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スタートアップ企業支援者に聞く『イノベーションを興すには』(岡山イノベーションサミットパネルディスカッションレポート①)

岡山をイノベーションで活発にするために、できることは何か。
去る2022年5月27日岡山ルネスホールにて、岡山イノベーションサミット2022が開催されました。

パネルディスカッションでは、『岡山のイノベーションプラットフォーム創造に向けて』と題し、実際に、民間、行政などの立場からスタートアップ企業を支援する人、地元岡山で企業経営をする人が一同に会しました。リアルなイノベーション創造の現場が語られ、熱いディスカッションとなりました。本記事では、その模様をお伝えします。

ーパネリストー


●坂ノ上 博史氏 / 一般社団法人 MASC (倉敷水島航空宇宙産業クラスター研究会) 事務局長


●二ノ宮 和人氏 / 岡山市産業観光局商工部産業政策課 課長代理 ももスタ担当

岡山県出身、大阪府立大学工学部卒。大学卒業後、1999年に岡山市へ入庁。介護保険課や人事課などを経て、2020年4月に産業政策課へ異動となり、ももスタの事業を担当。起業家に刺激を受けながら岡山市のスタートアップ・エコシステム形成に向けて奮闘。2022年4月から現職。


●山田 邦明氏 / Setouchi Startups LLP 共同代表

岡山県津山市出身、 京都大学法科大学院卒。大学卒業後、スタートアップ向け法律事務所で弁護士として活動。岡山県に帰郷後、津山市と起業家スクールの立ち上げ、岡山市とスタートアップ拠点「ももスタ」運営を行う。現在は、瀬戸内エリアにスタートアップの土壌を育成するため、ベンチャーファンド「Setouchi Startups」を設立。

●志水 武史氏 / 国立大学法人岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科 特任准教授 岡山リビングラボ主宰

生命保険協会、外資系保険会社勤務等を経て㈱日本総合研究所勤務後、2019年2月より現職。専門はヘルスケアビジネス、経営戦略、地域活性化。地域・組織の枠を超えたオープンイノベーション・プラットフォームである「岡山リビングラボ」を企画運営している。

●守屋 俊氏/株式会社中国銀行 地方創生SDGs推進部 次長 岡山イノベーションプロジェクト協議会担当


●枡野 恵也氏 / 株式会社 TOOT 代表取締役社長

東京大学法学部卒。マッキンゼーを経て創業期のベンチャー企業へ参画(オンライン英会話のレアジョブ、 オンライン保険のライフネット生命)、2015年よりプロ経営者として現職。2021年に倉敷市へ移住。著書に「人生をはみ出す技術」(日経BP)。

– モデレーター–
小林 貴史氏 / 株式会社 日本政策投資銀行 岡山事務所長

神奈川県出身、早稲田大学法学部卒。 2017 年から日本の社会課題を踏まえたイノベーションへの挑戦を行う「イノベーション推進室」の課長として、銀行の保有資産や外部保有ネットワークをフル活用し、社会的インパクトが大きいプロジェクトをターゲットに新たな取り組みを推進。2020年6月に岡山事務所長に就任。

●石丸 修平氏/福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長

経済産業省、プライスウォーターハウスクーパース等を経て、2015年4月よりFDC事務局長。2021年10月、世界経済フォーラムと国際官民連携ネットワークによるAgile 50として、「破壊的変革を導く世界で最も影響力のある50人」に選出される。著書に「超成長都市「福岡」の秘密 世界が注目するイノベーションの仕組み」。



『岡山のオープンイノベーションプラットフォーム創造に向けて』




(⼩林さん)
⽯丸さん(福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局⻑)⻑丁場のご講演ありがとうございました。福岡の都市としての位置付け、⽴ち位置は、岡⼭にも通じるところがあると思っています。早速、本⽇のお題、「岡⼭のオープンイノベーションプラットフォームの創造に向けて」を踏まえて、パネリストの⽅達と議論を深めていこうと思います。パネリストの皆さんと「岡⼭の課題意識と todo」、「役割分担を含めた⽅向性」の2点についてディスカッションをしていきたいと考えています。そこでまず、⽯丸さんにお聞きしたいのですが、福岡でオープンイノベーションプラットフォームの創造をどのように取り組まれていましたか?

(⽯丸さん)
都市戦略の中での産業政策の⼀つとしてオープンイノベーションが必要と考えています。福岡の支店経済の側面からは、東京の経済動向の影響を直に受ける経済構造になっていることもあり、福岡発のビジネスをいかに作っていくかが重要になってきます。新しい担い⼿が新しいビジネスやテクノロジー、ソリューションを作っていく必要があるのです。

(⼩林さん)
となると、オープンベーションプラットフォーム創造の観点を踏まえた場合、to do で重要なことは何だと思われますか?

(⽯丸さん)
福岡では産業政策の真ん中に、「スタートアップ」を位置付けました。スタートアップって何?から始まりましたが、今や、高齢者も”スタートアップ”という⾔葉を知っているほど普及してきました。当初、潜在的な起業ニーズはありますが相談できる場所が少なく、役所に相談するのはハードルが⾼いという状況がありました。そこで、誰もが相談できる場所を作り、そこにスタートアップの専⾨家を⼊れました。起業のニーズを顕在化し、起業に興味を持ってもらうようにしたことが、福岡で新しいビジネスが盛り上がった⼤きな要因かと思います。

(⼩林さん)
FDC における⽯丸さんの役回りは、伴⾛型の⽀援という理解でよいでしょうか。

(⽯丸さん)
そうですね。場⾯によって異なるのですが、福岡を代表して表に⽴つこともあれば、福岡市と私が⼀緒に並んで、福岡市が⾏政の⽴場、私が⺠間の⽴場で表に出ることもあります。⼀⽅で、企業サイドに⽴ち、裏⽅として⽀援していくこともあります。先ほどの講演のときに、柔軟性やアジャイルという⾔葉を多⽤したのは、状況に応じて、必要とされているのに担い⼿がいないこと、機能がないこと、ノウハウが⾜りないことなどを柔軟に我々が補っていく役割を持っていると考えていただけたらいいかと思います。

(⼩林さん)
ありがとうございます。ここからパネリストの⽅にも課題意識と todo をお伺いしていこうと思います。では最初に、枡野さんお願いします。

次の記事へ続く


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