スタートアップ企業支援者に聞く『イノベーションを興すには』(岡山イノベーションサミットパネルディスカッションレポート①)
岡山をイノベーションで活発にするために、できることは何か。
去る2022年5月27日岡山ルネスホールにて、岡山イノベーションサミット2022が開催されました。
パネルディスカッションでは、『岡山のイノベーションプラットフォーム創造に向けて』と題し、実際に、民間、行政などの立場からスタートアップ企業を支援する人、地元岡山で企業経営をする人が一同に会しました。リアルなイノベーション創造の現場が語られ、熱いディスカッションとなりました。本記事では、その模様をお伝えします。
ーパネリストー
●坂ノ上 博史氏 / 一般社団法人 MASC (倉敷水島航空宇宙産業クラスター研究会) 事務局長
●二ノ宮 和人氏 / 岡山市産業観光局商工部産業政策課 課長代理 ももスタ担当
●山田 邦明氏 / Setouchi Startups LLP 共同代表
●志水 武史氏 / 国立大学法人岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科 特任准教授 岡山リビングラボ主宰
●守屋 俊氏/株式会社中国銀行 地方創生SDGs推進部 次長 岡山イノベーションプロジェクト協議会担当
●枡野 恵也氏 / 株式会社 TOOT 代表取締役社長
– モデレーター–
小林 貴史氏 / 株式会社 日本政策投資銀行 岡山事務所長
●石丸 修平氏/福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長
『岡山のオープンイノベーションプラットフォーム創造に向けて』
(⼩林さん)
⽯丸さん(福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局⻑)⻑丁場のご講演ありがとうございました。福岡の都市としての位置付け、⽴ち位置は、岡⼭にも通じるところがあると思っています。早速、本⽇のお題、「岡⼭のオープンイノベーションプラットフォームの創造に向けて」を踏まえて、パネリストの⽅達と議論を深めていこうと思います。パネリストの皆さんと「岡⼭の課題意識と todo」、「役割分担を含めた⽅向性」の2点についてディスカッションをしていきたいと考えています。そこでまず、⽯丸さんにお聞きしたいのですが、福岡でオープンイノベーションプラットフォームの創造をどのように取り組まれていましたか?
(⽯丸さん)
都市戦略の中での産業政策の⼀つとしてオープンイノベーションが必要と考えています。福岡の支店経済の側面からは、東京の経済動向の影響を直に受ける経済構造になっていることもあり、福岡発のビジネスをいかに作っていくかが重要になってきます。新しい担い⼿が新しいビジネスやテクノロジー、ソリューションを作っていく必要があるのです。
(⼩林さん)
となると、オープンベーションプラットフォーム創造の観点を踏まえた場合、to do で重要なことは何だと思われますか?
(⽯丸さん)
福岡では産業政策の真ん中に、「スタートアップ」を位置付けました。スタートアップって何?から始まりましたが、今や、高齢者も”スタートアップ”という⾔葉を知っているほど普及してきました。当初、潜在的な起業ニーズはありますが相談できる場所が少なく、役所に相談するのはハードルが⾼いという状況がありました。そこで、誰もが相談できる場所を作り、そこにスタートアップの専⾨家を⼊れました。起業のニーズを顕在化し、起業に興味を持ってもらうようにしたことが、福岡で新しいビジネスが盛り上がった⼤きな要因かと思います。
(⼩林さん)
FDC における⽯丸さんの役回りは、伴⾛型の⽀援という理解でよいでしょうか。
(⽯丸さん)
そうですね。場⾯によって異なるのですが、福岡を代表して表に⽴つこともあれば、福岡市と私が⼀緒に並んで、福岡市が⾏政の⽴場、私が⺠間の⽴場で表に出ることもあります。⼀⽅で、企業サイドに⽴ち、裏⽅として⽀援していくこともあります。先ほどの講演のときに、柔軟性やアジャイルという⾔葉を多⽤したのは、状況に応じて、必要とされているのに担い⼿がいないこと、機能がないこと、ノウハウが⾜りないことなどを柔軟に我々が補っていく役割を持っていると考えていただけたらいいかと思います。
(⼩林さん)
ありがとうございます。ここからパネリストの⽅にも課題意識と todo をお伺いしていこうと思います。では最初に、枡野さんお願いします。
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