第90椀 キュウリとかき玉のお味噌汁
初出:2021年9月10日
<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから
テーマ:素材のことを知って食べるとより美味しい
「キュウリ」
キュウリを取り損ねているとヘチマかと思うくらい大きくなっちゃう時がありますね。それを取らずにさらにそのままにしておくと真っ黄色に熟します。種を採るためにこの黄色いキュウリを半分に割るんですが、なんだかマクワウリみたいでうまそう~と思って、生で食べてみたら、、、酸っぱ~。冬瓜みたいに煮物にできないかと思って煮てみても、、、酸っぱ~。ということで、黄色いキュウリは食べない方が良いです。
キュウリは漢字で書くと胡瓜と書きます。原産はヒマラヤ山麓だそうで、胡は胡麻(ごま)や胡椒(こしょう)など、中国から見て西方から来たものに当てられているそうです。
現代の中国ではもっぱら黄瓜と書くそうです。昔はキュウリは黄色になってから食べてたんで黄瓜なんですって、、、って、え~ッ!あんなに酸っぱいのに?さらに昔のキュウリはゴーヤのような苦味もあったそうで、若いうちに食べても美味しくなかったし、黄色くなっても苦いわ、酸っぱいわで、超不人気野菜だったそうです。今では考えられないっすね。
それが、江戸後期に成長が速く、苦味がなくて歯応えが良い品種に改良したことで、青いうちに採ると漬物に最適ってことで一気に人気に火が付いたそうです。
キュウリを味噌汁に入れるって言うと大抵びっくりされますが、実はこれが案外いけます。オススメは、出汁から15分ほど煮たら、30分~一晩置いておいて、食べる時にもう一度煮立ててから味噌を溶き入れますと、柔らかくてトロトロの食感になります。
今回は、ちょっと取り遅れたキュウリで作ってみました。割ってみますと種が結構大きくなってましたが、そのまま食べちゃいます。皮は固いので、全部剥くか縞目に剥きます。出汁は昆布で取りましたが、さらに旨味を足すためにワカメも加えました。緑色ばっかりになってしまったので、思いつきでかき玉を加えてみましたが、これが食べ応えもあって正解でした。
そろそろ畑も秋の気配で、キュウリも終わりに近づきましたが、今年もたくさんいただけました。やはりキュウリは暑い時期においしいものですね。
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「キュウリとかき玉のお味噌汁」
具材:キュウリ、ワカメ、玉子
出汁:昆布
味噌:手前味噌(米麦混合麹)