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福島県の銘酒と焼鳥のペアリング

はじめに


福島県の金賞受賞蔵の一つである「有賀醸造」より、杜氏の有賀裕二郎さん、有賀裕輝さんご兄弟をお迎えして、料理と日本酒のペアリングディナーイベントを麻布十番「麻布とさか」にて開催。

私自身も以前より注目していた酒蔵で、一昨年末に現地蔵元にも訪問させていただきました。


有賀醸造を代表する銘柄の一つ「陣屋」
歴史を感じるエントランス

その後あらためてテイスティングする機会もいただき、Twitter等でもご紹介させていただいていた「陣屋」「生粋左馬」の珠玉のラインナップが今回登場。リリースしてすぐに満席となりました。


有賀醸造 陣屋 生粋左馬


ではまずは有賀醸造様について、蔵元様よりいただいた情報と今回お招きしたお二人のプロフィールを詳しくお伝え致します。こちらを読んでいただくことで、どんなお酒なのかをしっかりとご理解いただけると思います。

~一生の粋な酔いを~
有賀醸造は1774年(江戸時代 安永3年)に、当時越後高田藩の飛び領地であった福島県白河市東釜子地区(旧福島県東村)にあった「釜子陣屋」から酒造りの命を受け、その歴史が始まりました。

当地区に流れる良質の水は、阿武隈山系を源流とする阿武隈川上流の伏流水。カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が豊富に含まれた福島県内では珍しい「中硬水」です。そして福島県南部の豊かな大地から育まれる酒米。これらが今日に至るまで地元の方たちに愛され続けてきた要因であると考えております。

「一生の粋な酔いを届けるために」 
~震災後見えてきた有賀醸造の「これから」~
有賀醸造は震災前まで一介の「桶売り」に過ぎませんでした。震災後、蔵に戻ってきた現杜氏、有賀裕二郎の手によってその酒質は劇的に向上します。
有賀裕二郎杜氏は「米、水、菌、そして地域の特性を完璧に活かした酒造り」「地元の人と自然と文化を大切にすること」を掲げ、弊蔵の新たな酒造りがスタートしました。

有賀醸造の酒質は「芳醇辛口」自然の恵みと人の和、そして進歩し続ける技術によって弊蔵の酒質は進化し続けております。
令和三年度全国新酒鑑評会にて弊蔵史上初の金賞を受賞したことで、有賀醸造はまた新たなステージへと昇りつめました。そして来年は創業250周年を迎えます。進化し続ける「陣屋」「生粋左馬」で「粋で楽しい時間」をお過ごしください。

ディナー当日の厳選されたラインナップ

○有賀裕二郎

有賀醸造合資会社 常務兼杜氏
昭和59年 福島県白河市に生まれる。
平成23年 東北大学大学院生命科学研究科修士課程卒業。
同年 東北大学大学院生命科学研究科博士課程進学。
同年 東日本大震災を受け有賀醸造合資会社に入社
平成24年より杜氏に就任、現在に至る。

○有賀裕輝

有賀醸造合資会社 蔵人
平成元年 福島県白河市に生まれる。
平成20年 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に進学。
平成24年 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科卒業。
同年卒業後、東京都内の酒類卸売販売会社に入社。
平成26年 有賀醸造合資会社に入社、現在に至る。


ディナー前のテーブルセッティング。各お酒に合わせたグラスをご用意。


焼き鳥と日本酒のペアリングコース


それでは今回のディナーでお出ししたお酒とそれに合わせて供出したお皿の数々をご紹介したいと思います。

今回は福島県のお酒にペアリングするということで、全て福島の伊達鶏をご用意。

乾杯の一杯  初しぼり 本生

 陣屋 特別純米 初しぼり 本生(夢の香60%)
⇨地鶏のたたき、美味トマト

乾杯のフレッシュ&フルーティな1杯に合わせて、新鮮な地鶏のたたきと、麻布とさか名物の「美味トマト」をペアリング。

冷製の鶏とトマトのアミノ酸的な旨味と、フレッシュ感と旨味の凝縮したにごり酒のスパークリングが相乗し合います。


特別純米 夢の香

陣屋 特別純米(夢の香60%)
⇨ささみさび焼き、もも+サヤエンドウ

この陣屋の特別純米は有賀醸造のお酒の中で、私が初めて飲んだ銘柄。

純米酒で適度な磨き、そして福島のお米である「夢の香」を使用しているということで、福島県内のショップでこちらをセレクトしました。

想像をしていたとおり、他の県では経験したことのない米の味わい。さらには清らかな水の風味やいろいろ要素を含めて、ここにしかない味わいが表現されていました。

こちらには、前菜的な串としてさび焼き、そして王道的でありストレートな鶏の味わいを楽しめ、クリーミーさももつもも肉が合うと考えてセレクト。適度なさわやかさと地味深い味わいをもつお酒に相性のよい串を合わせました。


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