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査定上位を取り続けてわかった”デキる設計者”の「先読み術」


このノートが初めての方もいると思いますので、自己紹介させてください。
僕は31歳で設計8年目のエンジニアです。

26歳の時に中小企業で働いていたのですが、ステップアップのために大手に転職し、かれこれ5年間勤務しています。(今回は触れませんが、副業でブログアフィリエイトもやっています。)

私はこのタイトルにある“デキる設計者”だとは思っていませんが、おかげさまで査定はいつも高評価で、全体の3%しか与えられない最高評価をもらったこともあります。

良い査定をもらうこと=“デキる設計者”ではないとは思いますが、査定が高いことは設計者として求められる能力を適切に発揮できていると言い換えることはできます。

そんな、査定上位を取り続けてきた私が、業務を適切に評価されるため「先読み術」を紹介したいと思います。

プロジェクト運営成功のカギは先読み力。

査定を上位に引き上げるためにはプロジェクト運営を成功させる。

これがシンプルかつ効果的な方法です。

シンプルな方法がゆえに難しいですよね。

では、このシンプルかつとても難しい課題を解決するため、1つの手段として「先読み術」を紹介します。

先に言っておくと、予言を言い当てるみたいな話ではありません。

今ある情報を整理し外挿することで、次にやるべきことを予測することが「先読み術」です。

プロジェクト運営において、100通りのパターンの解決方法があっても100通りトライすることは不可能です。

開発工数は有限であり、開発費を抑えながらも市場で不具合の起きない製品を製作すること、これがエンジニアに与えられた命題です。

エンジニアの世界では、少ない開発費でプロジェクト運営していくためにFMEAやDRBFMなどの故障解析手法を用いて、想定した故障モードに対して設計検証・実験項目の洗い出します。

このような方法で、洗い出した項目を先手先手で推進していくことが、「先読み術」の前提条件となります。

ここで、”デキない”設計者のプロジェクト運営失敗例を紹介しましょう。

”デキない”設計者は負のスパイラルに陥っている

デキない設計者は、常にバタバタと仕事をしていて、なぜかプロジェクトはいつも炎上しています。

そして、さらに、余裕がなくなり、そしてまた炎上。

自分では一生懸命やっているつもりなのに、なぜかうまく仕事が回らない。

これは"デキない"設計者の典型です。

かくいう、私も会社に入りたての頃はそんな日々に追われていました。

その時にできる限界の仕事をしているつもりでしが、完全な負のスパイラルに入っていました。

負のスパイラルの一例を紹介します。


-----負のスパイラルの一例-----

目の前にある仕事を客先に言われた通りにこなす。

→新たに質問を受ける調べる。

→時間がかかり、さらなる追加質問がくる。

→タスクが膨らみ、処理しきれなくなる。

→定例会議が開催されるようになりフォローされ始める。

→会議に時間を取られ、さらに仕事が終わらなくなる。

→プロジェクトが炎上し始める。

→深夜、土日使って仕事をしようとする。

→結局朝起きられず、フレックスを使うというムダな仕事の仕方をするよう
になる。

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同じような経験をした方、もしくはまさに今経験中の方は、共感頂けると思います。

または、同じ経験はしているけど、本当に仕事量が多くて、人が足りないから、あなたとは違う!と批判される方もいるかもしれません。

いずれにせよ、プロジェクト運営に失敗しているのは事実と言えます。

かくいう、私も自動車会社相手に何度もプロジェクト運営に失敗して、いつもギリギリの中で運営していました。

そんな私が負のスパイラルから脱却するためにしたこと、それが「先読み術」となります。

負のスパイラルを脱却するための、「先読み術」とは

「先読み術」とは、言葉通り先に起こる事象を想定しながら、仕事をすることです。

相手から2手先くらいに求められるであろう事を想定しながら仕事をすることで、仕事の全体量を減らすことができます。

・・・抽象的な概念過ぎますね。こんなこと誰でも言えますね(笑)

具体的かつ実践的な「先読み術」の方法を紹介します。


・ディテールよりもコンセプト設定に力を入れる。

・当事者意識をもつことで、仕事に意思を入れる。


いずれも、目的と結論を明確にするという事がポイントです。

・・・先読み術じゃないの?

ええ、その通りです。一見関係ないように見えますが、これら2つの方法を実践すること自体が、炎上しないプロジェクト運営を行うことができるようになります。

では、詳細を説明していきます。

当事者意識をもつことで、仕事に意思を入れる。

”デキない”設計者もしくは”デキない”人の象徴といえば、当事者意識の欠如です。

当事者意識の欠如としては、こんなものが挙げられます。

・言われた通り作業した(だから、目的を考えなくてもいい。)

・客先窓口は営業の仕事(だから、自ら説明しなくてもいい。)

・判断するのは管理職(だから、判断に必要な検討もしなくていい。)

・設計が悪い(だから、コスト交渉をサボってもいい。)

・設計が悪い(だから、改善点をフィードバックしなくていい。)

こういった発言をしていないでしょうか?

カッコ内に、この発言をする裏側にある、”デキない”人が正当化しようとしている事、つまり真意を記載してみました。

結局、”デキない”人はやらないことを他責にして、やらないことを正当化しようとします。

もし、あなたがこういう発言をしてしまっているのであれば、まずはこの腐った考え方から改善することが必要です。

ではどのように改善するのか?

それは、仕事に意思を入れることです。

仕事に意思を入れるとは、自分はこうしたいとか自分はこう考えるという、考え方をベースにして仕事を進めることです。

この考え方をしていくと、他責にする前にやるべきことが見えてきます。

どんな簡単なことでもいいので、意思を入れて仕事して最後までやりきってみてください。

手にとるような感覚で仕事ができていれば、仕事の意思入れ成功です。

この感覚で仕事を進められると、次に何をすべきかが手に取るように見えてきます。

この感覚を洗練させることで先読み力が身についていきます。


ディテールよりもコンセプト設定に力を入れる。

設計者は、ついついディテールを気にしてしまいがちです。

図面の書き方を例に取ると、”デキない”設計者の方は図面に求められる機能ではなく、体裁や誤記等のディテールばかりに気にする傾向があります。

一方、”デキる”設計者は、図面に求められる機能や量産後の製品保証に必要な記載に着目し、ディテールまでは気にしません。

正確に言うと、限られたプロジェクト工数の中で、ディテールまで気にして図面を書くことができないのです。

もちろん、質の低い図面は後戻りを発生させてしまいますが、機能や製品保証観点以外の図面記載にこだわり始めるとキリがありません。

そのためには、最初にコンセプトを明確にしておく必要があります。

・この図面の機能はなにか?
・設計上必要な寸法と公差設定は?
・あいまいな定義箇所はないか?
・部品単品で保証すべき機能と、アセンブリ後に保証すべき機能は?


このようなコンセプトを事前に明確にした上で図面を書けば、このコンセプトに沿った図面になっているかのチェックだけで済み、図面に割く工数を適正なものにすることができます。

今回は図面を例に出してみましたが、これはエンジンや車両のレイアウトの経過報告や実験結果報告でも同様です。

やってから考えるのではなく、先にアウトプットのコンセプトをしっかり考えましょう。

やる前に考える「先読み」を実践していくことで、プロジェクトをスムーズに運営することができます。

以上、2つの先読み術を実践していくことで、円滑なプロジェクト運営をしていきましょう。

これでこのnoteの内容は終了となりますが、疑問点等あればコメント頂ければと思います。

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