ほんとにあった!呪いのビデオ 5
一つ前の記事と同じく、1月には書き終えてたんですけど、特に理由もなくあげ忘れ、3ヶ月寝かせていた記事です。趣味〜〜。
「ほんとにあった!呪いのビデオ 5」
(VHS版のみパッケージにも、サブタイトル「呪われた学校編」)
2000年6月22日 51min
構成:中村義洋、鈴木謙一
演出:中村義洋、鈴木謙一
演出補:中村義洋、鈴木謙一
ナレーション:中村義洋
【収録映像】
1.卒園式
2.音楽室
3.焼却炉
4.カルチャーセンター
5.放送室
6.入学式
7.窓
8.校庭
9.学芸会
10.タイムカプセル(☆おすすめ)
映像のパターン:☆☆☆☆
(傑作「タイムカプセル」)
観ているときの自分のテンション:☆☆☆
(このあと『Special 1』につながることを踏まえて)
おすすめ度:☆☆☆(ぜひ『Special 1』と併せて!)
※5段階評価
【総評】
ヤブみが深い、元・医師にばかり注目してしまった『ほん呪4』と同じくサブタイトル付きの1本ではありますが、構成は全く違います。恐怖体験談や再現VTRは一切なく、むしろドキュメンタリー部分、投稿映像の検証に力を入れているような印象を受けます。
例えば「焼却炉」では、映像が撮られた学校で投稿者たちへのインタビューをするのですが、これまでの『1』~『4』よりも、スタッフが積極的に前に出てきます。細かくいうと、マイクに対してONで話しているので、映像に出演している印象が強くなってきました。これまでも中村監督が映ることはありましたが、あくまで取材の流れで映っているというような映り方でした。「スタッフが取材していく様子を見せていく」という『ほん呪』の基本形が見えつつある時期なのではないでしょうか。
余談ですが、今作はタイトルロゴがめちゃかっこいいです。
【見どころ】
「校庭」
投稿者夫婦が休日の夕方に、子供を小学校の校庭で遊ばせていた際の映像。他には誰もいなかったはずなのに、カメラの隣で男性が話しているような声が入り込んでいた。「おとうさん……」と言っているように聞こえる。
初見では特別印象に残るわけではない1本です。ただ、それは『ほんとにあった!呪いのビデオ Special 1』を観ることで覆されます。巻をまたいだ展開にめっちゃわくわくします。
改めて観てみて気が付いたこととしては、声に短いリヴァーブがかかっているように感じる、ということでしょうか。
また、投稿者が、「自分のすぐ隣からしているような声」だと言っていた割には、声に「左」や「右後ろ」などの「方向性」がなく、どセンターで声が鳴っています。
加えて、声は「屋外で鳴っている」質感(例えばカメラマイクが拾ったような)が感じられず、余計なノイズのない、非常にクリアーな音声です。
結果“まったくの別空間で鳴っている音”という印象を受けました。
きっと幽霊って、同じようで別の空間にいるんだなぁ。
「タイムカプセル」
ある小学校で、卒業式の1日前に撮影された映像。生徒たちが1人ずつ、10年後の自分へのメッセージを語っていく。大橋孝子さんは、ピアノの先生になりたいと夢を語るが、その顔が奇妙に歪む。
投稿者は、同窓会会場の居酒屋で当時のクラスメイトたちとこの映像を観たそうだが、大橋さん一人だけ連絡が取れず、同窓会に呼べなかったという。中学時代に蒸発してしまったらしい。映像は、彼女の将来を暗示するものだったのだろうか。
こちらも『ほんとにあった!呪いのビデオ Special 1』で後日譚が語られるのですが、テレビの心霊映像特番で流されたりもして大変知名度が高い1本です。『ほん呪』の歴代映像の中でも、上位に来る人気映像ではないでしょうか(たぶん)。
「まぁ、もう説明しなくていっか」と思うほど有名な映像なので、ぜひご覧になってください。
【好きなポイント】
ここまで書いてみたら、なんとなく淡々としちゃったんですけど、全体のムードはすごく好きな1本です。自分が学生の頃に感じていた空気感が、映像の中に漂っています。
○「音楽室」の投稿者の中学生の中学生さ。わかるよ。ビデオカメラでお化け撮れるんじゃないかと張り切り感じも、レポーターっぽい口調になっちゃう感じもわかるよ。
○「カルチャーセンター」映像内で行われている授業。民俗学とのことで、ハレとケガレについてホワイトボードに書いてあって、それっぽい。
あと、この部屋って、のちにスタッフルームの会議室みたいな感じで出てくる部屋のような気がするんですけど、どうでしょうか。(あとで自分でも確認します)
○「放送室」で得られる、9月18日は「かいわれ大根の日」という情報。日本かいわれ協会(現・日本スプラウト協会)が設けたPRデーだそう。初めて知った。
○「窓」における事象が、すーっごくおばけっぽい。THE おばけ。
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