国民民主党が躍進した【5つの理由】とは?
玉木さんの作戦勝ちだった。
議席4倍増。Youtubeライブは同接6万人。若年層/無党派層の心をつかみ、キャスティングボートを握り、銀の盾までちゃっかりゲットした。勝因は次の5つ。
【5つの理由】
①メッセージのパンチの強さ
②玉木個人商店からの脱却
③石丸メソッドの踏襲・進化
④有権者とのラポール構築
⑤コンサルの使い方が上手
→この5つを考えると、今回の躍進が「玉木雄一郎の作戦勝ち」だというのがよくわかる。1つずつ解説していこう。
▼勝因①:メッセージのパンチの強さ
具体的にはこの5つ。
<A>「手取りを増やす」が明確。
→「103万円のカベ」「ガソリン暫定税率が50年」など分かりやすく具体的。それ以外にも、「ゾンビ税制」「正論パンチ」などのキャッチフレーズを交えて広まりやすくした。
エネルギー・外交/安全保障・憲法などの大局的な政策を封印して正解だった(見たい人は勝手に見にいくから)。
<B>目標「21議席」が明確。
→「なぜなら単独で法律を出せるようになるから…」というストーリー。ここに納得感があった。
これがもし「2割増」とか「今の5倍で35議席!」とかだと刺さらなかったはず。なぜならそれは無機質な数字でしかないから。
「政策集団の不器用な我々に、21議席というパワーを与えてくれ!」というストーリーに必然性があり、有権者に刺さった。
<C>「投票率が増えた方がウチは有利」と呼びかけ。
→コアファンの有権者に「まわりの友達に投票を促してね!」という行動をうまく誘導していた。
<D>現役世代支援のブランディング。
→勇気を出してポジションを取り、「現役世代」というブルーオーシャンをしっかり開拓した。氷河期世代への訴求も欠かさなかった。
<E>炎上対策もバッチリ。
→同時に、「若者を支援して元気になれば、高齢者も支えられる」と、玉木さん/榛葉さんもしつこく発信しており、炎上防止ができていた。事前に相当作戦を練ったと思う。
それこそ、小泉進次郎さんが総裁選で炎上したのとは対照的だった。小泉進次郎さんは「解雇規制の見直し」とポジションを取ったものの、炎上防止が全く想定できておらず、沈没した。
攻めに強く守りに弱いのが小泉進次郎さん。攻めに強く守りはもっと強かったのが国民民主党だった。
▼勝因②:玉木個人商店からの脱却
今まではここが弱点だった。が、今回それを完全に払拭した。
まず榛葉幹事長。トークが面白いキャラを全面に出した。Youtubeショートのいいねも1.5万を超えており、ちゃんとリーチしてる。話術がすごく、「ホンマこの人は玉木さんとは別ベクトルで天才」というコメントもあった(ちなみに国民民主党のYoutubeショート、再生1位・3位はどちらも榛葉さんだ)。
Youtubeライブに起用した伊藤たかえさんは、テレビ局出身だけあって、動画メディアとの親和性が高かった。ジェンダーバランスが良くなり、この点で維新の会をリードした。
ライブ中には全国の候補者の人柄を細かく紹介した。1人1人の個性がわかるようにして、AKBのように「推し」を見つけられるようにした。
裏方の山田くんとか、ヤギのケビン、フリー・ホッターなどの愛すべきサブキャラも発掘した。
全体として、「パーソナルな物語」に注目させる戦略が大正解だった。
玉木さんが実は農家の出身だとか、榛葉さんのイスラエル留学時代の彼女の話とか。
候補者紹介も、「この人はエンジニア出身で…」「この人はなんと『電力系Youtuber』をやっていて…」みたいなバックグラウンドやキャラクターを手厚く話した。
芸能人の不倫・ゴシップネタもそうだが、人は「パーソナルな物語」につい注目してしまう本能がある。それを上手く利用した(もちろん不倫ネタとは違いポジティブな方向に利用した)。
その成功の象徴として、あるコメントに、
「玉木さん、榛葉さん、伊藤さんを始めとする方々は、何となく職場の上司、先輩にいそうな、親近感を持てる国会議員なんだよな」
というコメントがあった。これが決定的だと思う。
「自民党って古臭いオジサン集団だよね…」
「立憲/共産の人は近寄りがたい…」
「維新の人ってなんか怖い…」
みたいな、
若年層が国会議員に持つネガティブな感情。国民民主党は、それらを上手くデトックスできていた。不適切な言い方かもだが、「加齢臭」を適切に消していた。
そして玉木個人商店から脱却しただけでなく、
「国民民主党のゆかいな仲間たち」的な温かいブランディングまで作ることに成功した。しかもたった2週間程度で。
ちなみに付け足すと、
玉木さんは動画内で「榛葉さんが…」と語り、
榛葉さんは動画内で「玉木さんが…」と語り。
2人別々で動画に出ているのに、お互いがお互いのことを話しているのだ。
→古舘伊知郎さんは動画内でこれを、
「遠隔漫才」「遠隔M-1グランプリ」と評した。
的を射ていると思う。それこそ玉木さん・榛葉さんの掛け合いはさながら漫才のように進化しており、2023年にあった「チョコプラvs中田敦彦さんの遠隔バトル」の国政政党バージョンであると言えるだろう。国民民主党が政治の世界にイノベーションを起こした。
▼勝因③:石丸メソッドの踏襲・進化
ビジネスの世界に「TTP(徹底的にパクる)」という格言がある。それを愚直にやりきった。あそこまでパクりきれるやりきり力はすごい。地上戦・空中戦・ネット戦を融合させた石丸メソッド。それを研究し尽くし、
ついには本家の石丸さんを超える「国民民主党オリジナルの勝ちパターン」にまで育て上げた。
というか、「Youtubeの同接6万人超え」は本当にすごい。
(そんな国政政党の党首、普通いる???)
ライブ会場とかのデザインもちゃんと凝っていた。マイクもケチらず上質なマイクを使っていた。
(ちなみに玉木さん、Xのフォロワー数はすでに石破首相を上回ったとのこと。ネットドブ板選挙では「玉木さんの勝ち」ということだ)
・・・
「石丸メソッド」とは、
<A>Youtubeライブ/ショート動画で単純接触効果を増やす
→<B>いいねを依頼してインプレッションを稼ぐ
→<C>演説会場をお知らせして直接会いに来てもらうことでエンゲージメントを高める
→<D>切り抜き動画/ハッシュタグで広げてもらう
…という好循環。この石丸メソッドを玉木さんは解剖しつくし、完全にサイクルを回していた。
(※念のため、「石丸メソッド」は私の造語です)
演説についても、「切り抜き動画適性」を意識していた。
(一文一文が短い、専門用語を使いすぎない、切り抜きやすいハイライトを作る、イヤホンでキンキンしないように抑揚をつけて低い声も併用するなど)
最後の演説を丸の内にしたのも、東京都の外から「会いに来てもらえる」というのを意識して選んだはず。きっと、新幹線で来れる範囲(仙台・栃木・長野・静岡・愛知など)から見に来た人も多いはずだ。旅行ついでみたいな感覚で。
玉木さんも演説の中で「もう皆さんは仲間です!」という言い方をしていた。これも石丸さんの演説のパクリだった。笑
そして何より、最後の最終演説で石丸さん本人を呼び込んだ。さすがだと思う。
※この「石丸さん登場」には賛否両論あるが、私はプラスに働いたと思っている。理由はこの投稿のラストで話す。
加えて、国民民主党が石丸さんよりも上だったのが、
<A>多人数にすることで「ゆかいな仲間たち」感を演出した。グループYoutuber的な賑やかさがあった。
<B>主にショート動画で、笑いの要素を貪欲に入れていた。
→この2点については、本家の石丸さんを超えていたと思う。劣化コピーになってなかった。
あとは、玉木さんの勝負勘。
なにせ今年の7月に都知事選があり、無党派層が政治に興味関心を持ち始めたタイミングだった。
そして今回の衆院選は、「そこから一番近い時期に実施された国政選挙」だということ。ここが超大事なポイントだった。
→なぜ大事なのか???
