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【書評】ロジカル・プレゼンテーション ― 自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

タイトルの本を読んだので書評を投稿しますー。

なぜこの本を選んだか?

最近Kindleを入手しまして、単純にamazonのPrime Readingで見つけたからというのがまず先にきますが、業務においても提案をする機会が多く評判や口コミも良かったことからこの書籍を読んでみようと思いました。

本の概要

細かい話はDLページに記載されていますので、ここでは要約のみをまとめます。

・論理思考力――話をつなぐスキル
 1)縦の論理
 2)横の論理
・仮説検証力――疑問に答えるステップ
 1)目的
 2)論点
 3)仮説
 4)検証
 5)示唆
・会議設計力――議論をまとめるスキル
 1)着地点
 2)着地方法
・資料作成力――紙に落とすステップ
 1)メッセージ
 2)チャート
 3)スライド
 4)パッケージ
 5)マテリアル

話の進め方としては、とある企業の新規事業立ち上げにコンサルが参画し他の企業と業務提携を行うまで、が要約した内容に添って描かれています。

あまり書いてしまうとネタバレになるので控えますが、毎回何かしらの問題にぶつかり、その問題を解決するために要約した内容にあてはめて考えていくスタイルになります。

おそらくある程度の経験者の場合、中盤ぐらいまでは役立つと思いますが、会議設計力や資料作成力あたりは軽く目を通す感じになるだけかも知れません(僕がそうでした)

ただそれまでの前段階であり論理的思考力や仮説検証力は、インターネットでもよく見る内容か思いますが、改めてなるほどと思い知らせてくれる内容が多いと感じました。

提案において、悩みを抱えている人、壁にぶつかっている人は読んでおいて損はないと思いますし、現在のパターンを形式に当てはめて見て、再度認識するのも良いと思います。

気になった箇所をピックアップ

さて、読んでいて気になった箇所にハイライトを引けるのですが、いくつかピックアップして記載します。

・提案が通ることを前提に物事を発想してしまうと、他責の姿勢となってしまい、自己成長ができなくなる
・提案が通らないことを前提に発想すれば、自分が何を努力すればよいかという視点で前向きに物事を発想するようになり、自己の能力に磨きをかける原動力となる
・言いたいことを紙にまとめるという作業は、単に資料を作成するという意味ではなく、じつは自分の頭のなかを整理し、矛盾を解決し、的確に物事を考えているということなのだ。うまく紙に落とせるまで、考えに考え抜くことによって、自らの頭は鍛えられる
・「資料を作る」ということは単なる下働きではなく、きっちりと物事を考えるための訓練
・「うまく話せない」のは、「そもそも何を話すべきかが分かっていない」ことが原因
・プレゼンを成功させるための秘訣は話術の善し悪しではない。事前準備がどれだけしっかりとできていて、どれだけ自分の頭のなかが整理されているか。言い換えれば「何をポイントとして相手に伝えるべきか」の見きわめがどれだけできているかが鍵
・論理的とはいったい何なのだろうか。それは、私の解釈では、「話がちゃんとつながっていること」
・縦に論理がつながった状態とは、「誰から見ても因果関係が理解できる」状態である。つまり「こうだから、こう」「こうなったら、こうなる」と説明して、ほぼ万人に理解される状態ということだ。横に論理がつながった状態とは、「誰から見ても全体がカバーされていて、漏れもダブりもない」という状態である。つまり「これは、これとこれ」と説明して、ほぼ万人に理解される状態ということだ(これが、いわゆるMECEである。Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)。
・本当に論理的な人は、相手が誰であっても話を理解させることができる。あなたがもし「自分は論理的なので、論理的ではない相手とは話が通じない」と思っていたとすると、それはじつは、本当の意味ではあなたは「論理的」ではないということなのだ
・論理的に話すためには、自分の話している内容が、「ちがう話を混ぜて同じと主張していないか」を疑う必要がある
・視点をそろえるうえで大事なことは、「それは誰の言葉か?」を考えること
・切り口をそろえるうえで大事なことは、「それはどういう場面の言葉か?」を考えること
・マーケティングの5P
 「製品」「価格」「立地」「宣伝」「パッケージ」を考えれば、全体が担保される
・環境分析の3C
 「市場」「競合」「自社」を考えれば、全体が担保される
・競争戦略の5フォーシーズ
 「競合他社の脅威」「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」を考えれば、全体が担保される
・主張が「論理的に正しい」からといって、「相手が納得する」とは限らない。相手が納得しない理屈を必死でこねることを「論理のための論理」、あるいは「屁理屈」という
・「仮説検証」とは、「まずは相手の疑問すなわち論点を洗い出し、仮の答えを推測したうえで、それに対して答えるための客観的な証拠を準備すること」
・コミュニケーションのスタンスのちがいを理解し、相手は今どちらのモードで話を聞いているのか、自分は今どちらのモードで話をしなければならないのかをつねに見きわめておくことが重要
・ビジネス上のコミュニケーションでは、自分が相手に「意思判断を求めている」ことをつねに念頭に置き、相応の論理構成で話を展開しなければならない
・「相手の要望の理解」というのは、きわめて感覚的なスキル、つまり「相手の顔色やその場の雰囲気、過去の経緯、会話の流れなどのなかから、なんとなく察知していく」というアナログ的なスキルだということ

上記だけを見ても為になりますので、ぜひ一読いただければと思います。

最後に

再三出てくる言葉としてあげられるのは「本当にそうなの?」「それだけなの?」の二つがあり、この二つの疑問を解決できれば提案も無事に行えそうだなと改めて感じ取れました。

提案資料は最後にメンバーや自分でレビューをしますが、その際に上記の言葉を自問自答をすれば、提案内容の抜けや漏れ防止になるかも知れませんし、また相手がしてくると思われる質問にも対策を行うことができるのではないかと思います(その際、どんな役職、立場な方が参加されるか事前に確認しておいたほうが再に良いですね)

すんなり読めてしまう本ですし、何度も読み返したい内容でオススメです!

ではまた。

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