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新しいフィットネスレース「HYROX(ハイロックス)」が2025年にブレイクする?

先日、調べ物をしている時に知った新しいスポーツについて紹介します

ジムでのフィットネスやワークアウトに関心のある方であれば、「HYROX(ハイロックス)」という新しいスポーツについて聞いたことがあるかもしれません。今回は世界中で注目を集めるこの新しいフィットネスレースについて紹介します。この競技は、ランニングとファンクショナルワークアウトを組み合わせたユニークなフォーマットのレースイベントとして開催され、初心者から上級者まで幅広い層が楽しめるスポーツとして注目を集めています。

1kmのランニングと一つのワークアウトを交互に繰り返す

HYROXでは、参加者は1kmのランニングと1つのワークアウトを交互に8回繰り返し、全体で8kmのランニングと8種類のワークアウトを完了します。屋内で行われるタイムトライアル形式の競技となります。ワークアウトの種類は以下の8つとなります。

  • スキーエルゴメーター(Ski Erg)

  • スレッドプッシュ(Sled Push)

  • スレッドプル(Sled Pull)

  • バーピーブロードジャンプ(Burpee Broad Jump)

  • ローイング(Rowing)

  • ファーマーズキャリー(Farmers Carry)

  • サンドバッグランジ(Sandbag Lunges)

  • ウォールボール(Wall Balls)

この競技では年齢別や体力別に分けられた10のカテゴリーがあり、自分に合ったレベルで挑戦できる点が特徴です。

急成長するグローバルな人気

2017年にドイツで生まれたこの競技は、今年2025年には世界11カ国、3大陸で80以上の大会が開催までに成長しています。これまでにロンドンやニューヨーク、マドリード、ハンブルクなど主要都市で開催され、55万人以上のアスリートと35万人以上の観客を動員しているといいます。
日本でも2024年からスポーツオアシス新宿が公式提携ジムとなり、7月に体験会が行われました。今年8月9日には横浜で日本初のHYROXの公式大会が開催されます。

ジム通いを競技にしたい、というアイディアから始まった

HYROXはドイツのイベントプロデューサーであるクリスチャン・トエツケ Christian Toetzke と、3度のオリンピックメダリスト(ホッケー)で起業家のモーリッツ・フュルステ Moritz Furste が考案し、国際的な競技イベントとして立ち上げました。トエツケは過去20年にわたり自転車レースやトライアスロンなど大規模屋外イベントを手掛けた経験を持ち、「ジム通いをスポーツとして確立したい」という構想を2012年頃から温めていました。

二人はこの競技に当初「CuRox」という名前をつけました。ラテン語の「Kurare(走る)」と現代的な響きの「Rox」を組み合わせた造語でした。しかし商標権の問題が発生したことから、2017年に裁判所の命令を受け、現在の「HYROX」に改名します。この改名が結果的にブランド認知向上につながり、その後の成長に寄与します。

大型パートナーシップを獲得

2022年にスポーツメディア大手の「Infront」からマジョリティ出資を受けると、HYROXは本格的なグローバル展開を加速します。プーマやレッドブル Redbull といった国際ブランドがパートナーとして参画するようになりました。こうした戦略的な提携により、HYROXはスポーツイベントから「フィットネスカルチャーのプラットフォーム」へと進化する可能性が見えてきました。特にレッドブルの関与は、エクストリームスポーツ分野でのブランドイメージと相まって、若年層を中心とした新規参加者の獲得に大きく貢献しているといいます。

競技フォーマットも参加者目線で改善

HYROXは立ち上げの時から「99%の完走率」を掲げており、あらゆるレベルの参加者が挑戦できることを重視しています。競技設計においては「誰もが達成可能な課題」というコンセプトを徹底した結果、モンキーバーのような特定の筋力が必須の種目を排除し、代わりにスレッドプルやファーマーズキャリーなど汎用的な種目を採用しています。参加者目線で競技を設計するという方針は参加のハードルを下げ、誰もが参加できるインクルーシブなスポーツとして成長する可能性を高めました。

あらゆる人に自分の限界に挑戦することの楽しさを提供するという発想がユニーク

HYROXは新興のスポーツのように見えますが、単なる競技の発案というよりも「挑戦」と「成長」をテーマに新しいライフスタイルの提案を目指しているようです。同じフォーマットの競技で仲間や世界中のアスリートと競うこともできる一方、8回のランと8つのワークアウトのそれぞれのタイムが記録されるので、どのセクションに自分の改善の余地があるか、という自分自身との戦いに集中することもできます。屋内開催のイベントであることも、天候に左右されず、さまざまな付帯イベントが開催でき、多くの観客と一体感を共有できる点もユニークです。

トレイルランニングとは競技のスタイルは全く異なりますが、自分の限界に挑戦し、互いの努力を讃えあう点では共鳴する点もあるのではないでしょうか。


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