要するに、都知事選で石丸さんが高めた、無党派層の「選挙に行こう熱」。
具体的には、<A>都知事選で勇気を持って初投票に行った人たちと、<B>石丸熱は高かったけど東京都民じゃないから投票できずモヤモヤしていた層。このAとBという「新しい票田」が生まれた状況がある。
(※玉木さんだけがそれを理解していた)
この「新しい票田」を、国政選挙において、どの政党がキャッチするか?もしくはどの政党もキャッチできず、都知事選だけの一過性ムーブに終わってしまうのか?
→この勝負所の場面で一番シャープに行動したのが国民民主党だった。「無名のウチが躍進するにはここしかない!」という玉木さんの勝負勘が冴えていた。チャンスはこの1回だけだったし、玉木さんだけがそれを理解していた。多分ほかの国政政党は、今回の衆院選がネット選挙の覇権を取る上で「勝負所」だったという大切な事実に気づけてさえいなかったと思う。
国民民主党は比例票を、前回の259万票から617万票に伸ばすことに成功した(358万票増)。「新しい票田」を、バッチリ掴んだ。
ビジネス用語に「経路依存性」という言葉がある。人や組織が「過去に行った行動を踏襲しやすい」という意味の言葉だ。
その意味で、国民民主党の今回の動きは見事だった。つまり、「石丸旋風のあと1回目の国政選挙」という超大事な衆院選で、国民民主党が無党派層を陣営に取り込めた、ということ。これには大事な意味がある。
おそらく今回の選挙で国民民主党に投票した彼ら/彼女らは、(大きなスキャンダルさえなければ、)次の選挙以降も国民民主党に投票してくれるはずだ。なぜなら「経路依存性」があるから。だから今回の衆院選は「勝負所」だったのだ。繰り返しだが、永田町でそれを理解していたのは玉木さん1人だけだった。
(維新の会も政策的に若年層支持を狙えたはずだったが、誰一人イニシアチブを取らず、加えてスキャンダルなどで自滅して、国民民主党に美味しいところを総取りされた)
▼勝因④:有権者とのラポール(信頼関係)構築
「UGCマーケティング」という言葉がある。UGCとは、User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の略。つまり、宣伝/PRの材料を、自分で作らず、ユーザー(=今回なら有権者)に作ってもらう作戦だ。
おそらく今回の国民民主党は今後、
「UGCマーケティング」の代表例になると思う。
<A>切り抜き動画や広告、果てはスマホゲームまで。一部の有権者に色々作ってもらい、それを自らショート動画のネタにしてファンに広めてもらう。玉木さんもちゃんと『こんなの作ってくれた人いたんだよ、すごくない!?』と大袈裟に褒める。
コンテンツを作った人的には、ネタとして取り上げてもらったら当然嬉しいし、他のみんなもお祭り感覚で楽しめるし、玉木代表の親近感も上がる。「三方よし」だ。
その加工のための写真素材をクラウド上に置いてみたり。果てはその素材管理のスプレッドシート作成まで一部の有権者に頼っちゃったり。
お金(※税金を含むー!!!)を大量にかけて作った自民党CMよりも、お金ゼロで作ってもらった国民民主党のコンテンツの方が拡散力があった。なぜなら、有権者と根っこの部分でラポール(信頼関係という意味)を築けているからだ。ラポールがあるからこそ、国民民主党のコンテンツは拡散力を手に入れられた。
(↑このあと解説するが、維新が国民民主党に大負けした最大の理由がここにある)
<B>公示日直前の10/8に、ReHacQで行われた石丸伸二氏との対談(なんと再生100万回越え!)。
この中で、石丸さんが「国民がほしいのは【正論パンチ】なのでは?」とアドバイスし、玉木さんがしみじみと「正論パンチね…」と相槌を打つ場面があった(40分すぎ)。
また、高橋弘樹さんからも「わかったわ、俺が大衆向けにアピールするなら、『日本の【ゾンビ】をぶっ壊す』だわ」とアドバイスし、玉木さんが「あー、確かにね!」と相槌を打つ場面があった(1時間すぎ)。
https://www.youtube.com/live/9_b3vH1wBP4?si=bJVFeqaAOqktiYTS
→この【正論パンチ】【ゾンビ税制】という、他者からもらった2つの言葉を、すかさず選挙期間中に連呼した。おそらく、「ユーザーからもらったワーディングを選挙中に自分も使う」というUGCマーケティングの方針は、選挙前の段階から決めていたのだと思う。だから素早く行動に移せた。石丸さん/高橋さんも、自分が思いついた言葉を実際に使ってくれて、内心嬉しくないわけがなかったと思う。
もし仮に、玉木さん自身が決めたキャッチフレーズを使ったとしたらどうなっていたか?
