『ウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記』でわかる裏話+リアル体験談
「アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記」を読んだ理由は3つです。
「Uber Eats」で働いている人しか知らない裏事情を知りたい
他のウーバーイーツの本と比べて、Amazonの口コミ評価が高い
出版社は違えど「仕事日記シリーズはおもしろい」という期待感
Uber Eatsについて書かれた本を34冊読みました。
いちばんおもしろかったです(メリハリがないので、後半は興味失速)。
本記事は「ウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記」の感想です。
「感じたこと、考えたこと、気づいたこと」をまとめました。
私は「回送ドライバー × ブロガー」です。
『ウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記』でわかる「裏話+リアル体験談」
いちばん良かったのは「文章のおもしろさ」です。
買ってよかったです。
筆者は「ウーバーイーツ × 放送作家・ライター」です。
ウーバーイーツの仕組みの発想
ウーバーイーツの仕組みを発想した人を称賛したいです。
以下の「マッチングが画期的」だからです。
働きたい人
飲食店の人
空腹の人
お客さまは「空腹+待つ」だから、特殊な状況です。
特殊な環境下への「工夫」もわかり、楽しめました。
「仕事の工夫」は苦労話とセットで書かれています。
電動アシスト自転車の取り合い
変な注文ベスト5
消費者目線の注文NG商品5つ
料金の仕組みがわかる
報酬2種類:通常、クエストボーナス
通常報酬:基本料金、距離料金、時間帯
クエスト報酬:平日、週末、緊急
支払いターム:週払い
意外と稼げないこともわかりました。
基本料金:340円
距離料金:1kmで60円
たとえば、1km先の配達先までのデリバリーで400円がもらえる計算です。
1時間に3件配達すると「時給1200円」です。
3件まわるのは「なかなか厳しい」と想像します。
ただ、想像どおりウーバーイーツは「自由」です。
人と接する時間も「線ではなく、面でもなく、点」です。
仕事場所は「面」です。
「名古屋、沖縄、金沢でも仕事をしてみた」と書かれていて「どこでもできる仕事である」と想像が広がりました。
具体的なエピソードは名古屋だけです。
3年4ヶ月で10kg減量
1年で3kg痩せられる計算です。
ただ、少ない気がします。
電動サイクルだから消費カロリーが少ないせいかもしれません。
1kg減らすのに7000kcalです。
3kg減らすのに21000kcalです。
21000kcalを12ヶ月で割ると、1ヶ月あたり1750kcal消費している計算です。
ムリなく痩せられるイメージです。
1日あたりの平均走行距離に興味がありましたが、書かれていません(残念ポイント)。
「ウーバーイーツのアプリ」で走行距離は出ます。
参考:自転車「時速15km」の1時間あたりの消費カロリー
自転車:290kcal
電動サイクル:220kcal
電動サイクルの充電は、メンテナンス事業者がバッテリー交換をしています。
一部、充電対応のステーションもあります。
なお回送ドライバーは1日あたり4kmは歩きます。
筆者と同じく1年で3kg痩せました(67kg→64kg)。
書かれていないこと
待ち時間の過ごし方
1日の待ち時間の合計
1日の平均走行距離
待ち時間の過ごし方を知りたかったです。
ウーバーイーツは待つのが仕事
配達より待っている時間が長い(辛そう)
割に合わない仕事に見える
労働時間は「本人の意思次第」なので、開始も終了もボタンひとつです(シフトがないのが魅力)。
文面に「朝8時から22〜23時までで15000〜20000円稼げる」の記載があったので、長時間稼働がわかります。
金額だけ見れば「割に合わない」のは明白です。
待ち時間の過ごし方次第で「割に合わない」が解消されます。
