2. 国内の主要外資ホテルグループの新規開業予定を俯瞰する
前回、国内の主要外資ホテルグループをその軒数と出店マップで俯瞰してみました。
今回は、近い将来の新規開業状況をグループごとに1年後の2022年9月時点、そして、5年後の2026年9月時点をそれぞれマップで見ていきたいと思います!!
マリオット:2022年9月時点
最初にマリオット。2021年9月5日時点の既存ホテルと、2022年9月までに新規開業を予定しているホテルの状況を住所でマッピング。
マリオットは2022年9月までに17軒の新規開業を予定。そのうち、12軒が「フェアフィールド」ブランドで地域での出店。前回の記事で書きましたが、道の駅プロジェクトへの参画は将来への投資としては面白い試みだと思います。
フェアフィールド那須塩原は情報があまり出てこないのでプロジェクトが中断されていないか気になりますね。
マリオット:2026年9月時点
次に2026年9月のマリオットの出店状況(予定)。既存は2021年9月時点のホテル。
2022年の新規開業ラッシュからすると、2023年以降の新規はやや控えめか。もちろん2021年9月時点での予定なので今後増える可能性はあります。
いずれもマリオットが出店していなかった地方都市である九州の3都市、北陸の1都市。九州はもともと外資系ホテルが少ないので、福岡のリッツカールトンは期待されている方がとりわけ多いでしょうね。
IHG:2022年9月時点
続くホテルグループはIHG。2022年9月時点の出店状況。
2022年9月までの新規開業予定。岩手の安比高原でのリゾートホテル3ブランド同時開業は話題になりました。秋田のクラウンプラザもそうですが、既存ホテルをリブランド・リノベーションなので発表から開業までスピード感がありますね。
IHG:2026年9月時点
ワールドオブハイアット:2022年9月時点
ヒルトン:2022年9月時点
ヒルトン:2026年9月時点
2023年以降のヒルトンは他グループよりも積極的。最近もダブルツリー大阪城byヒルトン(2024年春)、ウォルドーフ大阪(2025年)、コンラッド名古屋(2026年)と立て続けに開業予定を発表してきました。
どのホテルグループを選ぶ?客観的な判断基準
新規開業予定の軒数もマリオットが圧倒的ですが、その大半であるフェアフィールドブランド(12軒)を除くと9軒。大都市圏、地方都市で見ればヒルトンの出店予定軒数と同等になります。
前の記事で道の駅と将来の観光の在り方について少し触れましたが、日本でのフェアフィールドの積極的な投入は興味深いです。ただし、まだ投資の段階に見えます。地方地域のフェアフィールドを現実的に利用する層は限られますし、全くの別枠として見るべきかも知れません。
その場合、マリオットの既存 + 新規開業予定からフェアフィールドを除くと66軒(フェアフィールド:28軒)。依然として他を引き離していますが、圧倒的な差だった印象がちょっと変わりますよね。
しかし、マリオットは選択肢が多いですし、優位性は今後も簡単には変わらない可能性は高いので上級会員を目指すのであればファーストチョイスであることに間違いはないでしょう。一方、地理的な戦略を見れば主にビジネスで地方での出張が多いのであればIHGが使い勝手が良さそうに見えます。
個人的にはヒルトンが最近発表している2023年以降の出店攻勢が今後まだ続くのかとても興味深いです。ハイアットはまだ様子見なのかも知れません。経営者として今後の見極めが難しいでしょうけどちょっと消極的な印象ですね。
現在の出店軒数、今後の開業予定、地理的な出店状況から各ホテルグループを見てみました。どのホテルグループを選ぶのかは泊まりたいホテルがどれだけあるかというのはもちろん重要ですし、そもそも利用頻度によっては上級会員は目指さない選択肢も当然あります。正解はないですが、客観的な判断基準のひとつとしてご参考に頂ければと思います。