→おそらく失敗していた。なぜなら「胡散臭い」から。
なんというか、広告代理店に無理やり流行りのフレーズを押し付けられたような強引さを、みんな敏感に感じとってしまい、上手くいかなかったはず。
でもそうではなくて、他の誰かが発してくれたキャッチフレーズを使うと、そこには「草の根」的な親しみやすさがある。なぜなら、それは主催者側から一方的に押し付けられた言葉ではなく、仲間の有権者の誰かが「自発的に」言い出した言葉だから。隣にいる仲間が思いついてくれた言葉であり、「みんなで決めた言葉」なので、抵抗感なく使うことができる。だからこそ、玉木さんと有権者の間のラポール(信頼関係)を築く「合言葉」としてうまく定着したし、有権者同士の熱伝導の力も高かった。
→これはまさに「政治版UGCマーケティング」の成功事例だと思う。それこそ、自民党から総裁選のキャッチフレーズとして一方的に押し付けられた「THE MATCH」という言葉はきっともう1-2ヶ月もすれば忘れ去られるけど、草の根的に自然発生した「正論パンチ」というUGCは、次の選挙も賞味期限切れせず「合言葉」として使えると思う。
<C>そしてブランディングという意味では、
『ウチの政党を見つけてくれてありがとう!』
というストーリー。これを全面に打ち出した。ハッキリ言ってあざとい。かつて「売れない実力派地下アイドル」と呼ばれた立ち位置を逆手に取って、
「実力はあるけど発見されずにいた不遇のシンデレラが、有権者という王子様に見つけてもらえて幸せになれた」
というストーリーを作って心をつかんだ。
有権者は玉木さんへの応援を通して「王子様」になることができた。ちょっぴり意地悪な言葉で言い換えるなら、有権者に「貢献できる余地」を作ってあげた。あざといって、玉木さん。
当たり前だけど、自分の「推し」が自分の後押しで有名になってくれたら、ファンとしては嬉しい。ここ数年エンタメ業界で培われたファンの行動様式を、玉木さんは上手く政治的パワーに転化させた。
今までの「政策に詳しすぎて隙のない玉木さん」という強いブランディングを卒業し、「政策に詳しすぎるけどアピール下手で損してる玉木さん」という弱点・隙のあるブランディングに切り替える。玉木さんの戦略勝ちだった。維新や立憲にはこの「あざとさ」が決定的に欠けていた。
▼勝因⑤:コンサルの使い方が上手
地味だけど、これも秀逸だった。
ショート動画は笑いに振り切り、政策だけでなく「ヤギのケビン(榛葉さんのペット)」のような「パーソナルな話題」を多く入れた。それでガッチリ無党派層の心をつかんだ。
フォントやBGM・編集もあえてポップにして、「素人っぽい感じ」を絶妙に残した。
(↑あとで解説するが、維新はこの点で失敗した)
あえて「素人っぽいポップな動画」をつくることで、
親しみやすさを演出するという、玉木さんの作戦。
その結果、国民民主党のコメント欄は、良い意味で掲示板っぽく盛り上がっていた。これはつまり「コンサルの使い方が上手」ということだ。
その証拠に、国民民主党以外の政党の、直近のショート動画のコメント欄を見てほしい。
ハッキリ言って、れいわ新選組の一人勝ち。
立憲も維新も共産も、ショート動画のコメント欄は「寂れた商店街」みたく寒々している(アンチコメントの書き込みが多く、コメントの絶対数も少ない)。
おそらく他の政党は、
「なんか今の時代、ショート動画って大事なんでしょ?」
みたいなテキトーさでコンサルに外注していて。その結果、「仏像掘って魂入れず」状態になっていた。その熱量の低さは有権者にも伝わるから、コメント欄でも全く盛り上がりに欠けていたし、熱伝導もしなかった。
けれど国民民主党は間違いなく、玉木さんも交えて、コンサル会社とかなり綿密に会議を重ねたはず。その結果、受注したコンサル側も、玉木さんの想いと期待に応えるべく、かなり愛着と熱意を持って仕事をしていたはず。これは実際に動画を見れば一目瞭然なので、まだの人はぜひ見てほしい。1分で見れる。
https://youtube.com/shorts/ZsRSbOEj1Cg?si=gJ6PzeaumXTVmEOt
この点について、他の野党(立憲/維新/共産)はかなり下手だったと思うので、1つ下のチャプターでより深掘りして解説する。
とにかく、玉木さんの外注スキル・人を活かすスキルが高いのだと思う。30代以上のビジネスパーソンであれば、「外注スキル」というのはとても大事なビジネススキルになってくるが、この点が玉木さんはとても丁寧だった。一言で言えば、コンサル会社の目利きと熱入れが上手かった。
・・・
ということで、以上5つ。
①メッセージのパンチの強さ
②玉木個人商店からの脱却
③石丸メソッドの踏襲・進化
④有権者とのラポール構築
⑤コンサルの使い方が上手
→これだけ成功条件を取り揃えた国民民主党がネット選挙で躍進したのは、偶然ではなく必然だったと思う。かくして政治家・玉木雄一郎は「ネットドブ板選挙の申し子」のポジションを完全に確立した。
手の内をかなりバラしてしまったので、国民民主党的には「いやそれ、言わんとってー」となってるかもしれない。
▼そしてもう1つ、⑥選挙後のメディア対応
あとついでにもう1つ褒めてしまうと、
⑥選挙後の玉木さん・榛葉さんのメディア対応は本当に見事だった。
「調子に乗ってる」と思われないように、細心の注意を払っていた。
プラスして、選挙直後のアテンションが大いに集まるいまのタイミングを宣伝のチャンスと捉え、「103万円のカベを破る!」と追加でテレビで連呼し、さらなるPR拡大を図った。明らかに、切り抜き動画を意識した話し方をしていた。
マスコミからの「部分連合」「パーシャル連合」というワードを繰り返し徹底的に否定することで「等距離外交」のイメージを打ち立て、「結局は与党に味方する悪いヤツ」と見られるのを防いだ。いまの自民党に一体視されても何1つメリットがないことをよく認識していた。
選挙速報でも、
メディアは玉木さんに「もう、笑顔隠すのに必死じゃないですか!?」みたいな相変わらずの調子の誘導質問を投げかけていたが、
玉木さんは「野党は浮かれてる場合じゃない、まだ何もやってないから!」とバッサリ切り捨てた。
石丸さんがやっていた、「メディアの用意したトラップにハマらず、スジ論を貫き通した方が、切り抜き動画時代の世論形成には有利に働く」という作戦を、120点のクオリティーでやりきった。
(※ミヤネさんなどの旧来型のテレビコメンテーターは、お茶の間の知的レベルに照準を合わせたステレオタイプ型の誘導質問が、石丸さん・玉木さんたちが「レベルが低い質問をしている場合じゃない!」と一蹴し、SNS上で株を上げるための踏み台としていいように利用されてしまっていることに、そろそろ気づいた方が良い。切り抜き職人というピラニアが渦巻くプールの中に、自分から飛び込みジャンプしにいくようなものだ)
おそらく玉木さん・榛葉さんの2人で、
(1)絶対に調子に乗らず、笑わない。むしろ怒る。
(2)政局より政策を大事にする。
(3)隙あらば『103万円のカベを打ち破る!』をアピールする。
→この3つのルールを徹底して決めていたのだと思う。このおかげで、選挙後に国民民主党の好感度はさらに上がり、玉木さんのYoutubeライブは脅威の同接6万人を突破した。
そしてさらに、
ネガティブキャンペーンへの打ち返しも見事だった。
「103万円のカベをぶっ壊す!」
→とはつまり、「国の税収が減る」ことを意味する。税収が減ると困るのは誰か?もちろん財務省だ。ちなみに玉木さんは財務省の出身でもある。
「お金」とはすなわち「権力」である。
国の予算を司る財務省にとっては、「①お金をもらった上で自分たち財務官僚が配る」政策の方が、自分たちのパワー(権力)が高まる構造があるのだ。官僚組織には自己保存の本能があるので、「より自分たちのパワーを増やす」ことを目的として動くという行動原理がある。
その一方で、玉木さんが提案する「②そもそもお金をもらわない」政策は、自分たち財務省のパワー(権力)を削ぎ落とすベクトルの政策でもある。その意味で、財務省にとって玉木雄一郎は「脅威」であり「敵」なのだ。
なので古巣の財務省が反発し、マスコミにネガキャンの記事を書かせることは最初から分かりきっていた(なお業界用語でこれを「ご説明」「レクチャー」と言う)。
『きっと財務省が<ご説明>に伺って、
自分たちに都合の良い情報をマスコミに流して世論誘導するに違いない…』
玉木さんも財務省出身なので、敵の手の内は最初から把握している。だからこそ、それを逆手に取る作戦に打って出た。
具体的にはこうだ。
【玉木さんの作戦】
<A>103万円のカベを掲げて議席数増
<B>財務省が震え上がる
<C>財務省がマスコミに「ご説明」「レクチャー」に伺い、ネガキャンの記事を書かせるよう誘導する
<D>マスコミはそれを真に受ける
<E>マスコミが「税金が7兆円減る!」とセンセーショナルな記事にする(財務省の<ご説明>通り)
<F>玉木さんがそれを逆手に取り「それってつまり、国民の手取りが7兆円増えるってことね!素晴らしいじゃん!!」とカウンターパンチ
<G>国民「玉木いいぞもっとやれ!」
(↑↑はからずも財務省が「国民の手取りが7兆円増える」というのを公式に証明してしまうオウンゴールの結果に)
→ここまで全て、ワンセットで事前に想定済みなのだ。財務省がマスコミにネガキャンの記事を書かせれば書かせるほど、それがオウンゴールになり、国民民主党の利益につながるように巧妙に設計してある。
事実、選挙直後のテレビのワイドショーは連日「103万円の壁」の報道で持ちきり。まるでテレビ局側が国民民主党のPRを肩代わりしているかのような状況になっている。引き金を引いたのは財務省だ。
その結果、国民民主党および玉木さんの知名度は爆上がり。まだ選挙から1週間も経っていないが、おそらくいま選挙をやり直したら、国民民主党は10議席くらいさらに増やすのではないか?
