代表ウィーク。〜クラブと代表〜
当チームからは13名の選手が各国の代表やU-21代表に選ばれていて試合後に代表活動のために各国に散った。いつものように出発前は数名の選手はフライトまでの時間を利用して個人的にクラブハウスに立ち寄り軽いトレーニングやリカバリーやマッサージを受けに来てから各々旅立っていく。
クラブに残った約半数の選手でこの数日間トレーニングを行う事になっている。ここ数年は各国代表に招集される選手が多いので、チームに残る選手は半分以下だ。ケガやリハビリ組を除くとトレーニングはかなり少数で行う。
代表ウィーク中はクラブの活動はややゆったりになる。といっても完全にオフモードではいけない。
ヨーロッパの空気感からすると完全に気持ちが抜けてしまっているスタッフまでいるのはどうかと思うが、選手がほとんどいないのでそうなってしまう気持ちもわかる。...が残った選手もいるのでそこの部分には100%で対応するのが当たり前だ。
ここまで試合の出場時間が長い選手や痛んでいる選手はここでしっかり休養やケアを行なって根本的や回復ができればいいと思うし、普段試合に絡めていない選手は有効な時間だ。この時間をいかに有効に使うかで今後の残されたリーグを左右するであろう。
あと個人的には普段あまりケアなどで診る機会の少ない選手を診る時間ができるので新鮮な気持ちだ。
代表に行く選手が多いと前述したが、帰って来たときの選手のコンディションはバラバラである。
移動距離や時差、トランジットなどによる移動疲れ、試合数や試合時間がその大きな要因だとは思う。たくさん試合に出て自信をつけて帰ってくる選手、身体的には疲労しているが気持ち的に充実感を持って帰ってくる選手もいれば、せっかく長い移動して行ったにも関わらず満足いく出場時間が与えられずに不完全燃焼のまま帰ってくる選手など様々だ。コンディション的には厳しい状況でも代表に参加することを大きなモチベーションとしている選手が多いのは事実である。
しかしこのコロナ禍の中での代表活動では健康で、さらには怪我なく戻ってきてくれればクラブとしては喜ばないといけないのかもしれない。
普段のケアもそうであるが、出発の直前や帰ってくる日には直接自分のケアを受けたいと言ってくれる選手が数名いる。たくさんいるフィジオの中でも自分の事を特に慕ってくれる選手がいるのは非常に嬉しく思う。自分の事を必要とし頼ってくれる選手がいるというのは高いモチベーションにつながる、この仕事をしていく上でのやりがいだ。実際ケアに入る際に担当は誰でもいいよとあまりこだわりのない選手か名指しで自分の治療が必要だと言ってくれる選手を選ばなければならないのなら答えは明確である。
選手は皆平等に接するというスタンスは変えたり崩す気は全くないし、長年ずっとそこは意識している。しかし勝つためにやっている以上優先すべき順位や基準は持つべきだとも思う。チームという組織で働くとそこのバランスは難しい。最初はかなり苦労した。
代表の活動が終わり早速戻ってきた選手をケアしていた時の話になる。
これは全ての選手に当てはまることではないという事を先に述べておくが、
ヨーロッパの代表チームに行く数名の選手から聞いた話では、代表チームのメディカルやケアの状況にあまり満足していない選手もそこそこいる。代表活動中でのケアの不十分を感じている現実があるようだ。
これは過去に一緒に仕事をさせてもらった他の選手が何人も同じ事を言っていたので、そう思っている選手は潜在的に多いと自分は思っている。
自分を慕ってくれている選手からは実現する・しないはさておき、
「代表の方にも来てくれよ。」と言ってくれる選手もいるが今はあまり本気にはしていない。
もし近い将来チャンスがあればあわよくばそちらの代表でも働ければ刺激的だと思うし、彼らとヨーロッパの代表としてW杯にでも行ければ最高だと思う。そこで日本代表と戦うことになれば最高だななんて夢見ている。
そんな時は来るのだろうか笑
代表チームと言えば選手もそうであれば、彼らを支えるスタッフもトップオブトップだとその国を代表する人たちが集まるハイレベルな人たちの集団だと昔から当たり前のように認識していたし、今でもそのように認識している。
実際その組織に入って自分の目で見たのではないのでそれが彼らの技術的な事が問題なのか選手目線で物事が見れていないのが問題なのかはわからないが、ヨーロッパの代表チームにでも言語などコミュニケーションが取れる事ができ何かのきっかけがあれば日本人でも十分入ってできるのではないかと肌感覚ではあるが感じている。日本人の入り込む余地やチャンスは少なからずあるように感じている。
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鍼灸師・トレーナー生活 〜クロカワの思考〜
黒川の活動、体験談、短いコラムや日記形式で自身の経験をベースに書いた記事もまとめたマガジンです。色々と他のSNS等には書かない事もここでア…
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