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カメルーン男性死亡事件判決〜入管職員は驚いて混乱してしまうだろうから判断が難しかったろうという言い訳を一蹴した水戸地方裁判所判決
2022年9月16日、水戸地方裁判所(阿部雅彦裁判長)は、2014年3月30日に牛久の入管で亡くなったカメルーン人男性の事件で、国に対して、165万円の賠償を命じました。
この事件で、国は、救急搬送をしなかったことを正当化するために、こんなことを言っていました。
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これを見て救急搬送を必要とする程度の緊急性があると判断することができたかについては、これが低拍出量症候群の典型的な症状であって、それが分かっている医療従事者であれば当然に救急搬送するべき状態にあることが分かるが、それを体験したことがない人は驚いて混乱してしまうのが通常であろうから、判断が難しかったであろう
この様子を見て、別異「低拍出量症候群の典型的な症状」かどうかわからなくても、尋常ではないことは誰でもわかります。だったら、救急車呼びますよ。普通は。入管職員が驚いて固まって何もできないのだったら、そもそもそんな仕事に就かせるのがおかしい。
裁判所も、
適切な処置が分からず、見ていて驚くような状況だったのであったという以上、なおさら、東日本入国センターの職員らにおいて緊急性がないなどと安易な判断をするのではなく、医師の診査を受けさせるために、■を緊急搬送させ、医療機関の措置等を受けさせてしかるべきと解される
と、一蹴しています。
しょうもない言い訳で裁判所の仕事増やさないで欲しいものです。