さすが玉木さん、東大→ハーバード卒だけあって頭が良い。古巣の財務省を完全にトラップに仕掛けた。
また、立憲民主党はおそらく、「103万円の壁の引き上げ」に反対だろう。なぜなら、立憲の票田は60歳以上の引退世代であり、引退世代にとっては「103万円の壁の引き上げ」に何もメリットがないからだ。そして何より代表の野田さんは財務省の考えに近い政治家でもある。
ゆえに立憲民主党は、「103万円の壁の引き上げ」に賛成できない。そうすると当然、現役世代の反感を買い、「立憲民主党は労働者の敵だ!」というマイナスブランディングが完成してしまう(連合がバックにいるのにね…)。
その結果、反自民の受け皿として国民民主党が存在感を増し、それが来年の参院選にプラスになる。そこまで玉木さんは先読みしきっている。
逆にもし立憲民主党が「103万円の壁の引き上げ」に賛成した場合、高齢者たちに「ガッカリだよ」と言われてしまい、票が落ちる。そのくせ、手柄としては「国民民主党の手柄」扱いなので、立憲民主党のプラスにはならない。
つまり立憲にとっては、どちらの道を選んでもマイナスだということ。そしてその踏み絵を迫ったのは玉木さんだ。立憲が弱まれば、相対的に国民民主党が強くなる。
玉木雄一郎は103万円のカベのついでに、立憲民主党まで「ぶっ壊し」たのだ。
ちなみにこれは自民党もまったく同じ。
事実、一部の自民党幹部からは、「『103万円の壁引き上げ』は高所得者優遇であり、丸呑みはできない!」との声が上がっているらしい。まあ、自民党も高齢者からの票が頼りなので、気持ちは分からないでもない。
もし自民党までもがこれを拒否するなら、「現役世代は国民民主党へGO!」のムーブメントがますます加速してしまうので、次の選挙に不利になる。逆に自民党がこの案を受け入れると、高齢者の評判が下がるので、やはり次の選挙に不利になる。国民民主党は、自民党に対しても踏み絵を迫っているのだ。
まさに「玉木劇場」。
マスコミも財務省も自民党も立憲民主党も、完全に玉木さんの手のひらの上だ。選挙前から相当に準備していたのだろう。
ゆえに「玉木さんの作戦勝ち」なのだ。
ここにプラスして、
【A】他野党のYoutube戦略は何がダメだったか?
【B】石丸さんを呼んだのは成功か?失敗か?
【C】国民民主党の弱点は何か?
→この3つの論点について、さらに深掘りして解説する。
▼【A】他野党のYoutube戦略は何がダメだったか?
残念ながら、他野党はネット戦略において、国民民主党の5周くらい後ろを走っていると思う。そしてその原因はハッキリしている。1つずつ解説していく。
(※政策の良し悪しは関係なく、純粋な選挙戦略として考察しているので、ご留意ください)
(※超辛口で書かせて頂いてます)
◯立憲民主党
→真面目すぎ&ギャグ要素が全然足りない。
とにかく「フレンドリーさ」が足りてなかった。野田代表のショート動画も、撮影場所がまさかの、後ろに<書道の掛け軸>が掛かってる仰々しい部屋だった。
<掛け軸>とは何かって???
これは実物を見てもらった方が早いでしょう。
はいドン!
↓↓↓
↑この威圧感たるや…。。。笑
いや、緊張するって。なぜそこで撮影したの?議員会館の食堂でカツカレーとか食べながら撮影した方が絶対良かったよ?
BGMもフォントもエフェクトも何か怖い、親近感がないショート動画になっていた。
そして話すテーマも。
「車という密室空間の中で、野田さんがしかめ面の低いバリトンボイスで安全保障を語っている絵面」が、初見のZ世代にどう見えるかというメタ認知が一切感じられなかった。玉木さんの方が「隙を作る」のがうまかったし、シンプルに笑顔の量が多かった。
あと、直近のYoutubeを見返しても、野田さん・辻元さんしか全面に出てこないのが残念だった。吉田晴美さんとか出せば良かったのに…。国民民主党の方がはるかに人数が少ないのに、「ゆかいな仲間たち感」を演出できていた。
立憲の方が党内のタレントの数は多いのに、なぜそれを全面に出せなかったのだろうか?
これらの原因はハッキリしていて、
「戦略なき外注」
→これに尽きる。ハッキリ言って、業者がやっつけでショート動画を作ってるのがわかる。
おそらく立憲の幹部も「なんか最近ショート動画とか大事らしいよ」くらいのフワっとした現状認識で、「じゃあウチもやろっか」くらいのゆるふわなテンションで外注している。真剣さが低いからこそ、業者選びの目利き力も磨かれてない。業者の側も、発注側(=立憲幹部)がショート動画のクオリティーをジャッジする目利き力がないのを見透かしているから、「舐めた品質」のやっつけ仕事でショート動画を納品している。
これはまさに、
「DXについていけず、外資系コンサル/富士通/NECにカモにされつづけている老舗大企業のアナログ部長たち」
、、、と同じような法人版・情弱ビジネスの構造が立憲民主党においても発生している。玉木さんの方が100倍外注スキルが高かった(目利き力&熱入れ)。
そして都知事選の蓮舫さんの時もそうだったが、立憲民主党は、「今はまだ無党派層の人にファンになってもらう」よりも、「元からファンの人にさらに好きになってもらう」戦略になっている。これを続ける限り、国民民主党との差はもっと開き続けると思う。
議席数は伸びたが、ネット選挙に限れば「負け」であることは冷静に認識した方が良い。
なにせあれだけ自民党に逆風が吹いていたのに、立憲の比例票は前回の衆院選からたったの7万票しか増えてないのだ(1149→1156万票)。なお、国民民主党は358万票の増加(259→617万票)、れいわ新選組は159万票の増加(221万票→380万票)である。
なぜこうなったのか?小選挙区で堅調だった立憲が、なぜ比例ではたった7万票しか新規獲得できなかったのか?よーく考えた方が良い。本気でネット戦略をやれば、もっとポテンシャルはあるはずだ。
◯維新
→若者向けの政策を打ち出していたのだから、本来、若者票・ネット票は取りやすい絶好のポジションだった。なのに自滅し、国民民主党に票をかっさらわれた。千載一遇のチャンスをみすみす逃したのだ。本当に勿体無いことをしたと思う。
維新のネット戦の敗因は次の5つ。
(1)ショート動画がスタイリッシュすぎた。
→フォント・BGM・エフェクトなどの編集が「カッコよすぎた」。その結果、Youtuber・TikTokerの動画を通り越して、「CM」のようなクオリティーになってしまった。そのせいで親しみが持てず、有権者が離れていった。つまりは、戦略が裏目に出た。
国民民主党みたいに、もっと良い意味での「素人の手作り動画感」を出すべきだった。そっちの方が「俺たちの国民民主!」「俺たちの維新!」っぽさを演出できた。
(2)機材投資をケチってしまった。
→その割に、馬場代表のライブとかは酷かった。
↑このカメラアングル、
『動画見よう』って気分になると思う???
