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15年間講師を続けてきてわかったこと
はじめに
2024年も残りわずかとなりました。今年も数多くのセミナーの舞台に立たせていただき、振り返ればその数は250を超えました。年々ワインスクール以外での登壇の場面も増え、今年は都内複数のホテルの会場や各国大使館、昨年に続き東京ビッグサイトでも多くのご依頼をいただき、心より感謝しています。
ご依頼いただいたことへの喜びと心地よいプレッシャーを背負いつつ、より充実した、知識を得られるだけでなく前向きになれたり、今後の希望を見出せるような記憶に残るセミナーを展開できるよう、日々葛藤しながら次の登壇に向けての準備を続ける日々を過ごしています。
アウトプット思考へのスイッチ
2007年のソムリエコンクールで優勝し、翌年にフランス研修へ、そしてその次の年、当時32歳になったばかりの時にワインスクールの講師になり、本格的に講師業がスタートしました。まだまだ知らないことだらけだったにもかかわらず、良くも悪くも勢いに乗っていた時期でもあり、今思えば我ながらずいぶん生意気な存在だったと思います。
実際の講師歴で言うと、ワインエキスパート資格を取得した翌年の2003年から、勤務先のレストランでゲストを対象としたセミナーを行ったり、2007年より勤務していたホテルのレストランスタッフ向けワインセミナーの講師を担当した経験があり、トータルで考えるとおよそ20年のキャリア。早い段階から「アウトプット思考」に切り替えていたことが、その後のキャリアに好影響を及ぼすことになったと考えています。
ただ、ソムリエの仕事だけではなく、もう一つの本業として講師になり、それを生涯の仕事として考えるようになるとは、人前で発言するタイプではなかった学生時代のことを考えると全く予想していませんでした。
何か一つだけでも得意なこと、継続できることを見つけ出すことさえできれば、人生は大きく変わるのだと実感しています。
得意を意識する
「副業」という言葉は私の中では存在していなくて、やるからには全てが「本業」。ソムリエも講師もコンサルタントもライター業も、今やっていることは全て同一線上にある本業であると考えています。その中の一つである講師という仕事を愛し、長く続けてこれたのは、人に対して「得意」だと自信を持って言えることがあったから。
講師という仕事は大勢の人の前で話をすること自体が得意かどうかの前に、「話すべき何か」を持っていなければなりません。私の場合、長年ソムリエとしてさまざまな飲料や料理をゲストにサーヴしてきた経験、世界のさまざまなワイン産地や国内の酒蔵、ワイナリーへの訪問の経験があるからこそ、講師としての仕事が成り立っています。
その「話すべき何か」は、全ての方が必ず持っているはずです。もちろん、今この記事をご覧いただいているあなたも例外ではありません。小さい頃に大好きだったこと、社会人になってから夢中になっていること、今向き合っている仕事の中でも、特に「これに関しては得意」、だったり人から頼られている部分というのが必ずあるのではないでしょうか。
その「得意」を認識し、自らそれを認めて、追求できるか。そこに焦点を当てることができれば、見える世界は変わっていきます。
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