回送ドライバーであれば、運転中にいろいろなことができます。
音楽を聴く
音声学習(英語やAmazon オーディブル)
文章を書く(音声入力)
兼業の仕事を考える
筆者ならではの過ごし方に興味がありました。
おもしろい文章で読めたはずなので。
お客さま:腹が減ってイライラしている
ウーバーイーツは大変な仕事です。
お客さまは空腹だからです。
「イライラしている方が多い」と書かれていました。
ちょっとしたことで叱られる可能性があるのです。
喜ばれる仕事ですが、連絡もウーバー経由になる以上、できるだけ遅れたくありません。
つねにプレッシャーがかかります。
スマホ充電がなかったときの工夫
筆者の行動で疑問だったのが「スマホの充電を持たせるために移動中は電源を切る」です。
電源を切ることで「飲食店、お客様」は配達員の現在地が確認できなくなります。
「いつ届くか不安+待つストレス+空腹のストレス」です。
いつ来るかわからないのは最大のストレスです。
お客さまを考えた行動ではありません。
「電源を切る」は残念でした(文章がおもしろかっただけに)。
GPSを使うので「スマホ電池がなくなるのが早い」は理解できます。
「充電ケーブルや予備バッテリーの忘れ」で仕方なかったのでもわかります。
ただ「もう2度と会わないかもしれないお客さま1人だから良い」ではありません。
「ハプニングを乗り越えた工夫、お客さまの犠牲をともなって」の感が否めません。
待つのが仕事のウーバーイーツで「お客さまを待たせる行動をする」は、自分を振り返るきっかけになりました。
追記:2章で筆者の接客姿勢がわかった
2章まで読むと、筆者のお客さまを気遣う工夫が書かれていました。
配達に時間がかかる場合「事前にメッセージ」を送っているのです。
料理ができるのに時間がかかりそう
料理を受け取ったら出発前に一度ご連絡差し上げます
ちゃんと工夫されていたのです。
すぐに判断してしまった自分が恥ずかしくなりました。
工夫、気づき、経験知の宝庫
第2章で目立つのが「筆者の経験知」です。
気づきのオンパレード、宝庫です。
途中から「どうやって記録しているのか」が気になりました。
3年4ヶ月の気づきをメモしていたのか、していないのか。
メモしていたとするならば、何にしていたのか(私はiphoneのメモアプリ)。
記憶だけでここまで書けるなら、すごいです。
文章量が多いからです。
覚えているものだけまとめているのかもしれませんが、未経験者には役立つ情報です。
筆者ならではの「考え、改善策、提案」も書かれているも良かったです。
注文NGの商品と、ヘンテコ注文
コンビニでは「時間帯では、作っていない商品がある」を知りました。
考えれば当たり前かもしれません。
ネタバレになるので書きませんが、深夜に揚げ物は売れないです。
ヘンテコ注文ベスト5:コンビニ商品が頼めることを知ったが、必要なし
とんでもない配達スポット:住居だけでなく、他からも頼める印象。柔軟に頼める
トイレスポット:バスターミナルはトイレが多い。他でも使えそうなアイデア。考えればわかる
クレーム撃退マニュアル
丁寧に言葉を尽くすことです。
「前提と責任」を明確にする
「前提と責任」を理解してもらう
黙っていては伝わりません。
誤解されたままです。
お客さまとの時間は一瞬でも、状況は「空腹で待っている」です。
ちょっとしたことでキレられるのが怖いです(頻繁ではないと思いますが)。
自分で舵を握っている
いつでも仕事が始められて、いつでもやめられる仕事だからです。
稼働時間は自分次第です。
アプリをオン、オフにするだけです。
仕事に進め方について「指示されたい人、指示されたくない人」がいます。
「指示されたくない、自分で考えて進めたい人」に適した仕事です。
自己管理が重要ですが「舵を握っている」感は得られるのです。
いくら稼げるのか、実態
前提条件として、1日に稼働できる時間は12時間までです。
「稼働できる時間」とは「配達を受ける、配達完了までの時間」です。
朝7時から夜0時までまで配達し続けて15000円
クエストボーナスをすべて獲得して、週120000円(月50万円)
単純計算で月に50万円です。
スピードが出る自転車の場合は、以下です。