マイクも品質が低く、ノイズを拾いまくり。カメラアングルもやけに遠すぎて、顔が見づらかった。出演者同士の距離感も不自然に離れていた。内容的/話し方的にも切り抜きがやりづらかった。背景も工夫しておらず、殺風景な会議室での撮影だった(もっとリハックを見習おう!)。
多分この点について、誰もオーナーシップを持って考える人がいなかったのだと思う。ショート動画のクオリティーの高さとの「ちぐはぐさ」がエグい。
最低でも、マイクなどの必要投資はケチらずにするべきだった。国民民主党は良い機材を使っていたし、おそらくピンマイク・ガンマイクなど丁寧に使い分けていた。
参考までに、国民民主党の『Go!Go!こくみんライブ 拡大選対会議』のYoutubeライブの画像を載せておくので、維新の画像と見比べてみてほしい。
(↑↑こっちの絵面の方が、見たくなるでしょ??)
(3)切り抜き動画を作りづらい演説だった。
→キラーフレーズがない。国民民主党のような「103万円のカベ」「ガソリン暫定税率が50年」みたいな具体性がなく、頭に入ってこない。
加えて、馬場/吉村/藤田/音喜多さんたちの話し方が全員、どこか「のっぺり」している。抑揚がないのだ。
玉木さん・榛葉さんの演説の方が抑揚(声の高低や緩急・リズムの作り方)があった。切り抜きにもしやすいし、スマホ×Bluetoothイヤホンで聴いた時に聴き心地が良かった。
(特に音喜多さん、ブロガーなので文章はとてもお得意なのだが、なぜか演説にそれが活かされてない…。書き言葉向きのタイプなのか?側から見ていてすごくもったいないと思う。次頑張ってください!)
(4)風通しが悪そう感があった。
→党の幹部として露出が多い馬場/吉村/藤田/音喜多氏。4人全員男性だった。ジェンダーバランスが悪い(立憲なら辻元さん、共産なら吉良さん、れいわなら大石さん、国民民主なら伊藤たかえさんがいた)。これは地味に結構マイナスに効いてると思う。
動画を見る限り、おそらく外注先のデザイナー/動画編集者も男性だろう。マッチョな仕上がりになっており、『これは女性票が国民民主党へ逃げ出すだろうな…』というクオリティーだった。もっと女性の感性をクリエイティブ面に取り入れるべきだった。
(なお、具体的にはメルカリの『しまむら理論』がクリエイティブの参考になるので、維新関係者はぜひ学んでいただきたい。国民民主党はこの『しまむら理論』を徹底的に実践していた)
あとは一連のスキャンダルと相まって、維新OBの松井さんが非公認+2000万円で問題になった萩生田さんを応援しにいくなど、
何も知らない有権者的にはちょっと「ヤバい政党」の匂いがした(松井さんはアンコントローラブルだったのかもだが)。
その結果、本当はチャレンジャーというブランディングにしたいはずなのに、どこか権力側というか、第二自民党みたいな見え方になってしまった。大阪のように維新に信頼がある地域以外の取り込みに失敗した最大の原因はこれだと思う。
そして、維新の最大の失敗はココ。
(5)実はラポールが繋がっているコアなファン層がいない?
→これが国民民主党と差が開いた1番の理由だと思う。
実際に、維新のショート動画はコメント欄が恐ろしいほど盛り上がってない。立憲民主党のさらに10分の1くらいのコメント数という、かなり寒々しい感じ。国民民主党について「有権者とのラポール(信頼関係)を上手く築いていた」と書いたが、逆に維新がそれができていないことが今回可視化されてしまった。
おそらく維新の支持層としては、
<A>大阪の方
<B>規制改革賛成派
→この2つが多かったはず。しかし、
<A>大阪の方は、きっとラポールはあったものの、今回Youtubeのコメント欄にまったく出現しなかった(大阪の支持層といっても、実はご高齢の方=Youtubeショートを見ない方が多い?)。
また、<B>規制改革賛成派の方について。
具体的なペルソナとしては、都市部のインテリっぽい人たち。当たり前だが、大阪以外の46都道府県の選挙区では<A>の人は頼れず、<B>の人の投票に頼ることになる。
この『<B>規制改革賛成派』の人たちは、
「熱狂」というよりは、淡々と維新を応援する感じの人たちだと思う。クールでスマートで、PIVOTとモーサテと日経新聞を日常的に見る、資本主義バトル・フィールドにおける強者たちなのだ(間違っても、『こくみんうさぎ、かわいい〜〜!!!♡♡♡』みたいなテンションにはならない)。
なので投票行動は起こしても、Youtube上でコメントといいねをして「推し活」的に盛り上げてくれる/友人たちに投票を呼びかけてくれるような、そんな「エバンジェリスト(伝道者)」にはなりづらい人たちだったのかもしれない。国民民主党の方が、熱量を持って応援してくれるエバンジェリストを育てるのが上手かった。
コアなファン層の熱伝導力のなさ。ここで維新はつまずき、国民民主党との差が開いた。なお、国民民主党のショート動画はこんな感じ↓↓
→これら5つの理由のうち、(1)〜(3)はテクニカルな敗因なので、次の参院選までに直せると思う。ただし(4)(5)は難しい。(4)は馬場さんが代表を退けば改善する可能性はあるが、(5)はより構造的な問題であり、維新が全国政党化する上で必ず乗り越えるべきハードルと言えるだろう。
そして今回、
「現役世代支援といえば国民民主党」という第一想起および「ラポール」を、主に無党派層を中心に横取りされ、経路依存性ができあがってしまった。なので逆転するには何らかのウルトラCが必要になる。次までに頑張ってほしい。
◯共産党
→上の2つの政党と同じで、(1)真面目さ、(2)演説の切り取りづらさ、(3)戦略なき外注。この3点は課題だと思う。このままだと若年層の支持者数が減り、Youtube上ではれいわ新選組に押し負けると思う。とはいえ、もし共産党的にそもそも若年層の取り込みの優先度が戦略的に低いのであれば、今のままでも良いのかもしれない。ただしその場合は数十年後に自然消滅ルートに入る(社民党の後を追う形で)。
◯れいわ新選組
→クオリティは高い。正直、Youtubeの使い方で国民民主党と唯一対等に渡り合ってるのがれいわだと思う。
山本太郎さん。さすがに元役者だけあって、CMの動画もわかりやすかった。演説も切り取りやすい原稿になっており、その結果、ショート動画もわかりやすいものになっていた。話のリズム感も抜群に良い。あと、国会議員の中ではダントツで男前で清潔感がある。再生回数も回ってるし、コメント欄も盛り上がっている。正直、改善点は思いつかなかった。
また、HPのクオリティーも非常に高い。既存政党に不信感を持っている有権者に「一度、この人たちに任せてみようかな…!」と思わせるに足るクオリティーになっている。1つ下のHPのリンク、まだの方はぜひ見てみてほしい。2つ下の動画もご一緒に。
山本太郎さんは選挙マーケティングの天才だ。どんなペルソナの人に、どんなメッセージを伝えれば響くか、ちゃーんと分かってる。私は個人的にれいわの政策は支持しないけど、トークのうまさ・メッセージの伝え方、そしてマーケティング戦略において、他党はれいわから色々学べるものがあると思う。
◯自民党
→ダントツで酷かった。Youtubeへのやる気が1ミリも感じられなかった。
それこそ、「【石破総裁メッセージ】日本を守る。成長を力に。」という動画がある。
https://youtu.be/k-DonOGOEKk?si=dHustFtQd9MP1ZsT
この動画、きっとみんなも一度は見かけたはず。なぜならテレビやYoutubeのCMでもたくさん流されたお馴染みの動画だから。選挙の翌日時点で、再生数はなんと、2,175万回再生。
にもかかわらず、いいねは現在「443いいね」に留まっている。
→これ、ヤバすぎないか???
