決するため、有限会社 マクシスワンが進めているA-MAXプロジェクトでは、日本発の技術として「エネルギー閉じ込め技術」を活用し、水晶振動子のQ値を4倍程度に向上させる特許技術の開発に成功しました。この技術により、以下の革新が実現します​。

位相ノイズを1/16に低減 → 高精度な通信が可能
通信距離の拡大 → Wi-Fiや移動体通信の接続品質向上

 A-MAXプロジェクトで提唱する水晶振動子を採用することにより、「繋がりずらい」という状況が少なくとも50%は改善することが期待されています。

A-MAXプロジェクトの特許

 A-MAXプロジェクトでは、2つの特許において、水晶振動子の位相ノイズ低減技術を提供しています。

 上記グラフは、スマートフォン1台当たりのトラフィック量(データ通信の量:GB/月)を年代別に示した図であり、スマートフォン1台当たりのデータ通信量が年々増加している例を示します。

 スマートフォンの無線通信の4Gから5G/6Gになる際に、①大容量(1,000倍) のデータ通信、②同時接続台数は100万台、③接続の応答時間が1/1,000秒の仕様が要求され、極めて高度な技術が要求されます。 

1.特許7311152 水晶振動子の電極構造、水晶振動子、水晶発振器(二重電極)
 TCXO特許(水晶振動子)では、「2重電極」に関する特許技術「エネルギー閉じ込め」技術でQ値が4倍程度に成り、理論上位相ノイズの強度が現在の水晶振動子の1/16に抑制され、「繋がりづらい」が大幅に改善されます。更に、Q値の改善に依りビームフォーミング(電波の方向制御)やQAM直交変調(データの圧縮:1/10)が安定し、その結果として大容量通信がスムーズに行えます。

2.特許7075160 恒温槽型水晶発振器
 OCXO特許(恒温槽型水晶発振器)では、水晶振動子を一定温度で制御することで、温度変化による周波数の揺れを極限まで抑えます。更に、従来の温度制御領域が80℃であるのに対して温度制御領域が40℃と常温域になり、容積比1 /50と超小型化が可能になります。小型化可能になったことにより、基地局のみならずスマートフォンにも搭載が可能になります。スマホへの搭載を可能にする超小型化技術では、従来サイズ20㎜を2㎜に小型化でき、Wi-Fi通信の安定性を大きく向上させることができます。現在、OCXOが搭載されたスマートフォンは存在しません。

 A-MAXプロジェクトでは、これらの2つの特許を皮切りに、日本初の水晶振動子を世界に広めるプロジェクトを推進しています。

参考資料1

位相ノイズの低減とQ値について

位相ノイズ(Phase Noise)

 位相ノイズは、発振器(例えば水晶発振器)が生成する信号の周波数成分に含まれるランダムな揺れやブレを指す。この揺れは無線通信やデータ通信においてエラーや通信品質の低下を引き起こす可能性がある。位相ノイズが低いほど、信号が正確で安定している。

位相ノイズは、Q値に反比例する性質がある: Pn∝1/(Q ×Q)

Q値(Quality Factor)

Q値は、水晶振動子の品質を示す指標で、以下の特徴がある:

1.      主振動のエネルギー保持性:Q値が高いほど、エネルギー損失が少なく、効率的な振動が可能。

2.      安定性の向上:Q値が高いほど、位相ノイズが減少し、信号の安定性が向上。

例えば、Q値が4倍になると、位相ノイズは1/16に低減する。

QAM直交変調やビームフォーミング:

 データ圧縮や電波方向制御においても位相ノイズの影響を受けやすいため、Q値を高める技術が重要​であるため全てのスマートフォンに搭載することが望まれる。

水晶振動子が切り開く未来

 次世代のWi-Fi通信Wi-Fi 7や5G/6Gといった大容量データ伝送が要求される通信技術の発展には、従来を凌駕する位相ノイズ低減と高Q値の水晶振動子が不可欠です。これらの性能向上は、通信環境の根幹をなす「安定したクロック供給」を実現し、通信の信頼性と高速化を支える重要な要素となっています。