1日20000円
クエストボーナスもすべて獲得
身体を壊して、月80万円
バイクなら「机上の計算では100万円可能」といいます。
筆者の記事ではないですが「月収100万円のUberEats配達員が大切にする「たったひとつのこと」」は、回送ドライバーとしても参考になりました。
なお本書には筆者がインタビューした「4時間で1万円」という話も出てきます。
条件は「ピークの時間帯かつ渋谷、新宿」です。
羞恥心を解消するためのウーバーイーツ
「お客さまには同じ人が配達に来るのを避けるために、あえてウーバーイーツを使う人もいる」と書かれていました。
いつもの配達の人だと恥ずかしいから
羞恥心をお金で解決したいから
何を食べるか、何を食べたいかを知られるのは恥ずかしいです。
人間の根源欲求「食欲」がバレるからです。
なぜラーメン屋の行列に並ぶのか
「ラーメンを並んでても食べたい」という欲求が丸見えなのに恥ずかしくないのか。
道ゆく人、通り過ぎていく車などから丸見えです。
答えは「お互い、見ていないから」です。
道ゆく人、車のドライバーからの視点:一瞬だけ見る可能性がある
並んでいる人からの視点:一瞬だけ見る可能性がある
関係性がありません。
立ち止まっているわけではないのです。
見られている意識もありません。
移動していく人々は「特定の人」になりません。
知っている人に見られたらどうか
たとえば、近所の知り合いレベルの人です。
私は恥ずかしいです。
「並んでまで食べたいか」と思われるからです。
上記の解決策がウーバーイーツです。
並ばなくてすむ
プライバシーもある程度、保たれる
移動時間(買いに行く時間)を省ける
ウーバーイーツ配達員のメリット、デメリットを考える
ウーバーイーツ配達員のメリット、デメリットをまとめます。
メリット11個
本業がある人には魅力的です。
報酬は週払い
ストレスが少ない
運動になる(自転車なら)
登録するだけ(面接なし)
自由(働く場所、時間、服装)
空き時間を有効活用できる
待ち時間に好きなことができる
都内なら有名人に会えるかも
エリアにより稼げる(都内)
他デリバリーサービスと兼業できる
仕事が選べる(配達依頼が来ても、拒否できる)
ボタンを「ピッ」ではじまり「今日はもういいや」で終えられます。
なんとも自由な仕事がウーバーイーツです。
デメリット10個
待機時間がある → 待ち時間の過ごし方は記載なし
空腹のストレスを抱えたお客さま → 改善策あり
リュック代をデポジット → 筆者は8000円
高時給とは言えない(時給1200円)→ 働くエリアの工夫、クエストボーナス
つねに外で働く → 天候や気温で労働条件が変化
シェアサイクルのバッテリー問題
食べ物を運ぶのに気を遣う(入れ方、走り方、匂いなど)
届け先がわかりにくい場合あり(マンションの入り口、住所、ピンずれなど)→アプリや建物に助けになる案内があることもあり
お客さまから配達員を評価するシステムがある
お客さまや店員、一般人から嫌われていることも
つねに外で働くのが辛い人もいます。
車の中なら「プライバシー」も保たれますが、自転車やバイクだと人目にされされます。
公道での「待ち時間の過ごし方」です。
気にならない人ならいいですが「アルバイトしている人」に見られます。
「人目を気にしてしまう悲しい性」が出てしまいました。
ウーバーイーツはアルバイトではなく個人事業主です。
まとめ:Uber Eatsを間接的に体験できた
「Uber Eatsで仕事をするのは辞めておこう」と思いました。
わざわざUber Eatsで働いてみる時間を省けました。
働く機会を手放したのは損失かもしれません。
実際にやってみないとわからないからです。
本書からウーバーイーツを間接的に体験しました。
直接的に体験してみれば「仕事が合っているか、合っていないか」は、より確実です。
限られた時間です。
私は「今はやらない選択肢」を選んだだけです。
以上です。
P.S. いつでも、どこでも働けるのは魅力ですが。
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