再生2,000万回超えなのに「443いいね」って、一体どういうこと?
国民民主党・玉木さんの選挙後のYoutubeライブが「5.5万いいね」なので、「100分の1以下」。なぜなの?どうしてチャンピオンである自民党のイチオシ動画がたったの「443いいね」なの?
というか本来、日本全国の自民党員全員に「いいねして!」と言えば「100万いいね」は確保できるはずなのに…。なんで国民民主党のライブのいいね数とケタが2つも違うの?まったく戦略が感じられなかった。
一番深刻なのは、総裁選で9人の候補者がショート動画を作ってたのに、そのノウハウが完全に捨てられていること。ノウハウが9人それぞれの中に閉じ込められており、党本部に集約されていない。わかりづらい例えで恐縮だが、「シャドーITがあちこち乱立して情シスが把握しきれてないダメ大企業」みたいな連想をしてしまった。
シンプルに、「バラバラな自民党」を象徴していいるな、という印象だった。
(これは立憲も同じ。大規模政党は小選挙区に強いから、あくまで「小選挙区で勝つ」ことに意識のフォーカスが向きがちになる。ハッキリ言って、「党全体のショート動画」なんかに協力する余裕なんて、個々の候補者からすればゼロなのだ。その結果、「選挙区単位の、地上戦」が優先されてしまい、「党全体の、ネット戦」が後回しになってしまったのだと思う。ドライで、非協力的で、風通しが悪い。
逆に国民民主党は弱小政党で比例に頼らざるをえないからこそ、「オール国民民主党」でノウハウとリソースを集約・共有した。典型的な「ランチェスター戦略」だ。その結果、ネット選挙という局地戦で勝利して比例票を集め、キャスティングボードを握ることができた。二大政党の油断につけこんだ玉木さんの作戦勝ちだ)
一部、進次郎さん陣営っぽいスタイリッシュなテイストのショート動画が自民党公式にも上がっていて。そのクオリティーは高かった。
ただし、「クオリティーが高い」というのは褒め言葉ではない。
なぜなら、あのスタイリッシュな編集は、
そもそもイケメンの進次郎さんだから似合うテイストの動画編集であって、それを忘れてしまっている気がするからだ。
たとえばだけど、「中田敦彦のYoutube大学」っぽい話し方を「はじめしゃちょー」がマネしても、ダダ滑りするだけだ。「明石家さんま」の笑い方を「松本人志」がマネしても気持ち悪い。
それと同じロジックで、進次郎さん向けに作られたショート動画の編集ノウハウを、自民党全体で使い回しても、ダダ滑りしてしまう。にも関わらず、今回それをやってしまった。
つまり、自民党全体のショート動画の編集ノウハウを、進次郎陣営の「お下がり」に頼ってしまっていたということ。
この時点で、党全体としてまともなSNS戦略がないのだなと感じた。
(とはいえ、今回の選挙はどんなSNS戦略をやってもアンチコメントの嵐だっただろうから、Youtubeは「冬眠」させておいて正解だったのかもしれない。一周回って、これがベストな行動だった説まである)
(あと、選対委員長の進次郎さんの敗戦の弁は、今回とても男前だったと評価している。私的には株が大きく上がった。結局、誰が総裁になっても、自民党はそれなりに負けていたと思う。そんな中で進んで泥水をすする姿は潔く、言葉に重みがあり、環境省で「セクシー」と言っていた時の100倍「セクシー」だった。筋を通しててカッコよかった。)
◯公明党
特に感想なし。山口なっちゃんの演説が相変わらず上手くてほっこりした。ショート動画のコメント数が少ないなと思った。石井さんはご愁傷様でした。
・・・
結局のところ、
国民民主党こそが、7月の「石丸旋風」から真剣に学びを得てPDCAを回せた唯一の政党だった、ということだと思う。弱小政党だったからこそ、油断せずに他者から学ぶ謙虚さがあった。
他の政党は、石丸氏への好き嫌いは傍に置いておいて、もっと「石丸旋風」から学びを得るべきだと思った。それができなければ、国民民主党にはノウハウも溜まっているので、次の選挙ではもっと差がつくのかなと思う。
▼【B】石丸さんを呼んだのは成功か?失敗か?
→これは賛否両論あるが、国民民主党目線でも、成功だったと思う。
石丸さん自身が選挙翌日にXで説明している通り、
『様子を見に寄った所、渡部恵子議員から「ぜひ話して下さい」と頼まれました』
『一度は断りましたが、再び声を掛けられたので「玉木代表が来るまでなら少し」と受けたのが実際の経緯です』
とのこと。
玉木さんに連絡がつかないとっさの状況の中で、とっさの判断で、現場のジャッジが行われたらしい。個人的に、渡部恵子議員はグッジョブだったと思う。
X上では一部の有識者が、
「石丸みたいなサイテーの奴を呼ぶなんて、ほんと国民民主党にはガッカリですわ(意訳)」とディスる発言をしていた(東浩紀さん・田端信太郎さん・池田信夫さんなど)。もしかしたら、石丸氏に嫌悪感を持つ層が、本来なら国民民主党を支持していたのに、土壇場で投票行動を変えた…というマイナス面もあったかもしれない。ここだけ見るとそう思える。
ただし僕の感想としては、プラスの方が大きく上回った=国民民主党にとって「成功」だったと思う。
なぜ、国民民主党にとってプラスなのか?