 これまでの技術では、Q値向上による通信環境改善に対する具体的な提案が十分に行われていませんでした。しかし、A-MAXプロジェクトで開発したTCXO(温度補償型水晶発振器)とOCXO(恒温槽型水晶発振器)は、4Gはもちろん、5Gや6Gといった次世代通信規格にも対応可能な設計となっています。
 たとえば、OCXOは従来の製品と比べてQ値を4倍程度に向上させ、5G/6Gの高周波数帯でのランダムな位相のゆらぎを徹底的に抑制。これにより、通信の位相ノイズが飛躍的に改善され、通信品質の向上が実現されます。

 さらに、具体的な例として、スマートフォンに搭載可能なOCXOが、OCXO特有の高精度なクロック供給により、通信エラー率を従来の1/5まで低減。基地局では、同期精度が従来の±5ppmから±1ppmに改善されるなど、実用面での大きな進化があります。これにより、自動運転システムやIoTデバイスのような高精度なタイミング制御が要求される分野でも、通信の安定性と信頼性が飛躍的に向上することが期待されています。

 さらに、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)時代に向けて、米国をはじめ世界各国で特許出願済みの技術を背景に、A-MAXプロジェクトではスマートフォンへのOCXO搭載を実現。これにより、究極の無線電波環境が構築され、国際市場での戦略的優位性を確立しています。

 日本初の技術革新として、今後も水晶振動子の可能性を広げ、世界中の通信技術の発展に寄与していくことを目指します。最先端の通信環境を実現するこの新技術が、未来を切り開くカギとなるでしょう。

水晶振動子の市場

 水晶振動子を組み込み「水晶発振器」として市場では評価されています。 世界の水晶発振器市場は、2023 年に 30 億米ドルと評価され、2028 年には 40 億米ドル に達すると予測されています。水晶発振器市場の成長を牽引する要因として、民生用エレク トロニクス産業の隆盛に伴う水晶発振器の需要の増加、5G および 6G ネットワークにおけ る水晶発振器の導入の増加が挙げられます。

 スマホが普及し SNS が発達した今日ではメディアが大きく変貌し、誰でも容易に動画配 信し、ライブ放映も可能な時代に成りました。5G/6G の通信技術は真の民主主義を支え る重要な社会インフラと成って居ります。
 ドローンや EV など工業製品のみならず、医療や教育学習などサービス産業の分野にも応 用され、未来の便利な社会を垣間見るこの頃です。
 昨年来、AI の技術に成る製品が多くな りましたが、新しい技術とそれに伴う価値の創造が始まるものと確信致します。その通信技術に用いられる水晶振動子はキーデバイス(重要な電子部品)と位置付けられています。

A-MAXプロジェクトでは、数年以内に世界市場の数パーセントのシェアを獲得することを目標にしています。

縁故出資の募集

 株式会社日本スマートマーケティングは、日本初の「水晶振動子」で世界の電波を変えるプロジェクトをMaxis-01の代表小林さんと進めています。
 2件の特許(TCXO特許,OCXO特許)があり、それぞれ日本、台湾、中国、アメリカで権利化されています。
 これらの特許を基に新たな株式会社を設立し、日本とアメリカでIPOを目指しています。
 現在、一口100万円の縁故出資が数枠残っています。ご興味のある方はご連絡ください。

参考ページ

A-MAX:

A-MAXプロジェクト事業計画書:

https://maxis-01.com/wp-content/uploads/2024/06/a1d2c534b6bcdc44556efa8ef5ca8339.pdf

有限会社マクシスワン:

お問い合わせ

Maxis-01
代表取締役 小林了
Mail:rkoba01@gmail.com
Tel:03-6914-7045

*お問い合わせの際は、「NOTEの記事を見て」とお伝えください。

*株式会社日本スマートマーケティングは、A-MAXプロジェクトの推進に協力しております。


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