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「自分を掘り下げる」

はじめに


今回は「自分を掘り下げる」というテーマのもと、過去の経験を振り返りつつつ、その時々に学んできたことについてお話ししたいと思います。

本記事を公開しようというきっかけとなったのが、先日発売されたばかりの「dancyu」。日本酒の特集が気になり、知識のブラッシュアップのため手にとったのですが、読み進めた先に目にしたのが、「東京で十年」という見出し。

10周年の当日、フェイスブックの過去の思い出の投稿で気づいた自分が過去に勤務していた思い入れのあるレストラン。その記念すべき日、数年ぶりにシェフにメールをしたのです。

当時シェフに学んだ言葉をあらためて思い出し、その言葉に支えられ、前へと進むことができたことに感謝しつつ、その中でも特に深く心に刺さった「自分を掘り下げる」という言葉。

多くの選択肢があり、人生に迷いが生じやすい現代において、これはとても重要な考え方。もしここについて真剣に向き合い、大事なことを自ら発見できたとしたら、人生は大きく変わり、多くの人が幸せになれると、私は自信をもって言うことができます。

今回、その言葉を深く理解するに至るまでの経緯を、ホテルレストラン勤務時代のコンクール挑戦とフランス研修、その後の新しいレストランをオープンした当時の模様を振り返りながらお伝えしてまいりたいと思います。

オープンとコンクール


東京ミッドタウンのオープンの年。その最上階に位置するホテル内のレストランでの勤務はあまりにも忙しい毎日、そしてのしかかるプレッシャー。

前評判も高く、ゲストは世界中から集まり、完璧なサービスを求める。慣れない朝食勤務、ディナーでのサービスまで一切の余裕はなく、常に緊張状態が続く。

その日迎える全ての担当ゲストのお名前を記憶し、そのゲストの好むこと好まれないことを事前に把握、理解した上での完全なるパーソナルサービスが求められる。しかしそれがサービスマンとしての自分を磨き、成長につながることは確か。

関西時代から絶やさずにコンクールに向けての勉強も続け、その年のソムリエコンクールに、再びチャレンジした。

東京へ移住してきたばかりだったが、ホテルの立ち上げでの経験が生きたのか。昨年に続き予選をなんとかクリアし、セミファイナルへと進出。

サービスと口頭試問はまずまずの出来。そして次は、ブラインドテイスティング。

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