理由はハッキリしていて、
「石丸さんが来た→国民民主党のイメージが下がった」という人は一定数いるかもしれない。
だがしかし、
「石丸さんが来た→投票先を別の政党に変えた/投票に行くこと自体をやめた」という人はかなり少なさそうだから。
→これが理由だ。そういう人のボリュームよりも、「石丸さんが来たから、ちょっと億劫だったけどやっぱり選挙に行く!」「そして投票先は、よくわからんけど国民民主党で!」という人のボリュームの方が、絶対大きい。
そもそも石丸さんのアンチということは、政治への関心が元からある程度高い人だと思う。だからこそ、そういう行動(コイツが嫌いだから、コイツの応援するアイツも嫌い!)を投票時にいざ実行する時に良心の呵責が働いて、最後は政策本意で選ぶ人がマジョリティーになると思う。
ゆえに国民民主党の勝ち。
結局A/Bテストはできないから、成功・失敗なんて「Nobody Knows」なのだけど。それでも上のような考えから、国民民主党としてはかなり成功寄りなのではと思った。
『現場の判断であんなことをやって、ガバナンス的にマズいのでは?』
→と言う人もいるけど、これはむしろ逆だと思う。
つまり、玉木さんからの正式な指示であれをやってしまうと、国民民主党に石丸さんのカラーがついてしまう。そうすると本格的に、「石丸と玉木が組んでるなら、国民民主党は応援しない!」という人が出てくる可能性がある。こうなってしまうと、プラスだけでなくマイナスも生まれかねない。
だからこそあの時は、「現場のジャッジ」であることがむしろ大事だった。つまり、現場のジャッジであれば「玉木さんの意向ではない」と言い訳できる。そうすると、「石丸と玉木が組んでるなら、国民民主党は応援しない!」というマイナスの動きを抑制できる。それでいて、石丸さんに「客寄せパンダ」になってもらうことによる露出増→投票増というプラスの恩恵だけゲットできる。
つまり結果的に、この方法が一番「美味しいとこどり」できる方法だった。だからこそあれは、現場のジャッジでなければむしろダメだったのだ(=玉木さんの指示を仰がなくて正解だった)。
正直、賛否両論のムーブだとは思う。
自民党くらい大きな政党だと大企業チックになるので、こういう現場ジャッジは「ガバナンスに問題あり」という扱いを受け、歓迎されない。
ただし私はスタートアップ出身なので、官僚主義に陥らず、とっさの現場判断ができる国民民主党のカルチャーは、ベンチャー政党らしくてとても良いなと思った。また、そういう「余白」が生まれる余地を許容している玉木さんも、日頃から現場の力を引き出すマネジメントをしているのだなと思った。
ベンチャーと大企業で戦い方が違うように、国民民主党と自民党では戦い方が違う。ベンチャー政党である国民民主党の場合、これが正解だった。
石丸さんを見かけた時に、とっさのジャッジで声を掛けた渡部恵子議員は、グッジョブだったと思う。あなたの現場判断のおかげで比例票がちょっとだけ増え、当選者も数人増えたはず。賛否両論あるけど、僕は個人的に、官僚主義に陥らず、こういう「正しい現場ジャッジ」をリスクを負って実行できる人が好きだ。渡部さんに拍手。
また、石丸さんの行動も良かったと思う。
そもそも石丸さんが国民民主党を支持しているのかは不明だが、
もし露骨に「国民民主党を支持します!」と言ってしまうと、国民民主党に石丸さんのカラーが付いてしまい、一部支援者の離反を招きかねない。そうすると、かえって玉木さんにご迷惑がかかる。石丸さんとしても、それは防ぎたい。また、石丸さん自身に国民民主党のカラーがついてしまうことも避けたい。
それだから、「国民民主党の応援」ではなく、
今回はあくまで「投票に行こう!」とだけ呼びかけて、純粋に「客寄せパンダ」の役割に徹した。それが逆に良かった。「積極的に応援しない」スタンスで登壇したことが、結果的に、国民民主党への積極的な応援になった。何より、若年層/無党派層の土壇場の投票率を上げてくれた。そしてちゃっかり、自分の露出も上げた。
(1)自分のため(露出増)
(2)国民民主党のため(議席増)
(3)日本全体のため(投票率増)
→この3つを同時に実現する「三方よし」の正解ムーブを、とっさの判断でミスせず選択できた。
正直石丸さんも、3%くらいは心の中でこのシナリオを予見していた気もするのだけれど、
とはいえとっさのオファーを受けて焦らず正解ムーブを選択できたのは、シンプルに賢いと思う。
色々批判意見はあると思うし、石丸さんを嫌いな人がいるのも理解できるけれど、私としては、日本全体のために良いアクションを起こしてくれたと肯定的に評価している。
▼【C】国民民主党の弱点は何か?
→党員のスキャンダルだと思う。これは今回当選した人を中心に本当に気をつけるべき。
国民民主党は今回「石丸メソッド」を採用し、成功した。しかし端的に言って石丸メソッドは、「攻めは強いが守りに弱い」方法である。具体的には、今後の選挙で同じ方法をとった時に、もし党員のスキャンダルが発覚した場合、急に「しらける」ムードが蔓延して、一気に逆回転が起きるリスクがある。
それこそ想像してほしい。今回裏金問題で揺れてる自民党が、国民民主党とまったく同じ戦略をコピーして実行していたらどうなってたか?
→超絶しらけてたはずだ。ライブ中に「税金泥棒!」みたいなアンチコメントが多くなって。それを見ている無党派層が、「この政党を応援している自分が恥ずかしい…」と思ってしまう。自民党が同じ方法をしていたら、間違いなくこうなっていたはずだ。でも、国民民主党も追われる立場になったのだから、数年後の国政選挙でそうなるリスクシナリオはかなりある。
「石丸メソッド」は「スキャンダルに弱い」という弱点がある。しかしこの「石丸メソッド」は、石丸伸二さんが【個人で】実行するなら、まだリスクを抑えられる。なぜなら、自分がスキャンダルを起こさないように、自分自身を律すれば良いからだ。要するに、石丸さんご自身・たった1人が「身ぎれい」にすれば良いので、まだ難易度が低いのだ。だが、国政政党のような複数人のグループがこのリスクを抑えつつ勢力拡大するのはとても難しい。1人のYoutuberよりも5人のグループYoutuberの方が不祥事リスクが5倍になったり、1人のソロアイドルよりもAKB48の方が不祥事リスクが48倍になったりするのと同じ理屈だ。
最悪の場合、若い人はわかると思うが、
2023年にコムドットがハマってしまった逆回転現象の「国政バージョン」が起きるリスクがある。国民民主党の場合、名前を出すか迷うが、東京15区の高橋茉莉さんみたいなことが一発起きただけで、今回のネット戦略は一気に逆方向に回転し始める。
逆回転とは何か?具体的にはこうだ。
(1)スキャンダル発生
→(2)浮動ファン層が離れる
→(3)いいね数/同接数が以前より減る
→(4)逆にアンチコメントが増えて殺伐とする
→(5)オワコン化が可視化される
→(6)他のファン層が『この政党を応援している自分が恥ずかしい…』と思ってしまう
→(7)さらに浮動ファン層が離れる
こういう負のループに陥る可能性がある。Youtuberがスキャンダルでダメージを受けるのとまったく同じ構造が、国政政党バージョンで起きてしまう。なので国民民主党も、ある種のポピュリズムに片足をつっこんでしまった、劇薬を飲んでしまったことは冷静に認識すべきだと思う。
石丸メソッドは諸刃の剣なのだ。
正直今回も、「政策が好きだから応援した」人だけでなく、「みんなが応援してそうだから応援した」というフワっとした人もいたと思う。スキャンダルが起きたら、そういう人はいっせいに離れていく。もし僕が国民民主党のアンチ勢力だったら「#国民民主党終了のお知らせ」「#国民民主党を救いたい」というセンセーショナルなハッシュタグをつけて、
コムドットを叩いたDJ社長のようなネガキャン動画(以下参照)を作って拡散させるかもしれない(国民民主党の方、何のことかわからなければ学生インターンに聞いてみてください)。
繰り返すが、「石丸メソッドは逆回転が起きた時にとんでもないことになる」「そして石丸メソッドは個人が実行するよりも集団(国政政党)が実行する方がはるかに難易度が高くなる」というのは冷静に認識すべきだと思う。
・・・
今回国民民主党は、大きな失点がなかった。自民のような裏金問題がなく、立憲のように「インフレ目標0%超」という謎の打ち出しもせず、維新のようなスキャンダルもなかった。しんぶん赤旗のスクープにもぶっちゃけ助けられた。
だから今回は成功した。けれど、次はそうはいかないと思う。自民党もいつかは勢いを取り戻す。そしてもし僕が国民民主党のアンチ勢力であれば、日頃から週刊誌的に嗅ぎ回ってネタを集めておき、選挙期間中を狙って爆弾を落とすと思う。
なのでスーパーおせっかいに素人アドバイスをさせて頂くと、
国民民主党の人は、スキャンダル対策は一人一人かなり気をつけた方が良い。次にしんぶん赤旗からスクープされるのは、裏金議員ではなくあなたかもしれない。
なにせ、追われる立場になったのだから。地方議員含め、マイナスのネタは常に嗅ぎ回られていると思った方が良いと思う。万が一、「国民民主党◯◯議員、パパ活疑惑!?」みたいな文春砲が出たら、Youtubeのチャンネル登録解除が相次いで、玉木さんがせっかくもらった銀の盾を返納するハメになるかもしれない。いいか、絶対パパ活とかするなよ!!絶対だぞ!!!
そして玉木さんは、スキャンダルが起きないように統制しつつ、
スキャンダルが起きることを前提にシミュレーション・対策を練った方が良いと(僭越ながら)感じた。それこそ、「次の選挙期間中に議員のセクハラ・パワハラ・不倫問題が発覚した(対抗陣営に暴露された)時は、初手でどういう対応を取るか」みたいな。そういう「地震の避難訓練・シミュレーション」みたいなのを平時にやっておくべきだ。
その時のコツはおそらく2つあって。1つは、Youtuber/TikTokerの不祥事対応に学ぶこと。もしかすると、国会議員の不祥事対応としては正解のムーブが、Youtuber/TikTokerにとっては悪手になる…みたいな法則もあったりするかもしれない。
「ネット世論」が「テレビ世論」とどう違うのか。石丸メソッドで伸ばした勢力を保持したいのであれば、研究必須だと思う。
(そこで1つ提案だが、
Youtuberっぽく『ファン感謝祭』的なリアルイベントをやって、Youtube視聴者と、全国の全立候補者(落選者含む)が立食パーティー的に懇談できる場を設けてはどうか?
せっかく玉木さん・榛葉さんがYoutubeライブの中で、全国の候補者たちの魅力を熱弁してきたのだ。ネット支持者的にも、『あー!榛葉さんが力説してた深作ヘススにリアルで会えた!』みたいになると嬉しいはず。
これは要するに、
「会いに行けるアイドル」ならぬ、
「会いに行ける国会議員」イベントだ。
→リアルとオンラインの融合で、ファンたちをグリップする。そして今まで「玉木推し」「榛葉推し」だった一般有権者たちが、『国民民主党の<箱推し>』になってくれれば勝ちだ。
これは今回新しく生まれた支持者層のグリップという「攻め」に加えて、
<リスク感覚を学ぶ>という「守り」の側面もある。
つまり、議員の方が新しい支持者層の方とリアルで会話する中で、『新しい支持者層が何を国民民主党に期待しており、逆にどんな行動を国民民主党がするとマイナス評価につながりうるのか?』というリスク感覚を、支持者層との会話の中で学べるということだ。あとついでに、来年の参院選・都議選に挑戦する人の顔見せをしたり、SNSをつなげたり、未来のリクルートに繋げたりもできるかもしれない。一石三鳥、四鳥、五鳥のアイデアだ。
各々の選挙区でベストを尽くすことは前提としつつ、まだまだ弱小政党の国民民主党は、次回も比例に頼らざるを得ない。だからこそ、比例票という形で国民民主党を支えてくれる「選挙区外の有権者」の思考をユーザーリサーチする機会を党主導で作ってあげるのは、個々の候補者にとってもプラスになると思う)
もう1つ玉木さんがやるべきなのは、今のコンサルにプラスして、2社目のコンサルを新しく雇うこと。
ハッキリ言って、SNSで「おいしいパンケーキ」をバズらせるための「ゆるふわ系コンサル業者」と、広報/PRのリスク管理を司る「インテリ系コンサル業者」は、思想もケーパビリティーも全く異なる。その意味でも、「リスクのプロ」からもちゃんとセカンドオピニオンをもらっておき、次回は選挙期間中の超絶忙しい時期に爆弾を投下されてもスムーズに火消しできる備えをしておいた方が良いと思う。
逆に国民民主党がそこを研究し尽くして、独自のガバナンス・リスク管理体制を構築できたとしたら?
→その時は本当に、国民民主党の無双モードが始まるかもしれない。ブレーキがしっかりしているからこそ、思い切りアクセルを踏める。ひょっとすると、自民や立憲など古い政党が数十年追いつけないレベルの競争優位を獲得する無双シナリオもありうるんじゃないだろうか。
なにせ、自民党は裏金疑惑はじめ党内でも「すねに傷を持っている」人ばかりで、国民民主党のようなYoutube戦略はやりたくてもやれないはずなのだ。なのでこの点については、ベンチャー政党である国民民主党に「地の利」がある。
※この文章、国民民主党の人にちゃんと届くといいな…。ただのイチ有権者の素人考察だし専門家でもなんでもないですが、もし追加で話を聞きたい場合はいつでも声かけてください(もちろん他の与野党の方もこれを見ていればぜひ)。
▼まとめると…
やっぱり国民民主党はすごかった。これに尽きる。
僕のスタンスを改めて示しておくと、
「政策と選挙戦略は別物」というスタンスだ。国民民主党の政策には賛同しない部分もいくつかある。
ただしそれとは別に、「選挙戦略」という意味では、今回の国民民主党は本当に良かった。裏方のスタッフも含めて、とても良いチームだったと思う。「ジャイアントキリングって本当にできるんだな」という、とても良い勉強になった。
あと個人的にすごいと思った点が2つあって…。
<A>石丸さんの都知事選が7/7。今回の衆院選の公示日が10/15。たった3ヶ月で石丸メソッドを独力でリバースエンジニアリング(分析&再構築)しきったスピード感は本当にすごい。(他の野党はまったくついてこれてなかった)
<B>玉木さんは55歳、榛葉幹事長は57歳、広報トップの礒﨑さんは55歳。にも関わらず、「若い感性についていけた」という点がすごかった。
⇒この2つから見ても、「時代の変化についていける唯一の国政政党」だと思った。
もちろん、国民民主党が今回これをできたのは、規模の小さなベンチャー政党だったから。これから大所帯になると難易度が上がるので、急速にオワコン化するリスクシナリオは全然ありうる(イケイケのスタートアップが、上場直前に風通しが悪くなるのと同じ現象)。それでも、少なくとも今回に関しては、本当に拍手を送りたいなと思った。チーム玉木、カッコ良かったぞ。
・・・
こんな超長文(27,000字)を読んでくださり、ありがとうございました。国民民主党も他の与野党も、これからぜひ頑張ってください!日本の政治がもっと盛り上がりますように!
※なお私はただのイチ・ビジネスパーソンです(政治には何も詳しくありません)。Xでもつぶやいてるので、良ければフォローお願いします!
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